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Ragura Floating World70
エノクです
光る何か
それが
文字だと知った
その数は
どんどん増えて
書物になる
その本質は
想像と破壊
私は
解読書を読んで
自分の本質を知る
私は
エノク
「エノク書であり」
「創造と破壊の権化」
スク
「破壊‥」
エノク
「安心してスク」
「破壊も守る為に使うわ」
スク
「破壊しても次が来る」
エノク
「来ないと思うわ」
「だから今度は
全部進軍して来る」
スク
「全部‥エノク、あれ!」
エノク
「来たわね」
蒼穹を
取り囲む様に
大空いっぱいに
広がるポータルが
輝く
現れたのは
ラグラ全体を
取り囲む
侵食者のアジト
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群青色の
サークルが
惑星ラグラを
包み込んで
現れた
これが
彼らの世界
エノク
「ごめんなさい」
スク
「エノク?」
エノク
「壊すわ」
「貴方達の世界」
ベクトルを
一点に集中
両手をかざし
掌を包み込む様に
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エノク
「おにぎり」
「破壊する」
スク
「 」
「エノク、ふざけてる?」
半分ふざけて
半分は本気
かざした
両手の掌に
ぎゅっと
魔力を込めた
そこからは
スクが
戦慄の形相で
空を見上げた
上空を覆う
大爆破が
一斉に始まる
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半霊半物
問わずの
破壊
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これは
門前払い
じゃない
救援や
取り逃し
撤退もさせない
彼らの世界を
破壊する
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粒子圧縮
言葉は悪いけど
握り潰す
エノク
「‥最後まで」
スク
「うん。最後まで」
エノク
「逃がさない」
直ぐにでも
握りしめたい
それでも
侵食者は抗う
緩めず少しずつ
力を、加えていく
アジトが
圧力で
崩壊していく
あと半分
歯を食い縛る
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スク
「手伝って良い?」
エノク
「?」
スク
「一人では握りしめ
られないと思うから」
スク‥
ありがとう
私は頷く
スクが
私の手を
触れ、握る
スクの力が
伝わって来る
スクの血管が
巻き付いて
更に力が加わる
スク
「大丈夫、あと少し」
エノク
「んんん‥」
「やめて」
エノク
「 」
スク
「 」
「やめて」
スク
「緩めちゃ駄目」
エノク
「ん」
「やめ」
サークルが
アジトが
握り潰されて行く
私もスクも
手を緩めず
握りしめた
調和が
取れないなら
土足で
踏み込むなら
この世界を
脅威と捉えるなら
再び蹂躙する為
進軍するなら
エノク
「ごめんなさい」
「‼︎‼︎」
握りしめた拳を
更に強めて
ラグラの
大空が
再び戻った
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終わった
脱力し
崩れ落ちる
スク
「エノク!大丈夫?」
エノク
「ん。ラグラの世界樹と
連携取ったの」
スク
「世界樹と?」
創造主は
ラグラの全てと
連携が取れる
世界樹とも
エノク
「これっきりよ」
スク
「そうだね」
「お疲れ様」
スクが手を
握ったまま
私を
立たせようと
した
エノク
「 」
スク
「立てる?」
エノク
「ごめんなさい」
スク
「え?」
エノク
「スク、G-bart呼んで」
スク
「ええ⁈」
立てない
足が動かない