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怪談36「ベッドにいたものは・・・」

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 私が高校卒業するギリギリ前ぐらいの話です。
 当時はある友人(以降Mとします)の家に入りびたり、遊んでいました。
 まあ、マージャンばっかりやってたわけですけど。
 そんなある日、そのMから「彼女と別れた」という話を聞きました。
 まさか・・・と思いましたね。
 Mもその彼女の事が好きで、彼女もMの事が大好きだったわけなので、驚きましたね~。
 理由を聞くと「県外に行ってやりたい事がある。ずっと夢だったものだから、彼女と別れないと未練が残ってそちらに集中できない」という・・。
 ま~~~~~~~なんとも自分勝手な!と思ったわけですが、Mの夢も私は知っていたし、確かに彼女を地元に残して両立できるものでもないとはわかっていました。

 だいぶ彼女がすがったようですが、それでもMは振り払ったようです。

 そんな話を聞かされた数日経ったころ、またその友人の家に入りびたりで遊ぶことになったわけです。
 その時は別の友人(面倒なのでHとします)も連れて入り浸っていたわけです。
 ただ、いつも通り、夜通しゲームかマージャンの予定だったのですが、その日はなぜかMが「今日はあんまり体調が良くない」と言っていて、結果、いつもより早めに寝ることになったんですね。
 Mは自分のベッドで、そして私とHはコタツに入って寝ることに。

 寝入ってどのくらい経ったでしょうか?誰かが私を起こします。
 「ん~?」と思って目を開けると、Hでした。
 Hが薄暗い部屋の中「おい・・・おい・・おきろって」と小声で私を起こす。
 「なに・・・なんなん・・」と私が起き上がるとHは口に指をあてて「し~」と言いながら、ゆっくりベッドを指さします。

 薄暗いので見えにくいですが、とりあえず布団にくるまったMの姿はわかります。

 「H・・・なんなん」と私が言うとHが「よく見ろよ・・・」とMの奥を指さす感じ。

 私はわけがわからず、もう少し近寄ってみました。
 ・・・・すると、布団の盛り上がり方がおかしい・・・。
 よ~く見たら、あと一人、誰か寝てるんですね。

 で、Mの顔、つまりベッドの上のほうに目線をずらすと・・・・Mの横にもう一つ顔があったんです。

 その顔はあきらかにMの別れた彼女でした。
 しかも、目を見開いて、こっちを見ているんです。

 「!!!」と、もう少しで声が出そうになるところを必死でこらえ、少し離れていたHのほうにゆっくり後ずさる。

 Hに「彼女・・連れ込んだ・・・ってこと?」と聞くとHは「そんなわけね~だろ。そもそも誰も入ってきてね~わ。俺、眠れなくて起きてたし・・・トイレ行こうとして起き上がって、ふと見たら・・・いるじゃん!びっくりしたわ・・・」と言う。

 私が「んじゃ・・・あれは?」と聞くとHは「・・・・・わかんね~けど・・・・あれじゃね?あの・・・あ、生霊」と答えました。

 さすがに私もそんなにしっかり見ることは稀ですし、また彼女の生霊?とおぼしきものがこっちをガン視していたので、さすがに恐怖。
 (なんかですね、そんな見開いて人の事見る?みたいな感じ)。

 でも、確かに、生きている人間が入ってきてるなら、もう少し違うリアクションがあると思うし、その彼女はじ~っとこっちを見るだけ。

 ただし、なんとなく「邪魔するな」と言われているような目線でした。

 Hも、時々、幽霊を見るという体質だというのは知ってましたが、ここまではっきり見たのは初めてのようで、顔がひきつってました。

 で、Hとコソコソ話した結果、このまま部屋からそろっと出て行こう・・・となり、静かに、ゆっくり部屋から出て、Mの家を飛び出しました。

 そして、近くのコンビニまで行って、コーヒー飲みながら、さっきの光景を話しするわけですが、そこでこんな話になったわけです。

 「あれ、生霊なん?」と私が言うと「たぶん、そうとしか考えられない」とH。
 でも、あまりにもはっきり見えすぎて、別の疑問も出てきたわけです。

 「まさか・・・・自○した?」と・・・。
 実際、かなりMに惚れ込んでいたし、卒業後は絶対結婚だろと思っていたわけですが、それがフラれたんですよ。
 そして、私たちの前に現れ、Mにぴったりとくっついている。

 Hと二人で「それ、シャレにならんぞ~」と言いながら、とりあえず、朝まで近くのゲーセンで時間をつぶしました。

 そして、朝7時ぐらいになってから、もう一度Mの家へ。
 Mはすでに起きていて「お前ら、どこいってたん?」と聞いてくる。

 私とHは、彼女がいなくなっていることを確認しMに「お前、前の彼女に連絡してみろ」と言う。

 するとMは「無理だろ、俺から別れたんだから・・・」と言って、連絡を取ろうとしないので、仕方なく別ルートから彼女の安否を確認することに。

 その間中、Mが「なに?なんでそんなことするの?」と聞いてきますが、Hと「うるせぇ!黙ってろ」と言って、無視してました。

 ・・・・結果、特に彼女は何事もなく、Mにフラれたことで傷心しているものの、それ以外は無事だということがわかりました。

 ・・・・正直、生霊うんぬんよりも自○しているかもという部分のほうが恐怖でしたね・・・。
 
 ・・・・・・まあ、その後、Mがどうなったかというのは・・・ご想像にお任せします。

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