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米農家の現実②…
2025年 2月26日(水)
今朝の景色…
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〈気になる記事・後半…〉
「コメは生産者だけが儲からない」「俺の代で終わり」…会社員としての給料を赤字に補填していた兼業コメ農家の嘆き「近い将来、国産米は金持ちしか食べられなくなる」
(記事全文…)
コメの「異常高値」を是正するために政府が決めた備蓄米の放出。しかし、そもそも従来のコメの価格では肥料等の経費の値上がりとも釣り合わず、小規模生産者にとってはコメ作りは続けるほどに赤字が増える底なし沼だ。政府の無策のツケを一身に背負わされたコメ農家の悲痛な叫びは止まらない。
今回は会社勤めの給与を注ぎ込んでようやく成立していた兼業コメ農家のひとり、茨城県筑西市のコメ農家・岩見正道さん(75)が自身の経験を詳細に語ってくれた。
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コメ作りの年間200万の赤字を給料で補填していた
「もともと親父は専業農家で俺は会社員やってたんだけど、20年以上前に親父が亡くなったときに農業を継いだんだ。だからしばらくは兼業で、定年退職するまではいわゆるサラリーマン農家ってやつだった。
50年前の親父の時代は、専業のコメ農家でも食っていけたんだが、今はとてもじゃないが食べてはいけない。俺のところは700俵(42トン)収穫できるから、個人レベルでは規模は大きい方だけど、兼業時代からずっと年間マイナス200万円くらいだったよ。
だから、サラリーマンで稼いだ給料を米作りにかかる費用に充てていたんよ。コメ作りで出た赤字分をサラリーマンの給与所得と損益通算すれば還付金が戻ってくるから、兼業ならなんとかやっていけるレベルだ」
年間200万円もの赤字を給与で補填してまで米作を続けたモチベーションは何だったのか。
「はっきり言っちまえばただの道楽だ。趣味がゴルフの人が金かけてゴルフやるのと一緒。俺の場合は、体を動かして健康維持にもなってるし、これで金を儲けようなんて思ってない。
コメ作りが楽しくてやっているわけでもなくて、まあ、俺ら世代だと代々の先祖から受け継いだって思いもあって、そういうのは大切にしなきゃいけないって考えがまだあってさ……。だから体が動かなくなるまではやろうって思ってるよ。
ただな、ここまで利益を出せないってなってくると、サラリーマンやってる息子に『コメ農家を継げ』とは間違っても言えないな。だから俺の代で終わりかと思ってる」
30キロ5万円になって、やっとサラリーマンなみの生活
岩見さんは作ったコメをJAには出さず、米問屋と取引をしている。
「去年の『コメ騒動』以降は問屋から30キロ2万円くらいの金額で買ってもらったけど、それまで何十年もだいたいその半額くらいの値段で推移してたからな。
若い子がコメ農家専業で普通のサラリーマンくらいの生活をしたいとなると、(買い取り価格が)30キロ2万円でも厳しいよ。田んぼの規模にもよるから一概には言えないけど、個人でやるなら30キロ5万円くらいになったとしたら年収500万円くらいの生活ができるんじゃないかな。
JAや米問屋は買い取った金額にプラスするだけだから儲かるんだよ。彼らが自分でコメを作らないのは儲からないのを知っているからさ。これまで名だたる大手企業が米作に参入してこなかったのは儲からないってわかってたからだ。
米の買い取り価格が安かったわけだから、規模が大きくなったところでたいした利益は出ないんだよ。それにコメ農家が年々減少しているから、少ないパイから利益を出すために農機具メーカーはどんどん値段を吊り上げていく。
コメの世界においては生産者だけが儲からないって感じだな。まあ農業全般そうなんだろうけどな」
「コメ農家は年々減少しているわけだからそりゃ足りなくなるよ」
政府の決めた備蓄米放出についてはどんな思いを抱いているのか。
「投機目的、買占めと、いろいろな要素があるのはあるんだろうけど、そんなのは微々たるもんだろう。政府も『もうコメが足りません』って言っちゃえばいいのにね。ただただ生産量が減ってコメがないってだけの話だと俺は思ってる。
もちろん消費者がパニックを起こすから国もそんなこと言えないだけで、本当はそういうことなんだと思うよ。コメの年間生産量が700万トンって言ったって過去から見れば半分近くと大幅に減っているわけだ。そのうえでコメの需要は上がっている」
訪日外客数、いわゆるインバウンドが昨年約3680万人と前年比4割増で過去最高を記録した日本では、コメの需給バランスも急激に崩れたようだ。
「外国人観光客が殺到して来てみんながコメを食いたがる。それに高品質の日本米は人気があるから海外への輸出も増えている。そういった需要が増えている中、コメ農家は年々減少しているわけだからそりゃ足りなくなるよ。
それにこれからコメ農家を増やそうにも、サラリーマン並みの年収を得るのが大変なのはさっき言った通りだから。
国の補助金を活用することもできるけど、例えばトラクターを買うために補助金を受けようとすると、条件として飼料用米や蕎麦などを作ったりしなきゃいけなくなる。
コメだけじゃなくて何品目も作らなきゃいけなくなるんだよ」 コメだけでも赤字なのに、他の作物にまで手を広げたら赤字が拡大するだけだ。
「そうなると補助金もらってもマイナスだな。だったら大規模にと思うかもしれないけど、そうなれば設備代や人件費が発生する。やっぱりそこに米価が追いつけないって話になっちゃうんだよ。
今後もコメの値段が上がり続けるかどうかはわからないけど、少なくとも備蓄米の放出で落ち着くことはないと思うよ。本当はJAとか米問屋とか間に入れず、農家と消費者が直接やり取りするのが一番いいと思うんだけどさ。
このままコメ農家が減っていけば、将来的には金持ちは直接農家に依頼して日本のコメを作ってもらって、それが出来ない人は輸入米を食べるなんてことにもなりかねないと思う。それはもうコメだけの話ではなくて、農業や漁業など第一次産業全般に共通することだと思うけどさ。
俺はもうコメでお金を儲けようなんて思ってないし、最悪、自分たちが食べられる分のコメだけ作れればいいんじゃないかと思うしな。
20年近くコメの値段は安いままだったわけだし、そういう風に思うコメ農家も多いんじゃないかって思うよ」
岩見さんのように、会社勤めの給料を補填してようやく成立する兼業農家ひとりひとりの努力がこの国の米作を支えてきたが、それも限界ではないか。日本の農業政策を考え直す時が来ている。
👉この記事にあるように…
今の日本全国各地で個人レベルでお米を作っている米農家さんたちは、みんな同じような状況ではないでしょうか…。
恐らく…
サラリーマン農家として兼業しているか…
もしくは年金暮らしで何とかやられている方も居るかもしれませんが、そういう方はそれなりの蓄えがあってのことでしょう…。
土地を売るなりして…
いずれにしても…
もうこれからは…
今のままでは…
個人レベルで農業を継続出来る人は居なくなるという現状…。
代々引き継いでこられた農家の方が…
『息子たちに継げとは言えない』というのが現実ですから、よほど無知な人間か変わり者でない限り、これから敢えて農家になろうとする若者は限られて来ると思います…。
否、なろうとする若者はいますし、結構多いですし、チャレンジする若者も実際かなり居ます…。
何を隠そう…
わたしもその一人でしたから…。
わたしも一時期本気で新規就農しようと…
兵庫県の農業制度を利用して、その補助を受けながら、淡路島の農業の親方の元で丸2年間一緒に修行させてもらっていました…。
定期的にその農業普及センターの先生の指導・研修も受けながら…。
その当時の同期生というか、その年に一緒に新規就農を目指していた若者たちは、わたしの他にもだいたい40名ほど居ました…。
当時その中では…
わたしがいちばんの最年長だったのではないでしょうか…
結果・結論で言うと…
わたしは既存の慣行農業を目指していた訳ではなく、やはり薬や化学肥料を使わない自然な農業を目指していたので、その志向では最終的な県の農業委員会の先生からの面談をパスする事が出来ず、あえなく新規就農を断念せざるを得ませんでした…。
その最終的な面談では…
JAからちゃんと薬も肥料も買って…
既存の慣行農業としての「農業計画書」を事細かに提出しなければ、その新規就農者としては認められないとの事でした…。
そしてそうでなければ…
農業補助もどこからもまったく受けられません…。
そしてその最後には…
『勝手に趣味でやってください…』
と言われてしまいました…。
ということで…
わたしの2年間の農業チャレンジはあえなく挫折に終わりました…。
その2年間…。
最初から親方にも『やめとけ』と言われ続けましたし、いちを元Jリーガーとしてその体力には少しは自信もありましたが、そんな自分が全力で目一杯挑んでもなかなか難しく大変な世界でした…。
『自然の偉大さ』と『農家さんの偉大さ』が身に沁みて感じさせられた経験でした…
そして当時の普及所の先生からは『農業そんなに甘くない』と散々言われ、確かにそうなのですが、普及しなければならない立場なのに、みんなには『覚悟しろ』と消極的な事ばかり…。
やる気のある若者たちにそれを言う前に…
自分たちがもっと「若者たちが食べて行ける農業界のその環境づくり」に励むべきではと内心思ってはいました…。
そりゃ〜
自分がやるより教えてるほうが楽だし儲かりますけどね〜
そもそもやった事ないのでは…。
とにかくお気楽な方々でした…
でも…
そんな農業の入り口にしてみても…
何かJAありきというか…
そんな普及所の先生たちも…
そのJAの営業マンみたいな日本の農業の仕組み…。
おかしくないですか…
そんな薬と化学肥料ありきの農業を教えておきながら…
『これからは有機農業を目指してくだい』
などと平気で言える農水省もおかしいし、そもそもそれがどれだけ大変な事か分かってないですよね…。
今では…
有機農業だろうが慣行農業だろうが…
とにかくこの割に合わない今の農業の環境で、今でも何とか続けて農業をされている農家の方々を、わたしは本当に尊敬しています…。
わたしはノウハウ的にも技術的にも体力的にも、そして経済的にも、その農業へのチャレンジに失敗し挫折した人間ですから…
そんなわたしが言うのも何ですが…
そんな今の日本の農業の仕組みとその構造は絶対におかしい…!!
それをいつまでも放置している政府がおかしい…!!
それを放置しておきながら…
東京の料亭で毎日のように食べ歩きしている政治家はおかしい…!!
そしてついでに…
末端の現役農家さんたちのことを蔑ろにして甘い汁を吸っているJA幹部たちもおかしい…!!
そんな人たちがのさばり居座っているのはおかしい…!!
誰のための何のための日本の農業か…。
これでは日本崩壊も免れません…。
そんな責任重大な政策を…
いっときの“自分ファースト”で推し通す人たちの罪は大きいです…
〈気になる記事・前半…〉はこちらから…
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