エンタメ講座創作質問②
つづいてはこれ。
Q. 男の子向けの作品を書く上で、特に気をつけている点はありますか?
もちろん、男子だからこう! 女子だからこう! みたいなものではなくて、あくまでグラデーションの中での傾向の話なんだけど。
A. 女の子は『共感』で読める。
男の子は『憧れ』で読む。
と思っています。
たとえば、
自分が悲しい気持ちになったり、つらいことがあったりしたときに。
お話のなかの主人公も、悲しい気持ちになっていたとして。
女の子は、「自分と同じ気持ちを持ってる子がいるんだ」って、うれしかったり、慰められる子が多いと思うんだよね。
でも男の子の場合は、たぶん、「鬱陶しい」んです。
自分が悲しい気持ちになったり、つらいことがあったりしたときに、お話のなかでまでわざわざ悲しんでいるところを見ていたくない。
お話のなかでくらいは、むしろ、空を飛んでいてほしい。
共感じゃなくて、その憧れで慰められる感覚が、強いんじゃないかと。
(繰り返しますが、ゼロイチの話ではなく)
なので、「女子は共感でも憧れでもどっちでも読めるんだけど、男子は共感だけでは読めない」というのは思っています。
このへんが、男子に小説が根付きにくい要因の1つなのかな、とも。
児童向けは、共感ベースの作劇で書かれているものが多いというか。(昨今はそうでもなくなってきたかな、とも感じるけど……ノウハウが蓄積されてる感じはあまりしないかなぁ。もともとの小説という媒体の特性もあるし)
なので、「共感」と「憧れ」の両方を貫けるような話にしたいなぁ、というのはよく思っています。
まぁ、たんにそれが自分の好みってだけなのですが。