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10億円CMでも笑えなかった話

日曜日は、アメリカ最大のスポーツイベント
NFLの優勝決定戦「スーパーボウル」でした。

正直言って、アメフトには全く興味がない私
ですが、今年は、日本公演を終えた
テイラースイフトがスーパーボウルに
間に合うのか? が気になっていたのと

↓こちらに書いています。

今住んでいる地元、サンフランシスコ49ers
が戦うということで、ビールを片手に
TVの前で観戦しました。

さて、このスーパーボウルが、どれくらい
アメリカで人気なのかですが、
スーパーボウルの日は、外を走る車だったり、
街から人がいなくなるのが常。


TV離れの昨今でも平均視聴率が45%を超え。
アメリカ歴代視聴者数ランキングでも
トップ20を独占するほどなのです。

2023年、日本の最高視聴率テレビ番組が
WBCの日本×イタリア戦で31.2%ですから、
昭和の紅白歌合戦なみと言えば、
わかりやすいかもしれません。

そしてスーパーボウル人気をさらに
底上げしているのが、試合前の国歌斉唱や
ハーフタイムショーに誰が出るのか、
スーパーボウル向けに新たに作られる
志向を凝らしたおもしろCMなのです。

今年も名だたる企業が、30秒のCM枠の
ために過去最高額の約10億円(700万ドル)
を支払い、有名セレブをたくさん出演させて、
新しいCMを作ってきていました。


16万人以上の人が登録し投票し、どのCMが
1番面白かったかを決める
「USA TODAY Ad Meter competition」では、

1位はカリフォルニア州知事も務めた
シュワちゃんの保険のCM。

そして2位は、ベニファーと呼ばれる
ベンアフレックとジェニファーロペス夫妻が
共演したダンキンドーナッツのCM。

そして出演者の多さで際立っていたのが、
4位となったUber EatsのCM。
ジェニファー・アニストンやベッカム夫妻、
ハーフタイムショーに出演したアッシャー
まで出ていました。

正直どのCMを観ても、出演料に一体いくら
支払ったんだろうとは思っても、なかなか
10億円の面白さが理解できなかった。

アメリカンジョークはサーカスティック。
毒舌とも違って、直接相手を傷つける
というより、自分や第三者の愚かな振る舞い
を万人受けする話に変えたり、発音をオチに
使うものが非常に多い。

分かりやすく言うと、X(旧Twitter)の
デーブスペクターのつぶやきが、まさにそれ。

人種のるつぼのアメリカでは、人間関係の
潤滑油としてジョークが存在していて、
街中で、スーパーのレジ待ちで、職場で、
政治の場でもジョークを使って人との距離を
縮めようとしたり、流れをより良い方向に
変えるために常に使われているのです。


逆に日本では、『冗談を言い合えるほど
仲がよい』の言葉があるように、初対面や
会議、ましてや政治の場での冗談は、
ちょっとタブ。ー

敬語の種類が複数あるくらい礼儀正しさや
上品さ、真面目さが求められる社会。

つまならい冗談をおじさんが言おうものなら
おやじギャグと一笑されてしまうし、
スタンダップコメディ的なジョークよりも
仲良し間での内輪うけの冗談が好まれます。

お国が変われば、ユーモアも変わる。

差し当たって、来年のスーパーボウルのCM
では、ビール片手に笑いたいなぁと思って
いるので、コメディドラマを英語の
サブタイトルで観ながら
アメリカンジョーク学ぶ日々です。



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