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VARREL奮闘記| Ep03「VARREL史上歴史的惨敗~2023シーズンの振り返り」
こんにちは、VARRELファンの皆様、VARRELのVALORANT部門のマネージャーの大久保です。
少しEp02から間が空いてしまい申し訳ございません。
最近はもっぱらVALORANT部門のトライアウトに明け暮れる日々です。
また冒頭に宣伝を挟みますが私はOverwatch部門マネージャーも実は担当しております。
08/11(金・祝)に我々VARRELが拠点としている横浜にてOverwatch部門のオフラインイベントを実施いたしますのでもしご興味ある方はぜひお越しください。(チケットは08/06まで販売中です)
またOverwatch部門のリーダーであるNico選手は私がこれまで出会ってきたプロゲーマーの中でも最上位の尊敬できる選手ですので是非彼のOverwatchへ懸ける想いも一緒にお読みいただけますと幸いです。
Ep02の投稿をおさらいすると私のこれまでのVALORANTとの携わりを紹介させていただきました。
あの記事を投稿して以降「Novagis Gaming当時リアルタイムで見てました!」や「自分もただ羨ましがるのではなく行動してみようと思いました!」などの言葉を学生の方を中心にお声掛けいただきとても嬉しかったです。
そして、本日は「VARREL史上歴史的惨敗~2023シーズンの振り返り」をお送りしていきます。
DONUTS USGへ
私がUSGに来たのは2022年4月です。
VCT2021終了後に自分は一度このeスポーツ業界を暫く離れています。
しかしこの業界への想いというのが強すぎて、2022年初めにまたeスポーツ業界へ戻ることを決意します。
この業界に戻ってくるタイミングでUSG以外にも何チームか自分で応募したり、ありがたいことにお声掛けいただいたりなど本当に当時は業界に少し認められ始めたかなと嬉しかったのを今でも覚えています。
その中でも私はこのDONUTS USGというチームでチャレンジすることを決意して最初はストリーマー部門の担当として日々色々なことを学びながら働いていました。
急遽訪れた大チャンス
そんな感じで日々DONUTS USGのために働いていたとき、ある転機がやってきます。
チームがVALORANT部門を結成するとのことでした。
私は以前のチームでVALORANTへの想いは非常に強いものを持っていたのでもしチャンスがあればやりたいと思っていましたが当時の自分のメイン業務はストリーマー部門の育成なので気にかけつつもあくまで最初は静観しようと考えていました。
しかしメンバー・コーチが決定した段階でマネージャーがおらず、ありがたいことに自分に打診があったため10秒もかからず「やります」と返事しました。
まさかあのZepher選手、HaReeee選手、Pepper選手など初期からの日本VALORANTを引っ張ってきた選手たちと一緒に仕事が出来るとは思わず、当時はワクワクしかありませんでした。
また、一方で日本でVALORANT部門を持って勝つことことは相当な投資が必要ということを僕自身よくわかっており、この部門にチームの命運がかかっているという重圧もすごかったです。
チーム内での焦り
そしてまさかのSPLIT1 Open Qualifier敗退
VALORANT部門の結成発表は2022年12月25日に行いましたが相当実績のある選手たちが多く所属したこともあり、VARREL史上最高の注目を集めました。
同時期に発表を行った2023シーズンSPLIT優勝チームのFENNELよりもTwitterでのインプレッションが高く、相当なプレッシャーを感じたあの感覚を今でも覚えています。
Merry Christmas🎁
— DONUTS VARREL (@_VARREL) December 24, 2022
STARTING
VARREL #VALORANT DIV
Roster
-Zepher 【@z_6qq】
-Pepper 【@ow_pepper】
-HaReeee 【@hare_cs】
-PeroOwO【@peroqwq】
-SSeeS 【@SSeeS_S_S】
Coach
-LiGeR 【@LiGeR_cs】 pic.twitter.com/DwnorySYOO
しかしその裏で行っていたチーム活動ではかなり苦戦を強いられていました。
まず第一にチーム練習期間の短さです。
メンバーが揃ったのが12月中旬でそこから本格的な練習を開始したのですがここから1月中旬のSPLIT1までの1ヵ月で選手の体調不良などが相次ぎ恐らく合計で10日練習できたかどうかというレベルでした。
スクリムでもVCT Pacificのチームなどもたくさん練習をさせていただきましたが全くと言っていいほど歯が立たず、自分たちと同じく0からのスタートであった国内プロチーム等に対しても勝ちきれない日々が本番直前まで続き、スクリムは調整の場であるということを以前のチームの頃から認識としては持っていたのですが恐らく勝率としては30-40%がいいところでした。
以前のチームでもそうですが最低ライン調整の場としても最低55‐60%くらいないと国内のVCJとはいえ勝っていけないと考えていたので非常にマズい状況であることは明白でした。
そして、これじゃ到底アセンショントーナメント優勝はおろか、日本でTOP8に入れるかどうかもわからないような内容だったとも思います。
そしてその不安は的中し、BC SWELL、DOPNESSにあっさり連敗しSPLIT1 Open Qualifier敗退。
あまりにも早すぎる敗退でしたが私は日々のそれまでの練習も見ていたので「圧倒的準備不足」を痛感させらつつも冷静でした。
今振り返るとこのVARRELというチームは僕が過去に見てきたNovagis Gamingとは違い、最初から既に選手・コーチが決まっていた中でスタートしたため練習期間の確保は必須だったため、自分の選手達に対する体調管理やその他の試合への持っていき方の甘さを深く反省しました。
SPLIT1敗退直後のチームでの改革
SPLIT1敗退が決まった1月14日(土)の試合後、私はSPLIT1慰労会として選手たちをゲーミングハウス近くの焼肉店へ連れて行きました。
僕は必死に前を向くように選手たちになるべく明るく振舞いましたが、誰1人僕と喋ろうとしませんでした。
正直、僕の人生史上最悪の雰囲気での焼肉でした。
(ちなみにお店の焼肉自体は相当旨かったです。笑)
そしてある程度、ご飯を食べ終えたところでリーダーのPepper選手が「ちょっと注目、聞いてほしい」とメンバー全員に声を掛けました。
Pepper選手は「OPEN予選で負けるのは最悪の結果。ましてやフルタイムでプロとしてやってる俺らが練習時間が限られているであろうDOPNESSさん相手に負けるのは言語道断。何も言い訳もない。本当に反省しなけれればいけない」と言い放ちました。
続けて「ペロ(PeroOwO)とセス(SSeeS)にはロールチェンジかもし厳しいのであればメンバーを外れてもらうかもしれない」と厳しい言葉が投げかけられました。
その後、私に対してPepper選手が「この変更、会社的に大丈夫ですか?」と是非を問われたので私はその場で「現状、勝つためには短期的な改革は必須なので仕方ない」とその場でチームリーダーの彼の決断を認めました。
そしてその後、PeroOwO選手は脱退することになりました。
彼はチーム1若い選手だったため「もっと彼にサポートが出来ていれば」と1マネージャーとしてかなり後悔をしました。
このSPLIT1は選手/コーチ/私含め本当に何もかもが準備不足でした。
色々な面でもがき苦しみ続けた2月
PeroOwO選手の脱退が決まったため、新たな選手を探す必要があったチームは公募で後釜となりうる選手の募集を行いました。
しかし、残念ながら公募ではなかなかVARRELの求めるレベルの選手はおらず、大抵VARRELで戦える選手はSPLIT1メインステージを戦っていました。
今年の日程的に途中からメンバーチェンジするのは圧倒的にリスクが伴い、且つ他のTOPチームに大きく後れを取ってしまうため、正直なことをここでぶっちゃけると今季はVCJプレーオフ圏内進出(国内TOP6)を個人的に第1目標目標としたチームへする行動に変えていきました。
そんな中、VARRELに適した選手が2月後半にやっと2名まで絞り込まれます。
もう当時の話になるのでぶっちゃけますが最終的に国内有数のチームで活躍していた2選手のうちのどちらかの選択を迫られました。
そしてその2名のうち最終的に加入することになったSkyfull選手をチョイスしたのは2月26日(日)。
VCJ SPLIT2のロースターロック期間は2月28日(火)迄。
わずか2日間でREJECTさんと諸々の交渉をした怒涛の数日間でした。
それ以来、今でも交流がありますがREJECTのマネージャーさん、及び会社に対して本当に感謝しています。
そしてSkyfull選手はVARRELへの加入が決まってわずか1週間でチームのブートキャンプに合流しました。
SPLIT1とは違う完成度の高さでSPLIT2へ
SPLIT1のときと最終的な練習期間は少し増えたくらいで大差ありませんでしたがそれでも経験豊富なSkyfull選手の加入はIGLであるPepper選手の負担を大きく軽減しました。
またHaReeee選手やSSeeS選手といった対面の強さを持つ選手の司令塔として抜群に機能し、スクリムでも相当な手ごたえを感じていました。
SPLIT1直前のスクリムで歯が立たなかったVCT Pacificのチームにもほぼ五分五分の戦績で、本番直前に行った日本代表でVCT Pacificに参戦しているチームとのスクリムでは相当な大差で勝利するなど文句のつけようがないくらい圧倒していたほか、海外リージョンで各国TOP4に入るような相手にも連勝するなどリーグチームに対しても遜色のないパフォーマンスが披露出来ていたため「Open QualifierとAdvance Stageを抜ければMain Stage中に成長し、最終的には優勝を狙える」という自信すら出てきていました。
そんな中でSPLIT2のOpen Qualifierの対戦表が発表されました。
当初のチーム内での見解はやはりREIGNITEとの一騎打ちになるだろうと考えていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1691248230674-iqYMLdUEtS.jpg?width=1200)
順調に勝ち進んだ矢先、突然の敗北
いよいよ開幕を迎えたSPLIT2。
開幕戦でENIGMA VORTEX、次戦のSYSTEM e-Sports戦を危なげなく快勝。
2日目はUpper FinalにてREIGNITEとの一戦でしたが1MAP目は落としてしまうもののその後の2MAPはほぼ相手に何もさせない内容で勝利し、SPLIT2はあと1勝でAdvance Stage進出というところまで来ました。
最終日もいつも通りのルーティンで試合への準備を進める選手たち。
いつもと少し違ったのは試合までの時間がかなり長かったこと、そしてSkyfull選手が若干の体調不良を訴えていたことでしょう。
この少しの変化がチームを悪い方向へと導いてしまいます。
その前兆は前の試合でも既に起こっていました。
私たちが一騎打ちとなるであろうと予想していたREIGNITEがなんと0-2のスコアでSYSTEM e-Sportsに敗北したのです。
このタイミングで若干の緊張感がチーム内に行き渡りました。
そして迎えたGroup FinalのSYSTEM e-Sports戦。
相手はREGNITE戦で温まった状態で試合に入ってきて、その勢いに対抗できず劣勢を強いられます。
そして1MAP目のSPLITを11-13で落としてしまいます。
前日のREIGNITE戦で1MAP目を落とした時とは確実に違う嫌な雰囲気が漂ってました。
そして前々日に一度対戦していたヘイブンのOptic構成の相手に対してBサイト、Cサイトを自由奔放に明け渡し続け4-13で敗北。
正直私はこれまでのeスポーツの試合で初めて負けたときに笑いがこみ上げてきました。
相当その現実が受け止められなかったのでしょう、今でのあの時の心情はなんと説明すればよいのか非常に難しいです。
敗北後のゲーミングハウス
今年のVALORANTの競技シーンでSPLIT2の敗退は「シーズン終了」を意味します。
私たちも例外なく、敗北の瞬間、シーズンが終了しました。
夜22:00に試合が終わり、そこから15分くらいしてPepper選手に「大久保さんちょっと外いこう」と呼び出されました。そこにZepher選手も付いてきました。
彼ほど実績と経験がある選手は日本にもなかなかいませんが彼もSPLIT1のときとは違い、明らかにこの敗北を受け止めれていないような様子でした。Zepher選手も同じくです。
そこから彼と日を跨ぐまで話し込みました。
来季についての話をしました。もちろん彼もこのプロジェクトのどれだけの予算がかかっているかをある程度知っていましたし、一番責任を感じていたように見えました。
しかし、もう過去は帰ってきません、この瞬間僕らにとっての長くて苦しいオフシーズン及び2024年へ向けての戦いが始まったのです。
突然のZepherからの呼び出し、彼の決意
そこから1日たった3月24日(金)
この半年間、決して自分からは僕に歩み寄ったりしないZepherから「オフィスで来シーズンのことについて話したい」と珍しくお願いされました。
雨が降りしきる新宿駅、そこにあの大きな身体をしたエースが自信なさげに立っていました。
オフィスに迎え入れて開口一番、彼は初めて僕及び会社に対して謝りました。
続けて、自身の年齢的にCrazy Raccoonにいた20歳なりたてのころとは違い、もう既に23歳、選手キャリアの中盤に差し掛かっていることを述べ「来季は本気で勝ちに行きたい」と僕に力強い言葉で話しました。
そのために彼が僕に提案した内容が3つ
・EMEAの最先端のVALORANTをチームで行いたいということ
・現環境下で日本トップクラスの選手たちでチームを構成したいということ
・コーチングスタッフを充実させてほしいということ
上記の内容を僕に提案しました。
1時間くらい来季のことについて話した後、深夜1時くらいまで彼とオフィスで自身のキャリア、チームの未来について話しました。
失礼承知ですが彼がここまで私に熱意を伝えたのはこの時が初めてでした。
そもそも彼はこういう話し合いがそこまで好きじゃないので。
その熱意に僕は相当心が揺さぶられました。
この話し合いを経て僕は2024年は彼を中心とした新たなチームを組成する決意をしました。
最後に
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
最後に、現在、チームから様々なリリースがされていますがその中で1点。
Zepherはどうなるんだ?Zepherもチームから離れるのか?という心配の声をSNSを中心に多方面で見かけたりします。
結論
Zepher選手は2024シーズンもVARRELのメインロースターとして戦います。
そして来年は彼中心のチームになるでしょう。
日本最高のジェット「Zepher」の復活をもう少しだけお待ちください。
いかがでしたでしょうか?今回の内容は2023シーズンを振り返るような内容でしたので書くのが非常に苦しかったです。
そして次回からは2024年へ向けた新生VARREL結成までをお話ししていきます。
様々な物語や情報をこのnoteで発信していきますので引き続きお読みいただけますと幸いです。
本日もここまでお読みいただいた皆様、ありがとうございました!