清津峡渓谷トンネル@新潟県 十日町市
どこか面白い場所ありますか、なんてぼんやりした質問に旅館の方が勧めてくれたのが、「清津峡渓谷トンネル」でした。
清津峡は、深いダイナミックな渓谷で、昔からの景勝地だったそう。しかし、私は全く知らなかったのでした。
渓谷の観光は古くからされていたようです。しかし、清津川に沿って清津峡温泉から八木沢にぬける清津登山道で落石事故があり、通行が禁止となったそうです。
そこで、1996年に安全で景観を損ねない観光用のトンネルを作った、とのことです。
駐車場からトンネルへの道は、ところどころ雪が残っていて、凍っていたり、シャーベット状になっていたり。
けれど、この地味に見える観光地には若者たちがワンサカ集まっています。
トンネルに少し入ると、受付があり、自動券売機があります。
まだピンと来ていない私は、(失礼ながら)
「え!ここ、有料なんだ」
と思いながら入場券を購入しました。
大人800円でした。
後から分かったことですが、本来は1,000円なのです。この時、工事中の箇所があったため、割引価格だったそうな。
(入場料以上の満足がありましたので、ご安心ください)
トンネルは緩やかな坂道ですが、歩きやすいです。
照明が黄色なのが気になる…
もらったパンフレットを改めて読むと、”違和感というか、不思議な感じ”の訳を理解しました😊
その内容は、追々・・・
第一見晴所に到着しました。
トンネルから直角に枝分かれした道の突き当りから景色を眺めることができます。
ここでは、迫力ある渓谷の景色を眺めることができました。下をのぞき込むと谷の深さを実感します。(ちょっと怖いくらい)
さらに奥に進むと、「第二見晴所」は工事中の様子。なるほど、これが入場料割引の理由ですね。
次の「第三見晴所」のテーマは、「しずく」だそうです。
私は、草間彌生の水玉を思い出しました。オレンジ色が美しい。
不規則な円形の穴のように見えるのは、鏡なのです。角度によっては光を反射したり、景色を映し出します。
外の景色と全く関係ないこのデザインと、色が異空間へ連れていってくれます。
トンネルの突き当り、「パノラマステーション」に到着しました。
なんて、不思議な景色でしょう。
自然の風景と、現実離れしたアートの融合です。そして、人がその中に入り込めるのです。
単純な仕組みなのに・・・驚き。
水が張られていますが、壁に沿って水深が浅い道があるようです。浅いとはいえ、水に濡れてしまいそうです。なぜ長靴を履いている人がいるのか、という疑問がここで解けました。なるほど。
先端のステージで写真撮影するため、行列ができていました。
みんな楽しそう。見ているだけでも楽しいもの。
若者や、外国からの観光客が多かったということにも納得しました。
このトンネルを使ったアートは、「大地の芸術祭」の一環だったのでした。
(マ・ヤンソン/MADアーキテクツ)
清津峡がある、越後妻有地域で2000年から開催されている国際芸術祭で、地域各所にアート作品が点在しています。それは屋外だったり、大きな施設から古い空き家を使ったり。
「すごい、新潟!」と感じました。
雪が降ったり、山深かったり、田んぼが広がっていたり、そういう”地方”ですが、”突拍子のないこと”の受け入れ方が柔軟です。人々の普通の生活と、自然の隣に当然のこととしてアートがあるのです。
自然✖暮らし✖アートなんですね。
来年の開催についても情報が出てきているようです。
紅葉と雪も美しいですが、夏の緑とアートの組み合わせを楽しむのもいいですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?