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レッチェvs.ユベントス【マッチレポート】

前節のヴェネツィア戦では、勝利を手にしたとはいえ、攻守において多くの課題を残す結果となったジャンパオロ監督。就任から2試合目は、ホームに強豪のユベントスを迎えての一戦となる。


スターティングメンバー


レッチェは前節からメンバーを1人変更。(ピエロッティからテテへ)システムも4-3-3から4-2-3-1へ
フィルター役を追加する狙いか。

対するユベントスはけが人を多く抱えているようで、2人の変更。
システムもT.ウェアーをトップの位置に置いた4-2-3-1を選択。

前半

試合は、予想通りユベントスがボールを握る展開に。

開始~20分

【レッチェ】
守備
4-4-2(4-4-1-1)の布陣を組み、コープマイネルスをラマダニがマークし、ロカテッリにはラフィアとクリストビッチでにらみを利かす。


レッチェの守備陣形とユベントスの攻撃布陣のイメージ

攻撃
前節同様にGKのファルコーネからつなぐことを選択。
おそらく狙いとしては、ファルコーネがボール持ち、相手FWを食いつかせて、プレスを誘発。これにより空いた逆サイドのサイドバックへのパスや、相手の大きく間が空いたDF-MFラインに降りてくるクリストビッチを起点に崩していくことだろう。

レッチェの組み立てのイメージ図

ビルドアップ
レッチェの組み立ては、GK+2CB+4ワイド(2ボランチ+2SB)
配置的に選手間が遠く、ミスが起きやすくなり、ピンチを招くシーンも見られたが、途中から、ギルベールが3バックの一角のような位置でプレーし、距離感が良くなる。(ペナルティエリア幅で開き、CB-WGのパスコースを作ることができる位置。)

【ユベントス】
守備
守備時の布陣は4-2-3-1
FW主体のプレッシングのため後ろがついていけていなくて、陣形に”穴”が空いてしまう。

攻撃
K.テュラムが一列上がり4-1-2-3の布陣でビルドアップを試みる。
前線の選手は足元で受ける意識が強く、ビルドアップは安定しているが、崩しのフェーズに移行することができてない。
ユルディズやコンセイソンのところでアイソレーションを作れればチャンス。

図のようにWG(サイドハーフ)の選手を中央に引き込み、大外で1対1の状況を作り出すとチャンスになる。

20分~30分

【レッチェ】
攻撃時にラフィア右に流れてドルグが中へ。ドルグはサイドで仕掛けられる選手ではないので、ラフィアをスライドさせて右の深い位置からのクロスが狙いか?

【ユベントス】
ビルドアップ
カンビアーゾを中心にポジションをローテーションし始める。
中央の足元での要求は変わらないので、レッチェに脅威を感じさせていない。

30分~ハーフタイム
【レッチェ】
カンビアーゾにドルグがついていきすぎてしまい、右サイドにスペースを与えてしまう。これにより、ユルディズのところでアイソレーションを作りやすくなり、崩しのフェーズまで簡単に行かれてしまう。

【ユベントス】
テュラムがより最終ラインよりに立ち位置をとるようになり、ターゲットのような役割を担い始める。さらに、中央にコープマイネルス、ロカテッリ、カンビアーゾが集まり始め、これによってレッチェの選手はマーク選手に混乱を招く。

ハーフタイムの修正点

前半振り返り

  • ユベントスペースで試合は進んでいるが、レッチェは抑えるべき選手を抑えて、決定的なシーンを作らせていない。

  • 要注意選手は、コープマイネルス、ロカテッリ、ユルディズ、コンセイソン、カンビアーゾ。特に、ユルディズとコンセイソン二人合わせてのドリブルは8/10(Successful/Attempted)と脅威。

もしもの話

もしも、自分が監督なら、後半はユベントス相手にどのような戦い方をしますか?

私なら、より守備的に!
自陣に縦20m横30mのブロックを形成することを優先(リトリート)、ブロックを作ったところからダニーロ、ガッティにボールが入ったら全体でプレスをかける。という戦い方を選びたい。
なぜなら、前半20分あたりからいくつかあった、中途半端なプレスから前進を許してしまうシーンを嫌ったためです。

攻撃面では、クリストビッチにボールが収まっているので大きく変更はせず。WGの立ち位置を左右入れ替え利き足のサイドに配置し、SBが守備に意識を持っていきやすくすると同時に、ダニーロとガッティのサイドにドルグを置き負荷をかけ続けます。

監督として考えるとやはり自分の色が出てしまいますね(笑)
では、レッチェの分析官として現場にいたらどういった案を出しますか?

私はなら、「ドルグがカンビアーゾを追いかけるのは、自分のサイドのタッチラインから自分のサイドのゴールエリアのラインまで。」という案を出します。

狙いは、前半から時折みられるサイドからの攻撃をさせたくないためです。(ついていきすぎてスペースを作られたり、ほっときすぎてユルディズにパスを通されたりされたくない!)
つまり、カンビアーゾとユルディズのパスコースが繋がっている間は、自由にさせない。逆に、中央に入りすぎてくれたらユベントスとしては、ボールを前進しにくい形に陥りやすいためです。

それでは、実際はどうしたのでしょう。

後半

前半同様にユベントスのほうがボールを保持する時間が長いが、ペースは互いに譲らず。一進一退の攻防が繰り広げられる。

主な修正点と

【レッチェ】
両サイドバックに高い位置を取れせる。
深い位置の攻撃は、SBに任せる狙い。
カンビアーゾは追い過ぎない。
ロカテッリと中に入ってきたカンビアーゾはラフィアが見る。
サイドを起点にされたことにより、陣形を広げられて、コープマイネルスに間で受けさせてしまいピンチを招く。

【ユベントス】
SBの攻撃参加を咎めるかのように、露骨にサイド攻撃を狙う。(主にガッロを攻撃参加させないため。また、ガッロは対人守備がすごく得意というわけでないため。)
後方のビルドアップの配置的にWGへのパスコースを作れていないため、相手のミスからゴールに迫るシーン増える。(カンビアーゾが中に入りすぎ)
バスキロットにボールが入ったらプレス開始。

交代と意図


53分
K.テュラム→ファジョーリ
(意図) 
前半からプレーに関与できているシーンが少ないためか?

ガッティ→ロウヒ
(意図) 
ガッティやダニーロがレッチェのプレススイッチが入るタイミング。それによる後方でのミスも多いことから交代か

75分
ユルディズ→ムバングラ
(意図)
後半、仕掛けられるシーンが減ったため? 個人的には配置の問題な気がするが…

テテ→レビッチ
(意図)
攻撃的に行きたい。さらに、大外のレーンを開けガッロの上がるスペースを開ける。

ラマダニ→カバ
(意図)
下からつなぐよりも、縦に早く攻め、セカンドボールを拾いたいから?

81分
ラフィア→レミ・ウダン
(意図)
守備の強度が落ちるが、チャンスクリエイトが得意な選手を投入。クロス、プレースキックなどの精度も高いため、何かやってくれる感がある。

84分
コンセイソン→プーニョ
(意図)
最終ラインとの駆け引きで引っ搔き回しつつ、ウェアーを得意な位置に置きペースを取り返したい。

ガッロ→ピエロッティ
(意図)
前半から攻守において走り回っていたため、体力面を考慮し、さらに攻撃的にという意図。

失点シーン振り返り

カウンターからスローインをクイックリスタートを許してしまいカンビアーゾにシュートを打たせてしまったが、レッチェの選手は即座に守備陣形を整えている。
スローイン再開で、ガッロとバスキロットの間に大きなスペースができてしまうのをラマダニが塞ぎ、ラマダニのポジションにラフィアがスライド。シュートにファルコーネも反応しているので、不運な失点。

得点シーン振り返り

球際の競り合いやセカンドボールへの反応が、この時間でもレッチェの選手は落ちることなく続けられていたこと。そして、クリストビッチにパスが出てから、ユベントスのディフェンス陣、誰一人としてレビッチを見ていないことが得点につながったといえる。

まとめ

レッチェは、中途半端なプレッシングや、ビルドアップ時のミスから決定機を作らせてしまうなどの反省点や改善点はあるにしても、ユベントス相手によい対応策や修正を見せてくれた。また、先制を許してしまったが、終了間際に待ちに待ったアンテ・レビッチのゴールで勝ち点1をもぎ取れ、良い形で次節ローマ戦を迎えることができそうだ。



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