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アメリカユタ州KyokofromTokyo#2 赤い荒野に雹ひょうが降る


雹(ひょう)❄️とデッドホースポイント

コロラドに来て2日目の朝。
さあ、グランドキャニオンに向けて出発!
「荷物はどうしよう?」
「スーツケースそのまま持って行ったほうがいい」
結局、旅の間中、スーツケースは丸ごと運ぶことになった。

私の準備で出発が10時ごろになってしまったが、ダニーはせかすこともなかった。ありがとう。

ダニーの家から、西へ車を走らせる。グランドジャクションを過ぎて、モアブ方面へ左折。
そこからレイクパウエルのある町、ペイジへ抜けられるのだ。
ペイジからグランドキャニオンへ東からアクセスしようという計画。

このグランドキャニオンへのアプローチは、ダニーのバケーションの定番コロラド川ボート下りのいつもの道だからお得意のルート

天気もいいし、快調に飛ばしていく。

赤く平らな岩の丘陵が現れてくる。赤い岩、ピンクやオレンジの岩と、緑色の少しのグリーン。すごいすごい、初めて見る景色!キタキタ!
「そうだ、写真、写真」はっと我に帰り、写真を撮り始める。

ところが、進むにつれてだんだん空模様が怪しくなり、なんと、ばらばらと雹ひょうが降りだす

「ひょうだ!雹って英語でなんていうの?」
「Hail だよ」

雹は英語でHail ここで覚えた英単語!

デッドホースポイントへ到着。展望台があって公園になっている。。ログキャビンのビジターセンターもある、ここは州立公園 StatePark

車の外に出ると、寒い!すごい天候の変化だ。ダウンジャケットに毛糸の帽子を着込んで、まずは霧の眺望を背にパチリ。

「寒いよ~」 なにせ、Hailが降るくらいだからね

ところが次の瞬間、またたく間に晴れてくる。青空、寒かったのが転じて暑くなる!いきなり強い日差しが照りつける!
そして眺望もひらけてくる。わあすごい!

ネイティブアメリカンカウボーイが馬にまたがっている姿が目に浮かぶ。
アメリカ大陸が発見される前のネイティブアメリカンの生活を想像してみる。

どれだけ大きく広いか、
眼下にオレンジ色のくねくね路、よく見ればそこに点の車が走っている。
あれもしかして車?どれだけ距離があるんだ?!
現存する超高層ビルが850mくらいだそうだけど、そこから見下ろした車よりも、それより間違いなく小さいだろう。

眼下にコロラド川がくねっている。緑灰色、そんな色。
岩ごつごつ、オレンジやピンクの岩盤プレートが無数に景色を作っている。

ずーっと遠くまで飛んでいけそうな、そんな景色。
横を見れば断崖絶壁オレンジ色のほらあなが空いている。

人が作ったように見えるケルンが遠くに見えるが、大きさの感覚がまったくわからない。

柵などほぼない、崖の眺望。崖にいくら近づこうともそれはご自由に!
これが日本なら、転落防止とやらで柵をはりめぐらせるところだろうが、アメリカではそんなことはしない。どちらにしても規模が大き過ぎて、柵などいくらあっても足りないだろうけど

天候の変化と、飛んでいけそうな景色と、ネイティブアメリカンが住んでいたであろう頃に思いを馳せて、そろそろ夕方、ひとけのなくなったビジターセンターのキャビンを横に見て出発。デッドホースポイントを後にする。


だんだん陽が傾き、赤い丘陵が黒い景色に変わっていく。一日の終わりだ。

それでも目的地グランドキャニオンへ向けて、ひたすら車を走らせていく。

閉ざされた道 Vol.1

星も見え始め、ペイジ方面の道へ入っていく。
誰もいない。他に車も走ってない。
ペイジの道へずいぶんと走った時、なんと「車両通行止め」の工事作業員と車に出くわす。

「え?どゆこと?」 ダニーが車を降りて彼らと話す。
「この先へは行けないって。迂回しろってさ」
「なぬ?」

ペイジへの道はここで閉ざされた
日はとっぷりと暮れてるし、どうするんだ。

迂回っていったって、東京みたいに横道の住宅街を抜けて、というわけにはいかない。荒野に一本道しかないんだから。
街灯ひとつないから、外は真っ暗闇

どうしようか、とルームランプを灯けてダニーと「コロラド州近辺」の地図を広げる。

こうなってはラスベガスの方へいくしかないか。

「じゃあ、ある程度まで行って、車中泊しようよ」
「いや、ラスベガスまで行こう」
「えー ラスベガスまで?今から?どのくらいかかるの?」
「3−4時間かな」

グランドキャニオンへの起点、ペイジの町へ行くついでに寄ったデッドホースポイントだったが、ラスベガスへ行くんだったら、幹線道路まで、まずは60km引き返さなければならない
夜のこの時間から引き返す羽目になるとは!
どっと疲労感が押し寄せてくる
「ホテルじゃなくていいよ、車中泊で休もうよ」
助手席でも疲れた私はとにかく寝たかったが、ダニーは車をUターンさせて走り出した。
へんぴな場所の車中泊で万が一何かあったら、とダニーは思ったのかもしれなかった。

夜8時ごろだった。

つづく…

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