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私の場合…WOW2025 Week2

今週は、時間ごとの血糖値の推移の範囲を可視化するお題です。
デフォルトのグラフに帯状で推移を表現できるものはないので、一見難しそうでとっつきにくいイメージですが。
実は、とても簡単な原理でできています。
分かってしまえば「なーんだ」の世界です。
▼今回のお題

ということで、以下、私の場合の手順です。


1.全体を眺める

・横軸が時間ごとに、5つの帯状のグラフ
・一番上と、一番下は、最大値と最小値
・95%、75%、25%、5%で色分け→これって何に対する割合??
・中央値の折れ線
・80と180にオレンジの点線→リファレンスライン

2.帯状のグラフの基礎を作る

まずは、どうやって帯状のグラフを作るのか、という点ですが。
実はコレ、帯状に見えるだけで、実態はエリアグラフを6重に重ねているだけなんです。
一番下にあるエリアグラフが背景と同じ白色なので、その他の色がついているエリアグラフが浮き出て帯状に見える、というカラクリです。

お題のVizを触ってみると、それぞれの時間のポイントにカーソルを合わせると、カーソルを合わせた点と、そこから垂直に「0」のところまで下にいったところに2つに黒いポチが出現します。
これを発見して、もしや、エリアグラフ?!と気づきました。
じっくりお題のVizを眺めて触ることで、手順のヒントが得られることが多いので、一見どうやって作るか分からない時はじっくり観察してみることをおススメします。

一番上(後ろ)のエリアグラフ
データを読み込み、新しいシートを開きます。
「計算フィールドの作成」から計算式をつくり[Maximum]と名付けます。

//Maximum

MAX([Glucose mg/dL])

左側のデータペインから、[Device Timestamp]を選び「列」に不連続の「時間」として配置します。(青色、[時間(Device Timestamp)])
次に、[Maximum]を「行」に配置します。
「マーク」でグラフの種類を「エリア」に変更します。

一番下(手前)のエリアグラフ
「計算フィールドの作成」から計算式をつくり[Minimum]と名付けます。

//Minimum

MIN([Glucose mg/dL])

データペインから[Minimum]を縦軸の上にドラッグすると、グレーの囲みが表示されるので、その上にドロップします。
[Maximum][Minimum]がメジャーバリューとして認識され、「マーク」の下の「メジャーバリュー」に配置されます。

次に、上部メニューの「分析」から「スタックマーク」を選び「オフ」にします。

メジャーバリューとして配置、スタックマークOFF

後で色を変更するのですが、グレーの部分を白色に設定することで、ブルーの部分だけが残って帯状に見えるようになります。

3.95%、75%、25%、5%の帯を作る

これらのパーセントが何を指しているのか、が分からずしばらく悩みました。
95%のラインを見てみると、最大値から一定の割合で離れているわけではなさそうです。ということは、最大値や最初値からの割合ではなさそう。
次に考えたのは、時間ごとのデータの分布における割合ではないか、ということです。
試しに、時間ごとのデータの分布状況を見てみました。

時間ごとのデータの分布

すると、13時~16時の間(黄色囲みの部分)は、上の方のデータが少ないことが分かります。これを、お題のVizと見比べてみると、お題のVizの方では同じ時間帯の95%の位置が最大値から離れた下の方にあるのが分かりました。
ということで、『分布における割合に違いない!』となりました。
「分布」「割合」「Tableau」「パーセンタイル(お題のVizのラベルに「Percentile」とある)」といった言葉で検索すると、Tableauに「PERCENTILE関数」というものがあることが判明!!

早速、使ってみました。
95%のエリアグラフ
新しい計算式を作り[95th Percentile]と名付けます。

//95th Percentile

PERCENTILE([Glucose mg/dL],0.95)

[95th Percentile]を「マーク」の下にある「メジャーバリュー」の中に配置します。
「メジャーバリュー」の中の順番がグラフの手前、後ろの順番になるので、上から順に[Minimum][95th Percentile][Maximum]になるように順番を入れ替えます。
どうやらこの考え方で間違いなさそうです。

95%のグラフを追加

同じように、新しい計算式を作り[75th Percentile][25th Percentile][5th Percentile]と名付けます。
[75th Percentile]

//75th Percentile

PERCENTILE([Glucose mg/dL],0.75)

[25th Percentile]

//25th Percentile

PERCENTILE([Glucose mg/dL],0.25)

[5th Percentile]

//5th Percentile

PERCENTILE([Glucose mg/dL],0.05)

[75th Percentile][25th Percentile][5th Percentile]を「メジャーバリュー」に配置します。
順番は、[Minimum]→5→25→75→95→[Maximum]です。

すべての計算式を配置完了

4.色を変更する

「マーク」の「色」をクリックして「色の編集」をクリックします。
「色の編集」画面で、それぞれの色をお題のVizに合わせます。
Minimum:#ffffff(白)
5%、Maximum:#d0e1f2
25%、95%:#a6c1de
75%:#7693b8
もう一度「色」をクリックして「不透明度」を「100%」に変更します。
これで、帯状のグラフは完成です。

帯状グラフの完成

5.中央値の折れ線グラフを作る

左側のデータペインから[Glucose mg/dL]を選び「行」に配置します。(自動で合計になる)
[Glucose mg/dL]をクリックして「メジャー(合計)」から「メジャー(中央値)」に変更します。
「マーク」で「中央値(Glucose mg/dL)」を選び、グラフの種類を「線」に変更します。
「メジャー ネーム」を削除します。
「色」をクリックして黒色に変更します。
次に、「パス」をクリックして、線の種類を細かい点線に変更します。

下の方の縦軸を右クリックし「二重軸」を選びます。
右側の縦軸を右クリックし「軸の同期」にチェックをいれます。
もう一度右側の縦軸を右クリックし「ヘッダーの表示」のチェックを外します。
これでグラフの基本形は完成です。

グラフの基本形完成

6.グラフを整える

軸を整える
縦軸をダブルクリックし「軸の編集」画面で「タイトル」を「mg/dl」に変更します。
続いて「目盛り」タブへ移動して「大目盛り」を「固定」の「目盛間隔:50」に設定します。

「列」にある[時間(Device Timestamp]を右クリックして「連続」(緑色)に変更します。
横軸をダブルクリックし、「軸の編集」画面で「範囲」を「カスタム」にし、終了値を「26」に変更します。
「タイトル」は空白(文字を削除)にしておきます。
続いて「目盛り」タブへ移動して「大目盛り」を「固定」の「目盛間隔:3」に設定します。
これで、右側に少しスペースができたと思います。

線を整える
上部メニューバーの「書式設定」をクリックし「枠線」を選びます。
「列の境界線」と「行の境界線」の両方を「なし」にします。
「線」の書式設定画面に移動し、以下のとおり設置します。
軸線:「行」「列」ともに薄いグレー
ゼロライン:「行」「列」ともになし
グリッド線:「行」のみ薄いグレー

ラベルを整える
「マーク」で「メジャーバリュー」を選び、[メジャーネーム]を「ラベル」に入れます。
「ラベル」をクリックし「ラベルマークを表示」にチェックを入れます。
「ラベルをつける位置」を「最新」にし、「配置」で「水平方向」を「右」、「垂直方向」を「中」にします。
グラフの右側にラベルが表示されているので「Maximum」を右クリックし「マークラベル」で「表示しない」を選んで消します。
「Minimum」も同様に表示を消します。

次に「マーク」で「中央値(Glucose mg/dL)」を選び、空白部分をダブルクリックすると計算式を直接投入できる枠が表示されます。
「’Midian’」と記入しエンターを押します。詳細として[’Midian’]という青色のピルが新しく作られます。
[’Midian’]を「ラベル」に入れます。
続けて「ラベル」をクリックして、「ラベルを付けるマーク」を「終点」にし、「オプション」で「開始行にラベル」のチェックを外します。
「配置」で「水平方向」を「右」、「垂直方向」を「中」にします。
「テキスト」を開いて、文字を太字の下線つきに変更します。

ツールヒントを整える
「行」にある[時間(Device Timestamp)]を右クリックし、書式設定を選びます。
「ペイン」のタブで「日付」を「12時間制」に変更します。

「マーク」で「中央値(Glucose mg/dL)」を選び、左側のデータペインから[Glucose mg/dL]を「ツールヒント」に入れます。(自動で合計になる)
「ツールヒント」をクリックし、三行目にある「'Midian': <'Midian'>」を削除して行間を詰めます。
※お題のVizではこれも表示されているのですが、明らかに不要だと思うので今回は消しておきます。

参照線を引く
「アナリティクス」タブから「定数線」を選び「中央値(Glucose mg/dL)」の枠の色が反転したところでドロップします。
「値」で「180」を指定します。
同じように「80」についても定数線を引きます。
180の方のリファレンスラインを右クリックし、「書式設定」を選びます。
「リファレンスラインの書式設定」画面で、以下のとおり設定します。
・線:一番細い、細かい点線、オレンジ色
・リファレンス ライン ラベルの配置:水平広報を左
・数値:数値(カスタム)、小数点:1
80の方のリファレンスラインについても同様に書式を設定します。

最後に、シート名を「range」に変更します。

7.ダッシュボードを作る

新しくダッシュボードを開き、「サイズ」で「固定サイズ」を選び、「幅:1300px」「高さ:600px」に設定する。

お題のVizを見ると、大タイトル、中タイトルの下にグラフというシンプルなレイアウトです。
なので、今回はコンテナは使わずにそのままオブジェクトを配置していきます。

左側の「オブジェクト」から「テキスト」を選びダッシュボードに配置し、お題のVizを参考に大タイトルを記入します。サイズ等を調整します。(私の場合、20P)
もう一度「テキスト」を選んでダッシュボードに配置し、中タイトルを記入します。サイズやレイアウトを調整します。(私の場合、1行目14P、2行目10P)
「range」シートを一番下に配置します。

最後に、ダッシュボードの名前を「WOW2025 W2」に変更して完成です。

いつもは、Tableau Publicにパブリッシュ後にトラッカー登録をお忘れなく、とお伝えしていますが、今のところ2025年が選択できません。(2025/1/9 現在)



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