アメリカミシガン州 KyokofromTokyo#3 料理人ジョンの娘の名前はレーガン
KYOKO from TOKYO!
リニーの家へ到着した翌日は朝6時ごろ目が覚めた。リニーのパートナー、ジョンが早くに起きてコーヒーを入れている。
「Good morning!」
「コーヒー飲むかい?」ジョンはフレーバーコーヒーが好きみたいだ。
「リニーは、夜子供たちを寝かしつけるのが大変だから、まだ寝てるよ」
リニーは8時ごろ起きてくる。
陽気なジョン、子煩悩で盛り上げ上手な優しい人、楽しませてくれようといつも気づかってくれていた。
「Kyoko from Tokyo!」リニーとジョンと子供たちが、昨日車の中で合唱していた。ジョンが「日本の東京からKyokoが家に来る」ことを子供達に前々からこの言葉で教えていたそうだ。
冷蔵庫のボードにも、「Kyoko from Tokyo!」をマイケルがメモ書きして貼ってあった。(語呂が気に入ったのでブログのタイトルにしました)
「夕べのシャワー、水だったでしょ?どうした?」
朝、ジョンとリニーに言われた。夜遅くに帰り着いて、Barn小屋のお湯を出す発電機のスイッチをオンにするのを忘れていたらしい。
「うん、水だったけど髪まで洗ったよ」
「お〜 Strong!」いやあ、すまなかったねえ、とジョンとリニー。
朝ごはん
朝ごはんはジョンがつくる。
というより、食事はこの家ではすべてジョンが担当。
リニーは料理が苦手、ジョンは料理好き。
「料理は楽しいよ」とジョン。
「私はラッキーね」とリニー、ほんとだね。
「ベーコンエッグ食べるかい?」とジョン。
ホットプレートでベーコンエッグを作ってくれる。ベーコンのでかいこと。
「ベーコンは2枚でいい?」
「いや、1枚でOK」
「そうかい?」
「卵は2つ?」
「いや、1つでいい」
ベーコンエッグは美味しかったが、ベーコンはだいぶ脂っぽい。
ボリューミーだなあ、こっちのベーコンは。ふつうの肉みたいだ。
いいのはダイニングの窓から森が見えるところだ。ダイニングの椅子に座ると、向かいにはソファと星形の鏡が壁にかかっている。冬景色の絵も掛かっていて、リビングの奥にも窓から外に森が見える。
私の背ではダイニングの椅子が高いので、子供たちと同じ動作で、椅子によじ登る感じでテーブルに着く。そして足はもちろん、ぶらんぶらん。
やがて子供たちが起きてくる。
彼らの朝ご飯は、ホットプレートに薄い小さなパンケーキを焼く。
甘い飲み物を飲んでいたような気がするが、それだけ?それが朝ごはん?というのが正直なところ。その食事で、よく育つなあ。栄養などないではないか。というかほとんど食べてないし、、、
「お代わりはいいかい?」と聞いてくれるジョン、ありがとう。
なれそめ
「ジョンとリニーはどこで出会ったの?」
ここに引っ越すずっと前に、コロラド州デンバーの街でリニーが銀行へ犬同伴で愛犬ボクサーのマギーと入ろうとして「あ、犬は入れたらだめだよ」と言いに出てきたのがジョンだったと。
「私はその時、彼氏を探してなかったんだけどね」とリニー。
「僕は、彼女を探していたんだ」ジョンがアプローチしたらしい。
わあ、そうなんだ、縁だねえと笑っていたら、ジョンが「昔のことだよ」とキッチンの背中越しにつぶやく。リニーと顔を見合わせて肩をすくめる。笑さっきまであんなに陽気だったのに。 笑
娘に大統領の名前
娘の名前はレーガン。どこかで聞いたことがあるけれど、どこからその名前が来たのかなあと思っていた。
「”レーガン”はジョンがレーガン大統領が好きだからつけた名前なのよ」とリニー。
大統領の名前を女の子につけるのかあ、しかもそれ、苗字ではないか。面白いなあ!
よっぽど思い入れがあるのだろうな。近年の政治家の名前をつける感覚はなかなか日本ではなさそう。もっと昔の歴史的ヒーローの名前をつけることはあるかもしれないけど、、しかし苗字を名前に変換するのは日本語ではまずなさそうだ。
朝のトレイル散歩
朝ごはんの後、外の森を散策をしたくて「ちょっと散歩に行ってきます」
すると、娘のレーガンが一緒についてくる。好奇心旺盛、私が何者か探っているのかしら、「こっちよ」と案内してくれる。
山道を歩くのが気持ちいい。サクサクと落ち葉を踏みしめながら、山の方へ行く道へ入っていく。小高い急坂を登っていく。おしゃべりするともなく、少し離れて歩く。一番高く上ったところの樹木の上の方に、木の実や松かさと木片で作った顔のオブジェが幹についている。「ママがつくったの」道標になっていていい。はっきりした山道がないから、自宅敷地内とはいえ、迷いそうだから、あると安心かも。ぐるりと回って下ってBarnの方へ下りていく。
すっかり私の部屋
になっているベッドのエリアに戻ると、マーティンもレーガンもベッドに遊びに来て、なにやらずっと話してくる。
ほとんど聞き取れないが、マーティンはことさら何を言ってるか分からない。自分の知っていることをずっと話している様子で、男の子らしい感じ。ベッドの上まで上がってくることはないのだが、あれこれずっとくっついてきて話してくる。
そのうち二人とも飽きてきて、来ることもなくなるのだけれど 笑
リニーのボクサー犬たち
犬の寝るところと水飲みエリアはBarnの1階奥にあって、柵で仕切っていた。
犬が近所を徘徊して他の家の敷地へ行かないように、犬が外へ出ないように、人が家の中にいるときは、犬も家の中にいるように、極力入口のドアは閉めていた。
彼らは皆女の子、猫派の私はあまり犬にはときめかないが、それでも外を歩いているとついてきたり、しっぽを振って飛びついてくるとかわいいなと思う。でも猫と違ってボクサー犬は大きくて重いし硬いし、どう対応していいかわからず、リニーに助けを求めることもあった。
「目を合わせないのよ、目を合わせると相手をしてくれると思って飛びついてくるから」
なるほど!ほんとだ!目を離すと、スッと向こうへ行く。犬にクールに対応する術を学んだ。
No Trespassing!
リニーが車で出かけるという。
「一緒に行こう、Kyoko! 」「OK!」車で森の道をことごと進んで、車道に出たところで stop。
「あれ?もう終わり? That's it?」「そうよ!That's it!」
今日のリニーの誕生日パーティにくる親戚たちに「Welcome to the Party! 」というお知らせ風船を付けに来たのだ。カラフルに風船を膨らませて、「No Trespassing」と書かれた車道沿いの看板にくくりつける。
前の持ち主の時から建っている看板「No Trespassing」は、住居地内立ち入るべからずという意味、車道から踏み分け道がついているので、人が入ってきてしまうのだ。すかさずウエストバッグに常備していた電子辞書で意味を調べる。
今日は朝から、
リニーの誕生日パーティ料理の下ごしらえが、すでにキッチンに並んでいる。もちろんジョンが作った。
「鍋をおばさんの家に借りに行くのよ、一緒に行こう」とリニー。
子供たちを後ろの座席にそれぞれのチャイルドシートに座る。ひとりひとり座らせて、シートベルトを締めて、セッティングがなかなか大変、よし出発、森を抜けて、車道へgo!
ジョンは、パーティの料理担当だから、お留守番。
叔母さんの家へ鍋を借りに
リニーのおばさんの家へ行く車内でも、レーガンとマーティンはずっとしゃべっている。子供たちの会話に挟んで、リニーが「Yacky!」とよく言う。わあ気持ち悪い、ばっちいよ、というところかな。ここで覚えた英単語だ。
リニーの家から30分くらい車を飛ばして、おばさんの家へ到着。子供たちは大はしゃぎ、湖のほとりに立つ大きなログハウス、土間があってそこから少し上がって靴のまま部屋の中へ。土間で話ができる。なんかいいな、部屋と外の間の空間がいい。壁にフラッグが上の方にかかってたり、絵も貼ってある。広くて、雨宿りしたり、農作業のもの置き場みたいにもなっている。
おばさんはリニーの車が到着するなり家から出てきて、パジャマにもこもこのピンクのバスローブを羽織った姿で
「Hi----」と笑顔でハグして挨拶。「遠いところTokyoからよく来たねー」
おばさんはとてもよくしゃべる、でもほとんど、聞き取れない。
今日は、大きなキャセロール鍋を借りに来たので、土間でおしゃべりして、子供たちがはしゃいでるのを見て、おいとま。
帰りは子供たちが車の中で寝てしまって、その寝顔がまあかわいいこと♡
しゃべりくってたのが静かになったと思って、後ろを振り向いたら二人が頭を寄せ合った形でかっくり寝ていた。かわいいなあ~
リニーも、車内で話をしていても子供から目は離せない。いつも気にしている。