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アメリカミシガン州KyokofromTokyo#1 旅の始まりはイミグレトラブル

意外に空席があるGW

日本はGW連休だから、飛行機座席は混んでいるかと思ったが、ダラス行きはそうでもなかった。真ん中が空席で窓際に女の子が座っていた。日本人かと思ったが、パスポートがアメリカの緑色のパスポートだった。
彼女は旅慣れたような、ちょっと出かけて帰国する感じの雰囲気。出発する前に座席をはずして席に戻ったときに姿が消えていて、後ろを振り返ったら、少し後ろの空いている席へ移動していた。
機内が空いているならそれもありなんだな、と思っていると目が合って「good」サイン、おかげで席を一列占領できた。
といっても横になるには微妙に狭くて、長さも足りず、あまりくつろぐことも寝ることもできなかった。

2013年コロラド州デンバーへ行った時はシカゴで乗り継ぎだったが、2016年今回のミシガン州行きはダラスフォートワース空港。日本人団体客がいる様子で、イミグレーションは混んでいた。真っ先に並んだが、すでに長蛇の列。
腕時計の時間を現地時間に合わせるのに、並んでいた日本人女性に英語で質問してみる 「It should be -」 と英語で返答してくれた。

悪夢のはじまり

やっと順番がくる。とても陽気な入国管理職員のおじさんだ。
渡した入国カードの「滞在先住所」には、リニーの家の住所を
「ミシガン州、Clareと書いておけば分かるから大丈夫よ」
を信じて書いた番地がない地名だけの住所、それまでフレンドリーだった入国管理職員が徐々にキツイ面持ちになり、住所の番地が分からないと通せないといわれる。
「えー、友達は土地を買ったばかりで、これから家を建てるからまだ番地がないのよ」などど、戸惑いながら適当に答える私。
ますます怪しまれ、
「じゃあ電話番号は?」
・・・リニーから電話番号を聞いていなかった。「電話番号を聞いていないだって?」両腕を広げたポーズで職員のおじさんに呆れられる。
「じゃあ友達のメールを見せて」
リニーとやり取りした内容を読んで、どうやら怪しいものではないことは分かってもらえたが、やはり住所の番地Noがないと通せないと。
さらに
「パスポートの顔写真となんか違うぞ」と私の顔を見比べる。誘導尋問のつぶやき、写真の私の富士額の特徴をとらえて、
「おでこを見せて」と言われる。そういうところを見るのか~。
なんだかんだとイミグレで立ちっぱなしで、長蛇の列の人達は皆いなくなり、私1人になった。
「乗り継ぎに間に合わないよ」と心配すると、「こっちで代わりの便を用意するから」といなされ、「とにかく住所の番地を友達に聞きなさい」と別室に通される。ひゃー 別室だよ

別室へ

「電話番号が分かれば住所の番地はこっちで調べるから」イミグレのおじさんがカウンターの向こう側から言う。しょうがないなあといった感じ。

ところが、ダラス空港のFree Wifi 設定にして、スマホからリニーにメールを送るが、電波が繋がらないのだ。
そして今頃リニーは、私を迎えに家から車で4時間かかるデトロイト空港へ向かっている途中か、ちょうど家を出た頃だろう、Wifiが繋がってメールを送っても運転中のリニーがスマホを見るかどうか分からないし、と不安は募るばかり、、、

「どうだ、電波はつながったか?」「No.」
ひゃー、このままだと、ここで日本に強制送還か?
ネガティブなイメージが頭を駆け巡る。
そんなー、どうしたらいいんだ?
何か他に方法は?いや、ない、なんとかここでリニーに連絡を取らねば、、、
別室のソファに座って、ただひたすら「メールを送信」をタップし続ける。

「キヨコ、KIYOKO!」 日本人の名前は馴染みがないのだろうか、Kyokoをキヨコと読む入国管理のおじさん。
「キヨコ、Wifiはつながったか?」
「No…」
首を振る、、
「壁際の方が電波が強いぞ」と別室のグレーの壁を指差すおじさん。
スマホをいろいろな方向へ動かしてみるが、全然飛んでいかない。

そしてふと目に止まったスマホの画面に、
「Free Wifi Dallas International Airport WELCOME!」のタイトル。
空港のサイトになんとなくEnterしてみる。
タップすると、、びゅん!突然電波がつながる!
なんと!これやって初めてWifiにつながるんだ!
「リニー!イミグレーションで、今足止め喰らってるの!住所の地番と電話番号を教えて!I stuck at immigration. Please let me know your address number and tel number.」
びゅんとメールが飛ぶ。やった!行った!
リニーがメールを見ますように!祈りながら待つ、、、

入国管理のおじさんも、空港のFree Wifiの繋ぎ方までは知らなかったのだろう。そして、海外SIMを使えば自国と同じように海外でスマホを使用できる今となっては、懐かしいハプニングである。

周りを見渡せば、

「別室」の部屋には私の他に2組くらい、おじさんと、サリーを被ったインド系の女性がしきりに窓口で話している。彼女は私よりひどい英語で一生懸命に何かを訴えている。私が別室に入ってから45分ほど、その間ずっとだ。
大変だなあ。本人も必死だが、窓口の人も大変だ、、、

さらなるトラップ

メール送信後、10分くらいでリニーから返信が届く。来た!
「ごめーん Kyoko!これが番地入りの住所と電話番号よ」
よし、やった!
「I got my friend's address number!」
窓口へ行き、スタッフの女性に声をかける。向こうが預かっていた入国管理カードに記入するように渡され、地番を書きこむ。
「Here it is.」
さっきのおじさんと女性スタッフがPC画面で確認している。

おじさん職員に改めて質問される。
「ところで、友達の家で何をするの?」
「遊びに行くんだけど、朝ごはん作ったり、家を建ててるから少し手伝いをするかも」
「Are they paying you money? お金払ってもらうの?」
また誘導尋問だ。観光ビザで賃金を貰うのはルール違反だからね。ただ遊びに行く、で良かったんだな。また余計なことを言っちゃった。
「No. まさか、観光に連れて行ってくれるだけよ」
「ふーん、OK、じゃちょっと待ってて」

「OK, KYOKO! YOU ARE FREE!」
お達しが出た。
「代わりの便はこちらで手配しておくから」
「Thank you---!!」と別室を飛び出した。

さっき、バゲッジから中東系の係員が、
「スーツケースがひとつ残ってるけど、あなたのかい?」
と来た人が、バゲッジ場でにっこり笑って待ってくれていた。
誰もいなくなったバゲッジクレイムに、私のスーツケースだけがぽつんと待っていた。
「ごめんなーまたせて、お騒がせしました」ありがとう。

乗り継ぎの空港ルートはおかげで誰もいない。ぐんぐん移動し、チケットとパスポートを見せて乗り継ぎ便を手配してもらう。次の便までなんと3時間待ち。でもまあ仕方ない。
少し落ち着いたところで、リニーに到着時間のメールをする。

腹減った

落ち着いたところで、何か食べよう。Wrap屋さんに入ろう。カウンターで注文。
結構人が並んでいる。その間に壁のメニューの英語を凝視。すると並んでいるビジネスウーマン風の黒人女性に今何時かと話しかけられる。
「時差があってわからなくなっちゃうのよー」と明るい。
分かる。
あまりに陽気で明るいので、初っ端からいろいろあった後だし、なんとなく警戒してしまう。楽しく話しても、かばんはしっかり持って。


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