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お店がサードプレイスになる

 前回ご紹介した青森の電器屋IKOさんは、数年前に青森駅前に移転しました。移転に合わせて、店内に大きなテーブルを設置して、お客様にくつろいでいただけるようにしました。ご来店いただいたお客様には、コーヒーやお茶をお出しして、しばし店内で過ごしていただけるようにしています。
 このスペースができたことで、まちなかにいらっしゃったお客様が気軽にお店に立ち寄られるようになりました。今では、IKOさんに寄り道するのを楽しみにしているお年寄りも多いようです。ご来店されたお客様は、オーナーの伊香さんとの談笑を楽しみ、皆さんここでリフレッシュしていかれるようです。
 気軽に立ち寄れて、一個人としてのひと時を楽しめる電器屋IKOさんは、お客様にとっての「とびきり居心地の良い場所」、すなわちサードプレイスになっています。近年、家庭でも職場でもない第三の場所として、サードプレイスの存在が注目されています。お店としてはお客様の接待場所として設置したスペースですが、お客様にとってはサードプレイスになったわけです。ちなみに、コーヒーを飲んでいただきながら、商品のご案内もしているので、売上にも貢献しているようです。
 買い物目的でご来店するのではなく、お店に来ることが目的になり、結果的にお買い上げにつながる、これがお店がサードプレイスになるということです。これからのお店、特に地元のお店が目指すべき方向のひとつがサードプレイス化です。電器屋IKOさんの先駆けに、大いに学ぶべきでしょう。


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