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一店逸品運動のススメ その4

 前2回は一店逸品運動の進め方について記してきましたが、最初にお手伝いした北海道のあるまちで生まれた逸品を、今回はご紹介します
 まず成功事例
 オーナーは元役所の職員、子育てもひと段落したので、チャレンジショップで生活雑貨のお店を開業していました。運動に参加した動機は、まだまだ知名度がないので、「逸品と通じてお店の存在を町民の皆さんに知ってほしい」とのことでした。会合には休まず出席、その度熱心に質問もしていました。熟考の末出された逸品は、「デュラレックスのグラス」でした。特徴は、形状の美しさと、落としても割れない丈夫さでした。今でこそ、デュラレックスはポピュラーになりましたが、当時は無名の商品でした。彼女は、自身が雑貨好きということもあり、様々な生活雑貨を取り寄せて販売していました。いわゆるセレクトタイプの雑貨店を、開業していたのです。お店の特徴を表現した逸品であり、特に若い主婦層の集客に奏功しました。
 次に失敗事例
 ロードサイドで営業する、大番焼のお店です。会合にはあまり出席していなかったためか、考え違いをしていたようです。「逸品=珍しいもの、斬新なもの」と理解していたようです。当初出された逸品候補は、カレーを入れた大番焼でした。確かに今までになかった大番焼ですが、お世辞にもおいしいものではありませんでした。珍しさで一度はご購入いただけるかもしれませんが、再来店にはつながりそうもありません。おいしい大番焼がお店の特徴なので、十勝産のワンランク上の小豆を使った、小豆にこだわったプレミアム大番焼を逸品にしました。お店の特徴やこだわりがお客様に理解していただけたようです。
 このように、逸品を考えるためには時間をかけるのです。

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