アメリカコロラド州KyokofromTokyo#14 究極のファストフードとアニマルに遭遇
アリゾナ州、ユタ州、コロラド州、メキシコ州の十字州境、フォーコーナーズを出発し、黄金色の道を走る。
夕暮れのSonic Drive in
フォーコーナーズの荒野から、少しづつ町が見えてきた。
でも外には誰も歩いていない。だんだん日も暮れてきた。
「今晩の夕食はファストフードだよ」
ラスベガスでは、ハーレーダビッドソンのレストランでハンバーガープレート
フラッグスタッフでは、レッドロブスター
ペイジでは、メキシカン
ご馳走が続いたけど、今夜はコロラドのダニーの家まで辿り着くのが目的だから、さっと夕食を済ませて先を急ごう。先は長い。
山越えの道に入る前に、町で通りかかったソニックドライブインに入る。
コーテーズの町。
ドライブスルーファストフード、ソニックドライブイン。Sonic Drive in.
パネルを見て車内で注文。商品を車まで持ってきてくれる。
フィッシュフライに、チーズソースがかかってるみたいなものがプラスティックの器に入っている。これは、はたして食べ物なんだろうか、何でできているんだろう?もしかしたらチキンだったかもしれない。
チキンかフィッシュか分からないような味、、
これぞ本場のアメリカンファストフード!
私のこの旅の定番、甘くないストレートティで流し込む。
ダニーと車内で食べながら、カーナビで東京まで見てみた。
現在地コロラド州コーテーズから、ぐいぐいズームアウトして、太平洋、日本、東京、そして
「私の家、ここだよ」
「Wow、遠いねえ」
だからなんてことはないけど、カーナビでこんな遊びもできるんだから、今更だけど、時代も変わったものだ。世界をとても近く感じる。
ドライブスルーの車は私たちの他に1台か2台。空いている。
真っ平で地を這っているような、日暮れのたーいらな町。建物が上に伸びていない。
乾燥していて、低い丘と林が向こう側に少し見える。とても静か。
ここはもうコロラド州。これから山越えの道に入っていくよ。
アニマル!
「さあ、出発するか。」
とりあえずお腹は満たした。
ただただ車を走らせ、どんどん日は暮れて、いよいよ真っ暗に。
どよーんと眠くなって、気づくと、時々小さな町を横切っていく。
広い道路に平らな家、商店、ガスステーション。
暗い中に家に少しだけ明かりが灯っているが、町はすっかり寝ている。
「眠くならない?」
車もほとんど来ない暗い道路を、何時間もぶっ通しで運転しているダニーに聞いたが、慣れているらしい、眠くはならないという。すごいなあ。
車が体の一部みたいになっている。
「休憩しなくて大丈夫?」
大丈夫らしい。
うつらうつらして目がさめる、を繰り返していると、山道になっていた。両サイドは黒い森みたいになってきた。
「ここからはシートベルトしてないとね。これからはanimalが出てくるよ」
「アニマル?!」
と私が左側のダニーに横を向いて言った途端に、がっくん!!とダニーが急ブレーキ!
わ!何?体が横向きのまま、前に大きくつんのめる。
大きい鹿のようなエルクが道路に出てきていたのだ。
わあ、でかい、、、大きい角をもっていて薄茶の短い毛がびっしり、立派な胴体のエルク。
シートベルトは窮屈で、ダニーも私も平地や荒野を走っている時は、ずっとはずしていたのだ。
「See?」
ほんとだ。シートベルトしよう。あーびっくりした。危ないところだった。
ヘッドライトに照らされたアメリカの鹿、エルク。
ライトに照らされたまま、じっとしていた。慣れているのか、あまり驚いた感じもなく、ダニーがクラクションを鳴らすと、しばらくして森の中に去っていった。
隣でがーすか寝てしまうのも悪くて、なるべく起きているようにしていたが、また小さな町に入ったあたりから、もう記憶がない。気づいたらダニーの家の前だった。
翌日はひたすら寝て、目覚めた時、ダニーが同居している弟のマイルスに、Kyokoは疲れてまだ寝てるから静かにしてて、と言っているのがドア越しに聞こえた。
ありがとう、とまた眠りについた。起きたのは夕方だった。
アメリカ人は紗々チョコレートが好き
「このチョコレート、マイルスが食べてるよ」
と紗々を指してダニー。
紗々のパリッとした軽い食感がいいみたいで、ダニーも気に入っていた。
日本の箱菓子、緑茶ティーバックとか、チープなものばかり買ってきてしまって、キッチンに置いていたが、アメリカのキッチンにはどこかやっぱりそぐわず、彼らもあまり喜んでいる様子もなくて、ちょっとがっかりしていた。
もともと食べることに関心のない、超スキニーなダニーやマイルスにはうけなかったみたい。
でも留守の間に、紗々の箱を開けて、マイルスが一人で食べているところを想像して、なんだか嬉しかった。