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君はDREAM BOYS 2024を見たか
当日券がとれたので初日に入ってきました。ドリボは初見です。
※以下、便宜上ジャニーズという言葉を使っています。
チケット(帝劇当日券チャレンジ)
公式サイトに記載のある通りで10時になったら電話をかける、それだけ。10時8分頃にナビダイヤルで繋がって整理番号を取得した。帝劇のオペレーターがひとりひとり人力対応してくれるので出て十数枚だろうなとは思った。10時30分前には整理番号の発行は終了になったらしい。
今日日電話予約によるチケット取得なんて流行らないし、最後にやったのはそれこそライカエジソンでインストの予約をした時かもしれない。
当日開演20分前になると帝劇の当日券窓口から呼び出しがかかる。集まった人数は見込みよりだいぶ少なく、その数6名。整理番号順に整列し、チケットの購入順を決めるためのくじ引きを行う。わたしは2番目にくじを引き、しっかりドベを引き当てる。バカウケ。
結論この日は購入順ドベのわたしまで全員に席が用意された。狭き門だけど必要以上に整理番号を発行しないのはこの日ワンチャン狙って帝劇に入ろうと足を運ぶ客への誠意であるような気もする。普通に無駄足にならなくてよかった。
チケットはS席とA席があり、購入順の早い人から券種を選ぶことができる。当然のごとくS席から捌けて、わたしは最後に残った9000円のA席。2階補助席いちばん後ろ。普通の舞台で考えたら全く良くない席だが、ことドリボ初見としてはかなりおいしかったような気がする。まず次回現場に入る際はこの席より後ろになることは絶対にないということもある。
以下、本編感想。
本編感想
ジャニーズに明るくない時からDREAM BOYS、ドリボという単語と、それに堂本光一が関わっていることは知っていた。この期に及んで自分が観劇することになるとは思わなかったけれど。
せっかくなのでネタバレを入れずに行ったが、特に知りたくなくても元々知っていたことは「ボクシング」「フライング」「チャリが空を飛ぶ」「多分病気で人が死ぬ」ということ。ちなみにこれを打ってるいまわたしは公演翌日から手術のために入院しているし、今日の昼過ぎには手術である。チャンプ・シンタロウは己が心臓でショウタの舎弟のガキを救ったけど、わたしの扁桃腺では誰も救えない。
わたしは春先のHiHi Jetsのツアーで初めて純正ジャニーズの現場を経験した素人なわけだが、ドリボのオープニングを見ただけでああこれはジャニーズの現場だわという気持ちが湧き起こる。なんだろうこの「夢の国より夢の国」感。このオープニングだけ見たらLOVE DREAM HAPPINESSは普通にジャニーズのことだとも思う。
そしていきなり空を飛ぶ森本慎太郎さん。まだ話が何も進んでいないのに飛ぶのはどういう文脈なのだろうかと思ったけれど、人が飛ぶところは初めて見たのでとにかく面白かった。無意味に爆笑してしまった。
DREAM BOYS2024はざっくり渡辺翔太の受難物語だ。正直退屈に感じる場面もあったものの、やはりどの舞台も一幕終わりのクライマックスに向けた展開は気持ちの良いものがある。シンタロウとのボクシングの試合で不正を疑われて逃げ込んだ謎の小屋でなんやかんやあり、舎弟のガキを庇い警察に捕まるショウタことしょっぴー。いちいち書かないけれどここまでショウタはさまざまな理不尽な目に遭いまくっている。そして大人しくお縄につくところ、舎弟のガキが持病の心臓発作を起こした様子を見て俺が守らなければとばかりに逃走することを決意する。
そして警察を振り切った直後、なんか赤い幕で覆われるステージ。その幕をガッと両手で鷲掴み、「全部引き受けてやろうじゃねえか!!!」の絶叫とともに引き抜いて奈落(オケピだったとこ)に落ちていくしょっぴー。
これ、なんかどこかで見たことある。
それこそわたしがガキの頃、なんなら亀梨とかが出演していた時かもしれない。もしかしてテレビCMか何かで見ていた?先の通りわたしがドリボについて知っているのはボクシングでフライングでチャリが空飛んで人がしぬ、だけのはずなのにこの「全部引き受けるしょっぴー」を眼前にして過去にどこかでかすったジャニーズの記憶が蘇る。
とにかくジャニーズをやるようになってからこのような人生の答えあわせとも言えるような体験が多く、それを現場で経験してしまったものだからあの一幕の閉じ方は相当に気持ちが良かった。そして帝劇にいる多くの客はしょっぴーが全部引き受けることで一幕が終わることを知っているので舞台が赤い幕で覆われたあたりでもうトイレまたは物販のために席を立ち始める。みんながテニミュでやりがちなやつだ。
2階最後列で良かったポイントは半分くらいこの「全部引き受けてくれるしょっぴー」がとても綺麗に奈落に落ちていくところを上から見られたことだ。半分くらい神の視点になっている座席からではないと見られない景色だと思う。本当に綺麗に落ちていた。
続く二幕はほぼショウタの大脱走。ワイヤーで吊られてパルクールよろしく大都会を駆け回る。割と長い時間駆け回った末に追い詰められたショウタは舞台の上、天井近くにある工事現場の足場のような通路(多分ビルの屋上)から先の全部引き受けた時に飛び込んだ奈落に向かって決死のダイブをする。意味がわからなくて調べたら15メートルくらい落ちているとのこと。
ここも2階最後列で良かったポイント。高さの演出を使って2階席まで楽しませようという気概がすごい。あと数十公演しょっぴーを安全にダイブさせるための仕組みがすごい。
物語の収束は正直それでええんか的な、道徳の教科書みたいなセリフを述べてなんとなく大団円…?だったが、観劇後に残ったのは「これでいいんだわ」と思わせるような謎の納得感だった。
多分その納得感は徹頭徹尾見ているお客さんを楽しませようという制作の意志からきているものだと思う。だってあまりに色々詰めすぎているから。
ボルテージ最高潮で終えた一幕のあと、二幕の途中からは正直何を見ているのかわからなかった。この渡辺翔太の受難物語は一体何だったのか。
DREAM BOYSの物語は出演者の名前がそのまま役名だ。フィクションの物語が進むのに、そこに生きているのは役と生身の人間の境界が曖昧になった何か。2.5次元…とは違うけれど、ドリボは多次元舞台なのではないかということを少しだけ考えた。
(あまり本編に関係なさそうな)歌があってダンスがあって、フライングもバンジーもあって、ここの場面でそれかよ、と思うツッコミどころはたくさんあった。なんで逃げ込んだ先にあんな小屋があるんだよ。なんでお着替えタイムでメタしょっぴーが現れるんだよ。シンタロウの病気は一体なんだったんだよ。マリアさんとエマさんのすったもんだの責任の所在は?でも正直とっちらかったそれらの問題も観劇を終えた後は割とどうでもよくなっている。だって寝ている時に見ている夢って支離滅裂なものだし、目覚めた時に残るのは「なんか覚えてないけど嫌な夢だった」とか「覚えてないけど楽しい夢だった気がする」みたいなことが大概だから。
その夢のようなめちゃくちゃがジャニーズの「夢の国より夢の国」を形作っているものの正体のような気がする。だからフラミンゴさんも来日するし、アスパラベーコンは5日で100万回食される。
DREAM BOYS、面白いので見た方がいいです。
次回予告
・帝劇モーツァルト
・ゆうぴー退所に寄せて
・日本のトップアイドル