恋
白菫
突然の思いにただただ私は立ち尽くすことしかできなかった。
一瞬のようで、
ずっと続くようで、
よくわからないけれど、
だけど、この感情は確かに存在する。
私の中で何かが、
何か温かいものが、
何かソワソワとするような感覚が、
私の中を駆け巡る。
私はおかしいのだろうかという思いが姿を表しては消えを繰り返す。
私にはどうしようもないのだ、
この感情は抑えておくということは。
だけれど、
私だけが感じておどおどしているだけではなくて、
これは、
誰にでも起こりうるものなのだと思うと
少しだけ、
ほんの少しだけ、
ホッとする。