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男性の求めるセクシーさや美しさの概念は、もはや時代遅れ!?

3月10日に開催されるアカデミー賞授賞式に向け、先日、候補作品や候補者などが発表されました。日本作品が3部門もノミネートされ嬉しい限りですが、ここアメリカでは、大ヒット映画『バービー』がちょとした物議を醸しています。

ケン役のライアン・ゴズリングが助演男優賞にノミネートされたのに、女性であるグレタ・ガーウィグ監督と主演のマーゴット・ロビーがノミネートされなかったことを受け、批判と落胆の声が広がっているのです。
ライアン・ゴズリングの「正直、がっかり」発言やヒラリー・クリントンまでエールを出したことで加速。アカデミー賞は女性蔑視ではないかと騒がれています。

私はこの作品、ティーンエージャー向けの映画だと思って日本で見逃していて、こちらに来て初めて観たのですが、映画を一緒に観に行ったカップルが、感想を話すうちにお互いの考え方の違いに気付き別れてしまった、なんて話も納得するくらい濃い(出演者も濃い)ものでした。一部には、男性優位社会に反論するフェミニズム映画ととらえる人もいるみたいですが、性別を超えて”ありのままの自分”を認めることをテーマにした作品だと思いました。

日本では、完璧なバービーよりも可愛いリカちゃんが主流で、リカちゃんが赤ちゃんを産んだ時はかなり話題となり、私も驚いたものです。
が、かたやバービーは誕生から65年の間に社会の変貌や世間の流れを受け、職業は宇宙飛行士や大統領も含め約200種類に増え、そしてその容姿もブロンドに長い手足のバービーだけでなく、顔の色も背丈も体重も様々なバービーが誕生していたのです。近頃では、補聴器や義肢を付けたバービーや、車いすに乗っているバービーやダウン症のバービーまで誕生しています。
こういうところがアメリカなんですよね。

多様性への対応は実は体型にまで及んでいて、今回アメリカに住んで驚いたことの1つが、ぽっちゃり型のプラスサイズマネキンがあちらこちらに並べられていたこと。
ターゲットのような大型スーパーのみならずナイキやあのエンジェルスと呼ばれる10等身のスーパーモデル達にランウェイを歩かせていたヴィクトリアズシークレットまで、プラスサイズマネキンを並べていました。
なぜならヴィクトリアズシークレットが下着メーカーとして打ち出していたセクシーさや美しさの概念が、男性の求める”セクシーな女性像”であり、もはやアメリカでは時代遅れと言われているのです。業績不振からの脱却を図り、必死にリブランディング中だそうです。

「プラスサイズマネキンが不健康を助長している」そんな批判もあります。確かに病気になってしまうくらい太ってしまうのは問題で、アメリカの肥満の深刻さについては、また触れていきたいと思います。

ただこうやって少し日本から離れてみると、日本における多様性や性差別への取り組み、企業や社会、私達の意識には、まだまだ伸びしろがたくさんあるなと思います。

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