ミルクセーキ、今も。
仙川のハーモニー商店街にあった喫茶店「彼留哩(ペルリ)」。気づいたら、2年以上前に閉店していました。今は入り口の階段前のシャッターは降ろされていて、個性的な看板があるばかり。
この店を知ったのは、何年も前のこと能町みね子さんの「純喫茶探訪 きまぐれミルクセ~キ」を読んだからなのです。仙川には頻繁に訪れているのに、知らなかった店でした。
仙川にある複数の商店街の中でもメインのハーモニー商店街。その商店街に面した建物の2階です。入口は狭い階段で、目立ちません。
見上げたら、こんなに個性的な看板もあったのに。
ミルクセーキは、子どもの頃に母が作ってくれた美味しい飲み物でした。牛乳と卵黄と砂糖、そんな単純な材料をボウルに入れて、泡だて器で混ぜるだけ。それをお玉でコップに分けてもらって、妹とおやつにしました。
こちらは、NHKの番組「グレーテルのかまど」でのミルクセーキのレシピです。
そんな話を友人にしたら、あまりピンとこない様子。あまり一般的ではないのかな。私にとっては懐かしい飲み物なのだけど。
思えば、母が若いころに都会の喫茶店で味わったものを再現していたのかもしれないな、と想像したりして。
大人になって外食するようになってわかったことは、メニューにしてる店が本当に少ないことなのです。私が知っていたのは八王子に1軒だけで、それもとっくの昔になくなってしまいました。
簡単なものなので、再現しようと思えばできるのだけど、ミルクセーキそのものが忘れられてしまっているようで、寂しい・・・
みね子さんの本にもありますが、長崎にはご当地スイーツとしてのミルクセーキがあるようです。細かい氷でシャリシャリして美味しそう。長崎には一度ならずと行ったことあるのに、知りませんでした。
私の思い出の飲み物とは違うけれど、今も受け継がれているのが素晴らしい。味わってみたいな。
もう閉店してしまった店の看板から思いを巡らせ、思い出のミルクセーキ、そして長崎のまだ見ぬミルクセーキへ。