見出し画像

プロ野球シミュレーション「最初から巨人江川」第8球「国民栄誉賞」

1977年の日本プロ野球界の話題は、何といっても王選手の本塁打世界記録達成に集約されました。なんだかんだで、一般ニュースもひっくるめたこの年の重大ニュースの1位にもなっていました。

フジの「プロ野球ニュース」の放送が開始されたのは、前年の1976年で、王選手のホームランの話題とのリンクもあって視聴率上昇にもつながったというか、番組成功へのスタートダッシュに貢献していました。平日の司会は佐々木信也さんで、土日の司会は最初は押坂忍さんだったかなと。当時私は小学生ながらも、夜の11時15分から始まるこの番組だけは欠かさず見ていましたので、しょっちゅう朝寝坊をしていました。

1977年9月3日の後楽園球場でのヤクルト戦で達成したのですが、

今でも気になっているのは、王選手が打った世界新記録のホームランボールを拾った人はいったい何を賞品だか賞金でもらったんだろうということです。かなりもみくちゃにされて、なんかかすり傷とか作りつつもボールを「死んでも離さない」くらいに抱えていたとか。最後まで公表されなかったような気がします。あ、ウィキなどで確認はしてませんw

ハンク・アーロンさんの755本を抜いて756本ということで、なんか都内だかのステーキ屋さんで、「先着5名限定、756グラムステーキ無料」とかいうのをやったのが何かワイドショーで放送されていて、その5人とも皆、半分どころか3分の1も食べきれてなく、見てて腹が立ったのを思い出してしまいましたw。そもそもきちんと756グラム測ったのか、という疑問も私の中には残っています。

世界記録を被弾したヤクルトの鈴木康二郎投手には、サイパン旅行がプレゼントされたとのことですが、これは「プロの意地」で本人は辞退したようですが、そういうのはプレゼントというよりも「傷口に塩を塗る」ということだというのは、当時中学生の私でも感じておりました。

王選手には、当時の福田総理から我が国初の「国民栄誉賞」が授与されました。これって王選手限りかなと思ったんですけど、それから結構受賞者が続けて出てきたんですよね。とうとう長嶋さんももらってしまいましたがw

私もその時はまだ、王選手の記録を抜いて国民栄誉賞を自分も取るなんてことを抜かしていたのですが、その6年後に国民栄誉賞を出すほうの立場のお役所に勤めることになるなんて夢にも思っていませんでした。まあ、中学時代身長145センチしかなくて帰宅部だったくせにというのもあります。

話が逸れましたが、この年のジャイアンツは、開幕当初から好調をキープ。前年加入の張本選手も高打率で打ちまくり、さらにこの年は柳田選手が「史上最強の5番打者」という異名をつけられるくらいに生涯最高成績を残し、そして王選手もこのシーズンは3割2分、50本塁打とクリーンアップが最強過ぎて、投手陣は堀内、加藤、新浦、小林に加え、西本投手が台頭し大洋ホエールズの斎藤明雄投手に新人王争いで惜しくも敗れたものの、盤石のローテーションを回して、9月中旬に早々のV2を決めました。あと、「守備の人」だったショートの河埜選手が打撃開眼したのか打率2割9分をマークしています。個人的には柳田選手よりもこっちのほうが驚きでしたが。

ただ、日本シリーズには調子が各選手とも上がらず、阪急に4勝1敗で敗れてしまいました。主軸が高齢で疲れも出たのかなと。個人的には1番打者の走力の落ちた柴田選手と、全盛期の福本選手の差かもしれないなと考えたりもするんですが、あと4番マルカーノは本当にいい働きをします。

そしてこの年のドラフト会議の目玉は、法政大学4年生の江川卓投手でした。

大学進学し、東京六大学においてもケタ違いの能力を見せ、大学通算47勝をマーク。どこからどう見ても、獲得した球団は先発ローテーションに入って2桁勝利が計算できる、と認識されておりました。この年まで例の「1番くじから12番くじ」方式のドラフト会議で、巨人は「2番」を引いたのですが、その前に「1番」を引いたクラウンライター・ライオンズが江川を指名してしまったので、獲得することができませんでした。

結局2番くじでドラフト1位指名したのが、早稲田大学の山倉和博捕手でした。ちょうど若手の捕手を獲得したかったというのもあって、そしてその後山倉が巨人のレギュラーになるのでドラフトとしては「成功」だったとは思いますし、あと、この当時であれば巨人の投手陣は結構豊富なので、江川を外してもそんなダメージはないのかなと。

私は実は個人的には、江川は高卒の時に阪急に指名されたまま入団してほしかったんですよね。このシミュレーションを「最初から阪急江川」にしたら話がまた全然違ってくるのですが、それと同様に高卒で江川投手が巨人に入っていて、それによりプロ野球界が大きく変わっていくという仮説で話をすすめているので、実際とは年月が経てば経つほど話が大きくずれていってしまいます。

それでは、シミュレーションに入ります。

ここから先は

2,196字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?