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【エッセイ】出会いはパラレルワールド~女が女に恋をした episode1 空(くぅ)の視線


エッセイの登場人物

・空(くぅ)
元看護士。アロマセラピストでサロンの経営者。
離婚後シングルマザーとして子育ていっぺんとうの人生がやっと解放されて自分探しを始める。

レイラ
シングルの投資家で同性愛者(レズビアン)
自由奔放な性格。そして謎。

ストーリー
空(くぅ)からのXのDMで始まる二人の目線で語るエッセイ。
空(くぅ)は異性愛者でストレートだったが、レズビアンのレイラと出会ってから自身のセクシャリティーを初めて知ることになる。

しかしレイラに数百万人にひとりしかいない身体を持って生まれてきたことを告白された空(くぅ)だったが、初めての女性との恋に戸惑いながらも引き寄せられたように同じ道を二人で歩き始める。

エピソード1~2は空(くぅ)の目線でエッセイは始まり
エピソード3~4はレイラの目線のエッセイが続く
エピソード5は再び空(くぅ)の目線で綴る
エピソード6は再びレイラ目線で綴る
エピソード7以降は交互の目線で物語は展開されることになる。


著者紹介



プロローグ

私の名前は「空(くぅ)」。私が女に恋をするなんて。
出会いのきっかけはXの最初のダイレクトメールでの私からのナンパ。


空(くぅ)の目線~1



私の名前は「空(くぅ)」。


それは突然だった。女の私が、初めて女性に恋をした。


看護士をしながら普通の主婦だった私が離婚を経験して子育てに追われながらシングルマザーとして生きてきた。


結婚歴があって出産もしたノーマルだった私が、ある日、女性に恋をした。


きっかけは『X』。

何気なくフォローした人への初めてのダイレクトメールだった。


ダイレクトメールなんてしたことないのにどうしちゃったんだろうと思いながらも送ってみた。


「私、あなたの住んでいるところの近くで働いてるので、もしよかったら夜ご飯を一緒に食べませんか?」


どうせ返信なんて来るはずもないと思っていた私は、すぐに気づいてくれた彼女からの返信に驚いた。


「メールありがとうございます。いいですよ。わたしでよければ、ぜひ晩ご飯ご一緒しましょう」


ご飯友達を見つけるつもりで書いた何気ないダイレクトメールがその後想像すらできないパラレルワールドへ迷い込むことになる。

そしてメールのやり取りがあってすぐに彼女と会う機会が訪れた。


ダイレクトメールのやり取りでLINE交換を済ませていたので12月2日に会う日時を決めていたのだけど、たまたま11月29日が私の仕事仲間との集まりがあった。

2次会へ到着してすぐ彼女へLINEを送ったら目の前のお店にいることをキャッチした。

2次会のお開きを待って、そそくさと彼女のいるはずのお店へ歩いた。

いや、たぶん小走りだったと思う。


そのお店はビルの二階にあってパブ的な感じのお店で初めて入る。
もちろん彼女とも初めましてである。


すこし緊張してドアを開けるとカウンターにいるのが彼女だと確信した。




彼女はとても落ち着いていて大人って感じの人で優しく私を席にエスコートしてくれた。


1、2次会の酔いも助けになって少し緊張はほぐれてきたので彼女のお話が耳に入るようになった。

それまでは彼女が話しかけてくれているのに全然耳に入らなかったので覚醒した感じ。


マスターも優しそうな感じで安心した。


しかし、しかしである。


昨日の記憶を思い出そうとしてもタクシーで帰ってきたのだけは覚えてるけど、昨夜の彼女との会話は何を話したのか全く記憶に残っていないわけで、酔っていたのか緊張からかもさだかではない。


でも、彼女との時間で心を奪われたのは確かだ。


また会いたいと思ったのは間違えない。女が女にほれたのか。


なにせ、こういう出会いは人生で初めてのことである。


だから初めてにしては上出来だったと自分に言い聞かせた。

「時空を超える」まさにこの言葉がしっくりくる。


突然に目の前に現れた彼女は時空を超えてきたのではないかと思うくらいなわけで。


女性に対して恋愛感情を持ったことのなかった私が女性に恋した。


なんてこった。


今までの男性との恋愛はなんだったんだと思ってしまう。


ハグをした時に感じるのは優しく母親に抱かれた子供の時までさかのぼる。


けっしてすべての男性が嫌いなわけではないけど、あることがあって男性に恐怖を覚えた記憶が蘇ると、まったく正反対の彼女との時間は安心する。


今まで子育て一本で忙しく過ごした日々。
今は座っているだけなのに食事を用意してくれる彼女がいる。


さて、ここで問題が発生したことに気づく。
これって私が旦那様で彼女が奥様ではないのか。


でもドアを必ず開けてくれる時や荷物を持ってくれる時は彼女が旦那様で私が奥様ではないか。
だから私は旦那様になったわけではないよねと自問する。


女性同士であるがゆえに心があっちへいったりこっちへいったりする二面性は楽しくもあり複雑でもありと思うのである。


二人で歩き出したこの道は、きっとどこかで迷い道になることもあるはず。
でも素敵なパラレルワールドへ到達したいと私は思ったのは確かである。


出会ってから彼女とランチデートの約束をしたその日彼女はサングラスをして現れた。


「サングラスするんだね」
と私が問いかけると


「そう昼間は眩しいのでサングラスをしないとね」
と彼女は言った。


眩しいとはどういう意味なのか深く考えることもしなかった私だけど、ランチのお店に入って席に着き彼女がサングラスを取って私と目が合った瞬間に気付いた。


「え。目が青いんだけど、カラコンしてるの」


私だけじゃなくても目が青いんだもの普通はカラコンだと思うでしょ。


「違うよ。よく言われるけど裸眼なのよ」

少し動揺したけど気を取り直して聞き返した。

「なんで青いの」

「生まれつきだよ」


はい話はここまで。だって進みようがないでしょ。


まだ出会ったばかりで外国人のハーフなのとも聞けるはずもなく、だって日本人だと思ってるんだから。


なんだこいつと思いながらも動揺してない大人のふりをしてその場を収めた。

こうして彼女との物語は進んでいくわけだけれども、
後々聞く彼女の「ほんとうの姿」に私はメガトン級の衝撃をもらい
彼女の身体に触れた時ついに意識を失うことになるのである。


episode2 空(くぅ)の目線その2公開しました。



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