「バリューとは願いだ!」会社の理想を形にした、バリューという名の9つの願い
私たちVARKは、最近ミッション・ビジョン・バリュー(以下「MVV」)を一新しました。CEOと社員たちとで、何度も話し合った末に作り上げた、戦略策定や採用、昇降給などの基盤となる、とても大切なMVVです。色々な想いがたっぷり詰まっています。
そんな大切な新MVVについてみなさんに知ってもらうため、弊社CEOの加藤にMVVについて語ってもらいました。今回は、3回に亘るMVV紹介の最後。バリューについてのお話です。
VARKにとってバリューは、社員の評価にダイレクトに関わる重要なものです。今回はその成り立ちや、そこに込められた意味まで、すべてご紹介していきたいと思います。
ミッション・ビジョンについてのお話はこちら!
―Interviewee Profile―
加藤 卓也(かとう たくや)
2014年カプコンに新卒で入社後独立し、2017年に25歳で起業。2018年にはバーチャルライブプラットフォーム『VARK』を立ち上げる。昨年末には『VARK』に新たにメタバース機能を追加し、リリースからわずか10日で来場者数1万人を超え話題となった。経済誌『Forbes』が30歳未満のアジア太平洋地域の23の国と地域で活躍する人物を選出する企画「Forbes 30 Under 30 Asia 2021」に選出。
バリューができるまで
ミッションは僕の願いを基に決めて、ビジョンは経営チームが決めましたが、VALUEに関しては“バリュー委員会”を設けて決定しました。
ビジョン達成のために必要な行動指針や考え方をバリュー委員会のメンバーで出し合ったところ、100個以上の意見が出ました。その中から「最低限守って欲しい基準」として9つに厳選したものが、このバリューです。
VARKにとってバリューとは、ビジョン達成のための行動規範や判断軸です。そのためこのバリューは、社員一人ひとりの行動や人間性がVARKにフィットしているかをきちんとジャッジできるように作られています。
また、このバリューを基軸の1つとした評価制度も新たに設けました。ちなみに、制度導入と同時に給与水準も大幅に引き上げたため、5月に行われた初めての評価では、多くの社員の給与が大幅にアップしています。(前年度より年収が100万円以上アップした社員も数名います。)
この制度では、数字や成果に関する「BUSINESS目標」と、このバリューを指標とした「VALUE目標」の2つの目標の達成度から総合的に評価されるため、たとえ1人で1億円を売り上げるような社員でも、バリューから大きく外れた言動をしていれば、給与もポジションも上がらないような仕組みになっています。
それほどこのバリューは、給与やポジションに大きく影響する、非常に重要なものなのです。
では早速、9つのバリューを1つずつご紹介していきたいと思います。
健康であろう
僕たちは世界規模のスケールで、しかもバーチャルという新しい分野で闘っていくため、常に挑戦が求められています。
ただ、長期間挑戦し続けるのは、やっぱり心身に負担がかかります。高いパフォーマンスを出すチームであるためには、一人ひとりの心身の健康維持がとても大切です。
「心身の健康維持」ですから、体だけではなく、もちろんメンタルヘルスも重要です。きちんと自己管理し、無理をせず、心も体も両方大事にしていく人をVARKは評価していきます。
研鑽しよう
VARKは今のレベルのままでも会社として成長していくとは思いますが、僕たちが掲げるビジョンは難易度が高いため、太刀打ちできなくなるタイミングがきっと来ると思います。
そうならないためには会社としてのレベルを上げていかなければなりませんが、会社・事業として成長するためには、社員一人ひとりの能力を高めていく必要があります。
休日にダラダラと過ごして自己研鑽していない人を咎めるつもりはありません。でも、努力し続けている人はきちんと評価していきますし、努力してパフォーマンスを上げていける人を僕たちは求めています。
自主性を持つ
VARKにとって「自主性を持つ」とは、積極的に仕事に取り組むだけでなく、その仕事に対し責任意識を持つことを指します。
高いパフォーマンスを出すチームであるためには、一人ひとりがチーム全体の仕事に対して他責にならずに、自ら責任を持って行動することが必要です。
僕たちは、新しいことをやっていくと決めている会社です。そのためには、自ら考え、挑戦していくことが重要ですが、新しいことに挑戦していくと、失敗することが腐るほど出てきます。
その時に他責にする人は、次に活かすことができません。たくさんある失敗の中で、それを一つひとつ噛み砕いて自分のものにしていくことができなければ、新しいことに挑戦することなどできないと僕たちは思っています。
そのため、自ら行動し、その行動に責任を持つことが非常に重要だと考えています。
背景を知る
VARKには今、新しい人がどんどん入ってきています。しかもベンチャーなので素早い意思決定を下すことも多く、新メンバーと既存メンバーとの間でコミュニケーションの齟齬が起きる可能性が高い状況下にあります。
そうした齟齬を起こさず、高いパフォーマンスを出すチームであるためには、なぜそのような言動をしているのか、相手の真意を知ろうとすることが重要です。
相手の言動が自分の考えと合わない場合でも、その背景には納得できる理由が隠れていたりします。意見がぶつかってから「そんな背景が合ったなんて知らなかった」となるのではなく、まず相手の背景を知ろうとすることが大切だと、僕たちは考えています。
組織合理
組織合理を重視するか個人合理を重視するかは会社によって様々だと思いますが、VARKでは組織合理を重視しています。
この会社は「世界中に新しい可能性を創り出す」という、まだ誰もやったことのないような新しいことを世界中に拡げるという大きなミッションを掲げています。
そんな大規模な事業を行っていくには、大勢の仲間が必要になります。大勢の人々と共に大きな事を成し遂げようとするには、自分勝手に行動するのではなく、チームや会社にとって良いこととは何かを常に考え続けることが必要となります。
会社にとって必要なことを考えた時、それが自分には合わない時もあると思います。そんな時でもチームのために個を抑えた判断ができる人を、VARKは求めています。
ワクワクは自分から
これは僕が1番好きなバリューです。僕たちは、バーチャルライブやメタバースによってエンターテイメントを提供する事業を行っていますが、エンターテイメント提供者であるためには、まずは自分の心をワクワクさせることが必要です。
どんな仕事でも、仕事をするって大変じゃないですか。大変で、イライラしたり文句を言いたくなる時もありますよね。
でも、そんな時でも人を楽しませたり、ワクワクさせることを自分から発信できる人は強いと僕は思っています。そして、自分が大変な時でもワクワクを提供できる人が増えることが重要だと思っています。
ワクワクは人が与えてくれるものじゃなく、自分から発信していくものなんです。
エンターテイメントの会社である以上、ワクワクしながら仕事をし、人をワクワクさせられる人を評価していきたいと思っています。
不完全を恐れるな
これも僕が好きなバリューです。大好きバリューが多すぎるんですよね(笑)
最速でゴールに辿り着くためには、自己完結する完璧さより、周りと期待値の差を埋めることが必要です。
ものづくりをしている会社の中には、完璧な状態でリリースしようという会社もあると思いますが、僕たちは違います。僕たちのようなスタートアップ企業にとっての強力な武器は、スピード感です。
「この仕上がりでは納得できない」「これではユーザーは満足しない」
制作する立場としては、そんな想いを抱くこともあるかもしれませんが、僕たちが期待されているのは完璧さではないんです。
僕たちは新しくて大きなことを作っていく会社ですから、超完璧だけど既に世に浸透しているようなものよりも、不完全だけど新しいものを大事にしていこうと決めました。
不完全だと思うものを出すことは怖いと思います。でも、不完全な状態でもユーザーは喜んでくれるかもしれませんし、自分が完璧だと思ったものが必ずしもユーザーに評価されるわけでもありません。ユーザーの意見を聞きながら仕上げていく方が、より早くユーザーに満足してもらえるものを提供できると僕たちは考えています。
遵法
法を犯さないということは当然に思えて、意外と遵守できていない会社も多いと思います。
僕たちはスタートアップ企業として成長していっているわけですが、同じようなスタートアップで違法なことをしてぐんぐん業績をあげている会社がもしあったら、自分たちも違法に手を染めたくなってしまうものだと思うんです。これは抗えないものだと僕は思っています。でも、決して法を犯さないと、その誘惑に抗うんだと、僕たちはこのバリューで誓いました。
法を犯さないということは顧客に対して嘘をつかないということでもあり、嘘をつかないという判断ができることは、とても重要なことだと思っています。
僕たちが目指す大きな事を成し遂げるためには、その事業形態が持続可能であり、どんどん大きくなっていく状態にしていかなければなりません。違法に手を染めていれば、成長の過程で、それが自分たちの足を引っ張ることになります。だから僕たちは、決して違法なことはしません。
目的思考
最速でゴールに辿り着くためには、何のためにやっているのか、何を得られれば次に繋がるのかを設計することが必要です。
ものづくりをしていると、あれもこれもと手を出したくなりますが、今、本当にやるべきことは何か、目的から逆算して設計していくことが重要です。
僕たちが掲げているビジョンは、2025年までにMAU※500万人というものです。現在、世界トップクラスのVRサービスでも300万MAUくらいですから、正直かなり厳しい目標です。
残り2〜3年のうちにこれを達成するためには、最速でゴールに向かっていく必要があるため、目的思考を持ってゴールから設計する必要があるのです。
※「Monthly Active Users」の略で、ひと月あたりにサービスを利用するユーザー数のこと。
「法とは願い」会社の願いを乗せ、バリューは進化し続ける
9つのバリューをご紹介しましたが、いかがでしたか?ご紹介したバリューは、1つくらいできていなくてもいいというわけではありませんし、優先順位があるわけでもありません。9つすべてにフィットしているかどうかを判断していくものとなっています。
ただ、このバリューはこれで完成というわけではありません。働いていく上でより良い形にできるよう、半年に1回、バリュー委員会での再検討を行なうことで、その時の会社の状態に適した形にアップグレードしていく予定です。
最後に、僕が好きな言葉を紹介したいと思います。
「法とは願い」
これは、僕が大好きな『キングダム』という、春秋戦国時代の史実を基に、天下の大将軍を目指す主人公と、中華統一を目指す秦王・籯政(えいせい)や武将達の活躍が描かれた漫画に出てくるセリフです。かつてクーデターを起こした一派の中心人物で、いわば悪役の李斯(りし)という人物の言葉なんですが、悪役なのに良いこと言っているんです。
籯政が掲げる中華統一後のビジョンが”法治国家”であることを知った丞相の昌文君(しょうぶんくん)が、“法の番人”と呼ばれる李斯に「中華全土を治める法がどのようなものか分からない」と牢獄まで相談に来ます。そこで「法とは何なのか」と問う昌文君に、李斯はこう告げます。
僕たちのバリューも願いです。どのような会社でありたいか、世界がどうあってほしいかという理想を基に作りましたし、そのバリューという願いに沿った会社であり、人間になっていきたいと思っています。
このバリューをただ言葉として理解するのではなく、その背景にある願いまで理解していただけたら幸いです。
3回に亘るミッション・ビジョン・バリューのお話で、VARKという会社がどのような価値観や考えを持っている会社なのかがお分かりいただけたかと思います。
バリューを定期的にアップグレードするとお伝えしたように、VARKはまだまだ進化の途中。たくさんの仲間を必要としています。
世界中で利用され、人々に新しい可能性を提供する…そんなワクワクするチャレンジを、VARKと一緒にしてみませんか?
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