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確かにそこに闘志はあった
シンデレラ2を観戦した昨年、特に上位まで勝ち進んでいったプロたちには今も思い入れはある。やっぱり、その大会の過程を見ていると、情も移り、そのうち 自分の身内 みたいななんかよく分からん応援心が芽生えてくる。
その昨年大活躍したうちの一人であるごるはむこと長谷川栞pは今年出場資格はあったが参加していない。そして、新榮pやあやちーは参加資格を失っている。
・・・
そんな若干の失意にあったのりべんであったが、6月28日グループAに新星のごとき雀士を目にすることとなった。
最高位戦日本プロ麻雀協会東海支部 栗本杏奈
彼女に関しては事前の情報がほとんど入手できなかった。しかし、そんな謎の存在であった栗本pにのりべんは引きこまれることになる。
第1試合に登場した栗本pは東場から配牌ツモとも恵まれず点数は徐々に削られていった。
が、南1局の安藤pから羽月pへの放銃からだろうか、その打牌というか、栗本pの心に灯が灯った気がした。
試合後に見直してみると、さほど違いは感じられなかったのだが、当日見た私からすると、連盟の石井pよろしく、打牌の切れ、踏み込み、そういったもの全体的に得も知れない勢いを感じた。
栗本p引き続きラスなのだが
この栗本pの麻雀面白いっ!(これって私だけが感じてたんですかね?)
私が感じた勢いはともかく、引き続きラス目の進行は続き、南2局でリーチをかけて、園pとのめくり合いにも勝利するがリーチ・タンヤオ・ピンフ3900点はラスを脱出するにはぜんぜん足りてない。
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親番のない栗本pに残されたのは南3局とオーラス。画面に映されている栗本pの敗退確率は59.3%で脱落の最右翼だ。
この残り少ない南3局。先にテンパイしたのは親の安藤p、そしてそのまま安藤pがこれをツモり2000オール。栗本pからのターゲットは園pとなり、その差は8900点。まだ満ツモ圏内とはいえ、いかんせん局数が残っていない。敗退確率は72.7%まで上昇してしまった。
さて、ここで南3局1本場。栗本pの配牌は
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悪い
最悪とまではいえないが、これはどう見ても良い配牌ではない。
だが、今の栗本pには目に見えない闘志が宿っている。その指先も光っていたかもしれない。(個人的見解です)
面前守備型としてこの配牌をツモのみでテンパイまで持っていく。いける。今の栗本pなら仕上げるかもしれない。
だが、やはり仕上げるにしても悪配牌、やはり手は遅い。そうこうしているうちに、先に安藤p、園pがリーチ攻勢をかける。
凌ぎながら、凌ぎながら、ほふく前進しながら手を進める栗本p。
そしてついにその瞬間が。
テンパイ
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3mを打てば
3mを打てば・・・
テンパイ!
・・・
3m?
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あかーーーーーーん!
3m切ったら安藤pに放銃してしまう
栗本pも何かを察したかここで手が止まった
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ぽりぽり
うぉぉ!!悩む姿も画になるぜぇ!
もはやすっかり栗本pに洗脳されてつつあったのりべん
そして出された結論
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降りた
泣きながら降りた(泣いてません)
そして園pがツモ
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しかも満ツモ。
高い・・高いよぉぉぉ
ターゲットだった園pが遠くに去り、いったん離れた安藤pが再びターゲットに。
オーラス1本場 その差9300
満貫をあがればいい
って、そんなに簡単に満貫あがれないけど
なにせここまで3900を1回しか上がってない
残り1局しかない
さすがにこれは・・・
いや、
でもまだ栗本pの闘志の炎は消えてないはず
栗本pの配牌
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良い
良いぃぃぃ!!!!
ついに来た
リーチ・ツモ・一通でマンガン。しかも8pか8mツモってくればテンパイの一向聴やないかいぃ!!
ノータイムで4sが切られた・・いや、切ってない
切ろうとして、手が戻った
そして切っていく 9p
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9p?
こ・・これは?
解説席の亜樹pも面前一通を前提に解説を進めていた。(リーチ・ツモ・一通)
しかし、この段階で栗本pが見ていた未来予想図は全く違っていた
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8mチー
わずか4巡目の動き出しだ
面前守備派 栗本杏奈
勝つために看板を破り捨てた(破り捨ててはいません)
目指す姿は清一色
何ふり構わずラス回避に舵を切った時のサクラナイツ堀pを彷彿させる
何だかんだ3副露を重ね
テンパイ
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牌の右も左もすぅすぅするよぉ!
しかも園pが追いついてリーチ
寒い!
寒い!!
否
熱い!
熱い!!
栗本pの闘志の炎は静かに・・しかし熱く
燃えている(たぶん)
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ツモォォォォ!!!(視聴者の心の叫び)
何が起こるか分からない それが麻雀
それがシンデレラファイト
栗本杏奈 ラス回避
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思えば、9p切りは僅かながら上家にマンズを警戒させないためだったか。あれがいきなり4sだったら上家はマンズをケアせざるをえないもんなぁ。
その後だが、2戦目でまさかの丸山pの大逆転を受け、栗本pは敗退してしまう。
くぬぅぉぉおおお
見つけたと思った新星は夜空に消えていった
だが、
言わせてもらいたい
イイ夢 見させてもらったぜ!
柳沢慎吾よろしく、次の新星を待つのりべんであった
完
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