文化芸術収益力強化事業
2021年、大きな案件2本、昨日無事に実施は完了!疲れたー。
どちらもART HOUSE、CHICKEN GEORGE、VARIT.の3ライブハウスを使ったサーキットイベントで、来場・配信のハイブリッド公演として開催(「ライブハウスジャッジメント in KOBE」で一緒だった4ライブハウスで開催したかったんですが、太陽と虎はスケジュールが入ってたので制作や運営で手伝ってもらいました)。
その採択事業の1本目。「KOBE Goodies Collection -Rock'n'Roll Circus-」は1/10に開催。僕の個人的な「好き」をサーキットイベントにしてしまえ〜ということで、毎年この時期に企画しているイベントです。敬愛している「THE NEATBEATS」には絶対に出演してもらう、という真鍋さんとの個人的な約束(笑)の元、他にも大好きなロックンロールバンド「ザ50回転ズ」「KING BROTHERS」「忘れてモーテルズ」「KiNGONS」などにオファー。神戸には「THE TOMBOYS」がいるから!という大前提もあって、毎年僕なりに面白いイベントを開催しているぞ!という自負を持っております。
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10月だったかな?タイトルにもある「文化芸術収益力強化事業」の募集がありまして、対象事業に「ライブハウス・ミニシアター等と連携した公演等収録・上映・イベント・配信等」とあったんですね。これを見て、実は30本くらい企画書を書いたんです。ライブハウスVARIT.で開催するもの、THE TOMBOYSが東京でイベントを主催するもの、地域の方々と何か一緒にやりましょう!というイベント、などなど。募集期間は10/12〜27のたった2週間。コロナ以後、撮影や演出、その他のことで色々ご一緒している方々に連絡を取りまくって、南出・藤岡店長・マサラの3人で30本、応募!
そして1週間後、採択されたのは、、、2本!笑
そのうちの1本がロックンロールサーキットイベント!ということで、すぐにブッキングを始めました。
今回は、いつものように「全国各地のロックンロールバンドを呼びたい!」というのは少し我慢しなければならないのか、、、と思い、その分、関西の若手ロックンロールバンドを多くブッキング。去年も出ていただいた「ウルフルケイスケ」さんやJUN SLY WALKER(S)の「森純太」さんもソロでご出演いただくなど、今年は今年でめちゃくちゃいい出演者の方々をブッキング出来たなぁ〜と感じています。僕がお客さんなら全部観る。あ、今年も全部、観ましたけどね(笑)。
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そして採択事業のもう1本が昨日開催した「DOL♡HOLIC! CIRCUIT」というアイドルサーキットイベント。こちらは大沢というアイドルが大好きな女性新人スタッフが企画。企画書を30本書く中で、大沢に「どーせやったらデッカイこと考えて、毎年続くような、、、アイドルサーキットイベントとか、どない?」なんてケシかけて、、、いや、提案して、それがなんと!通っちゃった、という案件。
ロックンロールサーカスの下敷きがあるとは言え、ブッキングや情報公開、チケット販売スケジュール、その他、制作マニュアルの作成など、本当に大変やったと思うけれど、よく頑張ってくれた!と思っています。そう、緊急事態宣言も発令されちゃった中での開催、という、1/10とはまた違った状況もあり、めちゃくちゃ大変だったなぁ、、、。直前での出演辞退、また新たな出演者をブッキングしなければならないのか!?とか、お客さんへの対応も、ものすごく気を使うものでしたから。。。
でも、彼女が一番最初に好きになったという「仮面女子アーマーガールズ」に体当たりでオファーしてみたら、、、なんと受けてくれる!というブッカーとして非常に嬉しいことを体験できたり(決まった!という連絡を受けた時、 嬉しくてスタッフの前で泣いちゃったらしい。笑)、きちんと1つ1つ、出演者や事務所の方々に向き合ってくれたのは、僕にとっても大きな喜びだったな、と感じています。
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今回ここに記録しておきたいのは「内容」の話ではなく、文化庁からの委託事業として事業を「当事者」として実施するに当たり、感じたことを記しておこうと思います。
この事業ばかりでなく、様々な補助金を活用し、なんとかライブハウスや会社そのものを維持していこう、という考えのもと、応募したり採択された事業に関しては成果物を作ったり報告書を作成したり、と、今までやったことがないことがたくさんあって、これもまた新型コロナによって身につけつつあるスキルの1つだと思っています。
そしてこういった補助事業に関しては、当然「誰がみても適正だとわかるようにする」ことが大切であり、「全てに対して説明がつく」ということが必要なんだと感じました。いや、思い知りました(笑)。
そしてこれは、あくまでも自社に対して利益を得るために行なう事業ではなく、「当該事業によって地域の新たな仕事を作り、雇用を生む」という視点も大切なのだな、と感じます。
ライブハウス、というか、ロックなんてものをやってると、時に「ハメを外す」ことも文化になり得ることがあるとは感じていて、補助金?そんなのカンケーねー!なんて言えるなら、こんなこと、考えもしないんですがね(笑)。
でも、この状況でアーティストも苦しい中、僕がやるべきことはなんだろう?僕はどう振る舞う必要があるのだろう?僕はどんな役割を担えばいいのだろう?ということは常に考えるようになっていて、この人生の中の「ポジション」とでもいうんでしょうか。やはりコロナ以前とは変化しちゃったように感じることも多くなっています。
変化しちゃった、とは書きましたが、それが悪いと考えているわけではなく、ロックンロールバンドのみんなが、それぞれの良さを剥き出しにして表現したいこと、表現できる場所を作るということは、今、誰でも出来ることではなくなって来たように感じているからなんです。こんなこと、当たり前のように誰でも出来ることだったはずなんです。
出演バンドはたくさんのお客さんを呼び、魅了し、相当の出演料を得る。
こんなこと、当たり前じゃないですか。お客さんのチケット代は、出演者と制作サイド(ライブハウス)が順当に分けて来たし、これからも当然そうなるはずだった、と。でも今や「集客数は制限され、表現の場がなくなる」=「集客数は制限され、収益を得る場がなくなる」となっているんだと思います。
そして今回の補助金の仕組み。本当にありがたいな、と思います。採択されなかったら開催する勇気、出なかったです。無理して開催して、交通費などを含む出演費値切って。それって正しいことなのだろうか。。。
「もらえるものならもらっとけ!」じゃなくって、どう活用したら未来に繋がるのか、を考えたいと思います。すでに「ライブハウスからの生配信」にどのような別の価値を持たせるか、を考える必要に迫られていると感じていますし、ここは自由に発想できるくらいの、経済的なちょっとした余裕をいただけると、、、助かるんです、文化庁さん、、、(笑)。
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次はMusic Cross Aidにいただいた助成金を活用した事業の展開を進めていきます。「今村モータース」をはじめとした神戸のアコースティックミュージシャンを中心に、神戸や兵庫県内の風景を紹介するような事業が出来ないだろうか?と考えています。「ライブハウスからの生配信」に対するアンチテーゼ(笑)?
こういった「挑戦したいこと」に補助や助成してもらえることに感謝していますし、また新たな発想力と企画力、それを実現していけるだけの実行力をどんどん磨いていきたいと思います!会社が倒れないうちに!
※TOP画像は1/10のTHE NEATBEATS@チキンジョージ。photo by ハヤシマコ。最大限に感染症対策し、お客さんが楽しんでくれる。これだけで本当に嬉しいです。