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気管支鏡専門医について

 今回は気管支鏡専門医についてまとめていきます。
業績は呼吸器内科専門医とかぶるものもあり、できれば並行して進めることをお勧めします。呼吸器専門医と比較して病歴要約などは必要ないものの、筆頭演者としての発表あるいは筆頭著者としての論文掲載が求められます。申請に必要な要件・単位がわかりにくいので、詳しく説明していきます。専門医取得予定の呼吸器内科の先生だけでなく、呼吸器外科の先生にも参考になると思いますので、最後まで見ていただければ嬉しいです。
 詳細は以下の日本呼吸器内視鏡学会HPも参考にしてください。

気管支鏡専門医とは

 日本呼吸器内視鏡学会が認定している専門医資格です。持っているからといって何か特殊なことができるわけではありませんが、認定施設や関連認定施設の申請や維持には専門医や指導医の存在が必須です。私のように呼吸器内科専門医と合わせて、上司に取りなさいと言われている人も多いのではないでしょうか。ただし検査実績なども必要であり、呼吸器内科専門医と比較すると取得する人は少なくなる印象です。

専門医申請の資格

 申請するには、以下の3つがまず前提となります。
・日本の医師免許を有していること
・申請時において、計5年以上本会員であること
・認定施設あるいは関連認定施設の指導医のもと、十分な期間(6ヶ月以上)所定のカリキュラムを修了し、専門医としての技能および経験を有していること

5年以上学会員であることが必要なので、入会していない方は早めに入っておきましょう。そのうえで、気管支鏡専門医試験を受けるためには、以下の業績・参加証・証明書の提出が必要になってきます。
①専門医申請書(学会HPからPDFダウンロード可能)
②医師免許証の写し
③呼吸器学会在籍証明書(事務局が発行)
④呼吸器内視鏡学会総会への出席(過去5年間で2回以上)参加証
⑤総会での気管支鏡セミナーへの出席(過去5年間で1回以上)参加証
⑥気管支鏡検査の実績(経験症例100例以上、術者20例を含む)を証明する指導医の証明書
⑦業績表および申請に必要な所定単位を証明する書類
⑧施設の指導医の修練修了証明書

 ④と⑤については学会・セミナーに参加するしかないので、気管支鏡専門医を取る予定の方は早めに出席をしておきましょう。参加証も忘れずに保管が必要です。ただし直近5年以内の出席のみカウントされますので、その点は注意してください。わかりにくい⑥気管支鏡検査実績と⑦業績表と必要単位について以下で詳しく説明していきます。

⑥気管支鏡検査の実績(経験症例100例以上、術者20例を含む)を証明する指導医の証明書
5年の間に気管支鏡検査の経験症例が100例以上必要です。また100例のうち主実施者であった症例が20例以上、認定施設または関連認定施設での実施が20例以上必要です。症例の登録の仕方は簡単なもので、日付や年齢、性別、検査の内容、実施施設、術者か介助者であったかをエクセルのような形式のものに登録するだけです。病歴要約のような詳細な内容は問われません。それらを記載したうえで、気管支内視鏡指導医のサインがもらえればOKです。

⑦業績表および申請に必要な所定単位を証明する書類
 以下の業績と単位が必要になります。

 上記の学会出席や発表などで50単位が必要です。
一番重要なことは、気管支鏡学会年次学術集会での筆頭演者としての学会発表、あるいは気管支学・Respiratory Endoscopyでの筆頭著者としての論文掲載どちらかが必要であることです。また発表や論文は気管支鏡に関連を有するものに限るとあるため注意です。50単位自体は学会参加で余裕でいけますが、この筆頭演者・著者としての発表・論文掲載が最大の壁かなと思います。5年以内という制約がついているのもやっかいですが、なんとか頑張りましょう。

 以上①〜⑥を気管支鏡専門医制度委員会に簡易書留で郵送すれば大丈夫です。2023年は申請期間は7月1日から7月31日でしたので、忘れないようにチェックしておきましょう。

気管支鏡専門医試験について

 以上の要件をすべてクリアし、申請が通れば気管支鏡専門医試験を受験できます。日程は概ね、毎年8月末の土曜日午後に東京や神奈川で試験が行われています。
 2022年度までは2時間の試験時間で一般問題50問、画像問題30問で計80問の構成でしたが、2023年度に突然一般問題60問、画像問題40問の計100問の構成へ変更となりました。試験時間は2時間と変わりなく、また全ての正解選択肢を選べという問題も増えたため、受験した先輩曰く超絶難しかったようです。来年度も同じような出題形式で来る可能性が高いと考えています。
 ただ合格基準は毎回明確化されており、一般問題・画像問題ともに、それぞれの最高点の60%以上取得したものを合格とした、と例年書かれています(次年度もこの基準を保証するものではありません)。めっちゃ頭いい人がいるとそれだけ合格ラインは上がることになりますが、一般問題と画像問題でそれぞれ60%以上とれれば、確実に合格できることになります。
 以下の画像は公表されている2023年度の試験結果です。合格率は87.5%と高めでしたね。一方2022年度は80.6%、2021年度は92.1%とかなり合格率に幅があります。合格基準が明確に定まっているため、その年の試験の難易度や受験生のレベルで大きく合格率は変わりそうです。

気管支鏡専門医試験の勉強方法

 学会から一応以下のような試験のガイドラインが出ています。つまりは気管支鏡テキスト第3版から出すからこれで勉強してね、ということらしいです。

 2023年度に合格した先生に伺うと、気管支鏡テキストの読み込みは必須とのことでした。一般問題では気管支鏡テキストからそのままの文章が出ることもあるようです。ただし明らかにこのテキストから外れた問題も多く、激ムズとのことでした。また画像問題についてはテキストの画像がそのまま使われることはなく、また外科的なものも多くあったようです。内科としてはそちらはある程度捨てるしかないかなと思っています。

上記テキストに加えて、
そらさじ先生、さりりん先生のまとめ・対策noteが参考になりそうです。
以下にリンクを貼っておきます。

以上簡単ではありますが気管支鏡専門医についてまとめてみました。
実際に試験を受けたあとでまたフィードバックしたいと思います。専門医取得予定の先生方に少しでも参考になればありがたいです。

すべて無料で公開予定ですが、note作成のモチベーションアップにつながるので、参考になった方は少額寄付いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

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