N° 58 宇宙調理に関して:宇宙調理理論 ロードマップ①-②-4について。
ロードマップを一つずつ。ser.
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それでは、前回の続きです。
徐々にポイントが多くなり
複雑になってきますが
宜しくお願い致します。
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では、前回(N°13)の続きについて
更に、追求していきます。
1人でも良いので、ついてきてください。。。笑
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①-②-2-[A]Ⅳ:低重力対応
1. 液体制御⑷:
A[密閉式クックポットの多機能性]
①多機能調理器具の機能追加のアイデア:
❶加熱調理機能(複数の加熱方法):
赤外線、誘導加熱(IH)、マイクロ波加熱の
いずれにも対応できるような機器は
確かに便利で素敵なアイデア。
それを実現するにあたり
どの様な形状とサイズが理想的なのか?
❷攪拌機能:
一般的に撹拌機能で言うと
ミキサーの様なプロペラ型のものが
採用される傾向にあると思うが
中身の食材の形を傷つけず、
そのままに維持し均等に加熱する場合、
プロペラ型のもの以外で撹拌機能のアイデアはあるか?
❸自動液体管理機能:
これは、現在でも一般利用されている
電化製品で代用可能。
❹冷却・保温機能:
これも便利。
ただそれだけの寒暖差のある機能を
一つの機器に内蔵させた場合の
機器の負担も考慮したうえで実現は可能か?
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B [表面張力を利用した設計についての
ナノテクノロジーの実用化]:
❶現状の実用化の状況:
研究が進んでいて この先、
技術者達が頑張ってくれることに期待しつつ
上記のA[密閉式クックポットの多機能性]に
記述した❶〜❹の機能と併用することは現実的か?
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1.加熱方式⑷:
① 「赤外線加熱」について:
[A] 地球上で使われている代表的な機器:
前回、記述した通り。
[B] 軽量化と月面への輸送:
❶ その場合、理想としての形状や大きさ、
重さはどのくらいが良いと予想するか?
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①-②-2-[B]Ⅳ:放射線防護
1. シールド材料⑷
❶ バインダー技術に使える高分子やナノ素材:
[A]現状の素材:
このまま研究が進んでいるのであれば安心。
❷硫黄を利用した技術:
[A]技術詳細:
前回の話から
その場合、やはり加熱方法としては、
赤外線、誘導加熱(IH)、マイクロ波加熱の
いずれになると想像できるが
硫黄が溶けるほどの温度まで上昇させることが
できるかどうか?
さらにはその状態を維持しつづけられるのか?
❸水氷を利用する技術:
[A]技術詳細:
氷の代わりの「液体メタン」や「ドライアイス」は、
月面上で獲得可能なのか?
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2. 基地の埋設⑷
❶セカンダリー放射線の漏れ出しについて:
これは、前回の説明にて理解して進む。
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①-②-2-[C]Ⅳ温度管理:
1. エアロゲルやPCMの具体的な使用事例と
宇宙技術への応用
❶ エアロゲル:
[A]使用事例:
前回記述の通り。
❷フェーズチェンジマテリアル(PCM):
[A]使用事例:
PCMについても、前回記述の通り。
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さて、考察を解答していく。
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①-②-2-[A]Ⅳ:低重力対応
1. 液体制御⑷
A. [密閉式クックポットの多機能性]:
❶ 加熱調理機能(複数の加熱方法)
[α] 理想的な形状とサイズ:
多機能調理器具を考える際には、
サイズと形状が重要。
赤外線、IH、マイクロ波の複数の加熱方法に対応する場合、
次のような形状と機能が理想的。
[α-1]円形または楕円形の内部設計:
均等に熱を分散させやすいため、
調理の効率が高まりる。
[α-2]コンパクトでポータブルなサイズ:
月面ではスペースが限られているため、
地球上の電気圧力鍋のように、
容量は1〜2リットル程度が理想。
[α-3]モジュール式設計:
加熱方式ごとにモジュールを交換できる構造にすることで、
メンテナンスが容易で、重量も削減できるだろう。
[α-4]内蔵ヒートシンク:
赤外線やマイクロ波は加熱にムラができやすいため、
ヒートシンクを追加して
熱を効率的に分散させる機能があると便利。
❷ 攪拌機能
プロペラ型以外の攪拌機能について:
中身を傷つけずに攪拌する場合、
「超音波攪拌」や「磁気攪拌」が考えられます。
これらの方法は液体や半液体を
物理的に接触せずに混ぜることができるため、
形状を保ちながら均等に加熱することが可能。
[β-1]超音波攪拌:
音波の振動で液体や柔らかい固体を動かし、
均等に混ぜる技術。
中身に直接ダメージを与えないので、
月面の特殊な環境にも適しています。
[β-2]磁気攪拌:
鍋の下部に磁力を利用した攪拌機構を置くことで、
プロペラを回すことなく攪拌できる。
これにより食材が傷つきにくく、
液体や柔らかい食材の均等な加熱が可能になる。
❸ 自動液体管理機能
現状の技術の応用について:
これは、地球上の最新の炊飯器や自動調理器具に
すでに搭載されている技術。
水分や蒸気を調整して内部の圧力や湿度を
自動で制御する機能は、宇宙環境でも応用可能。
❹ 冷却・保温機能
実現可能性について:
冷却・保温機能を一体化する場合、
Peltier素子などの技術を利用することが考えられます。
Peltier素子は、熱伝導を電気で制御できるため、
小型で低重力環境でも動作しやすい。
冷却機能と保温機能を一体化する場合、
温度制御を細かく分け、
保温モードと冷却モードを切り替える設計にすると現実的かと。
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B. [表面張力を利用した設計とナノテクノロジー]:
❶ ナノテクノロジーの実用化状況
ナノテクノロジーは現在、表面張力を
コントロールする技術が一部の分野で実用化されているが
調理器具における大規模な商用化は
まだ初期段階です。しかし、
ナノコーティング技術は、
すでにフライパンやオーブンシートに使用されています。
これを宇宙仕様に最適化することは
技術的には可能だが、コストや素材の耐久性の課題がある。
密閉式クックポットの内部にナノコーティングを
施すことは、液体の制御をより容易にするだろう。
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2. 加熱方式⑷
❶ 赤外線加熱に関する形状やサイズ、重量について:
[γ-1] 理想的な形状と重量:
月面への輸送を考えると、軽量化が必須。
赤外線加熱器具の形状は薄型でコンパクトに設計されるべき。
例えば、赤外線ヒーターの一部はすでに
薄型化されており、厚さ2cm程度のプレート状の
デザインが考えられる。
重量に関しては、500g〜1kg程度が理想。
[γ-2] 形状:
プレート型やカバー型にして、
調理器具に密着させることで加熱効率を高める。
[γ-3]材料:
軽量なセラミックやカーボン素材を使用し、
赤外線の放射効率を最大限に高める構造にする。
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①-②-2-[B]Ⅳ:放射線防護
1. シールド材料⑷
❶ バインダー技術に使える高分子やナノ素材について:
[Δ-1]現状の素材:
現在、バインダー素材として研究されている
ナノ素材には、高分子ポリマーや自己修復機能を持つ材料が含まれる。
これらは、耐放射線性や耐熱性を備えたものがあり、
月面での使用が期待されています。
特に「エポキシ樹脂」や「高強度のシリコンベースの素材」が候補となる。
❷ 硫黄を利用した技術の加熱方法 について:
[ε-1]温度の問題:
硫黄をレゴリスと混合する際には、
約120°C〜140°Cで硫黄が融解するため、
この温度帯を保てる加熱方式が必要。
赤外線やIH加熱の技術は、
十分にこの温度範囲での加熱が可能です。
また、マイクロ波は一部の鉱物や硫黄自体には
あまり効果的ではないため、
赤外線やIHがより適しているだろう。
温度維持は、真空断熱や温度制御のための
センサー技術を組み合わせることで実現可能。
❸ 水氷を利用した技術 について:
[ζ-1]代替液体(メタンやドライアイス):
月面での「液体メタン」は、
地質や大気環境を考慮すると
現地での生成は難しい可能性があります。
ドライアイス(二酸化炭素の固体形態)は、
低温度帯で保存が可能ですが、
安定供給のためには外部からの輸送が必要。
レゴリスの強度を維持するための素材としては、
やはり現地のレゴリスや硫黄が現実的かと。
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①-②-2-[C]Ⅳ:温度管理
1. エアロゲルやPCMの具体的な使用事例と宇宙技術への応用
❶ エアロゲル について:
エアロゲルは、「NASAの火星探査機」や
宇宙望遠鏡などで使用されており、
断熱材としての役割を果たしています。
軽量かつ優れた断熱性能を持つため、
宇宙環境や極限の温度変化に対応可能。
月面基地の外壁や装備品の保護材として有望です。
❷ PCM(フェーズチェンジマテリアル)について:
PCMは、主に「建築分野」で使われています。
エネルギー効率を向上させるために、
建物の壁や天井に組み込まれている例があり、
一定の温度範囲で熱を吸収したり放出したりします。
この技術は、宇宙船や基地の内部での
温度安定化に応用可能です。
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と、今回はここまで。
次回も引き続き
また更に深ぼっていきたいと思います。
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