ずーっと生きるヒントを探している
2023年の秋口〜年末には、能町みね子さんや雨宮まみさんのエッセイなどにハマった。
2024年に入ってから、なぜか小説を読み漁っている。特に金原ひとみさん、村田沙耶香さん、山内マリコさんなど、女性作家さんの作品が多い。
はてどうしたものか、欲しいと思った本はすぐに買い、自分に足りない栄養分を摂取するかのように本を読んでいる。家に「まだ読んでいない本」つまり積読がないと不安になる。
自分でも珍しいので、なんでエッセイや小説を読みたい気持ちになっているんだろうと考えていた。
そうしたらなんとうまいことひとつの記事に辿り着いた。
小説家である角田光代さんのインタビュー記事である。
エッセイは、まさに著者の人生を知ることができる。小説は、登場人物の人生を知ることができる。私はとにかく今、他人の人生が知りたい時期なのだ。
結婚してからというもの、恋愛とはなんだったのか、結婚にはどんな意味があるのか、子供を育てるということはどんなものなのか…頭の中を、自分に関わるたくさんの問いが駆け巡る。
親元をやっと離れてから、ああもっと自由に生きたら良かった。なんで今さら、親元を離れたことの自由なんか感じちゃっているんだ、と思っていたときに雨宮まみさんの『女子をこじらせて』と『40歳がくる!』を読んだ。苦しい思いを抱えながらも自分の気持ちややりたいことにもっと素直になれば良かったと思った。
結婚にはどんな意味があったのかを考えていたときに、手が伸びて読んだのが、能町みね子さんの『結婚の奴』という作品。
もっと自分の選択に自分なりの意味を持っておいたら良かったと思ったし、これからはそうしたいと思った。
とにかく前が見えない、自分の人生って?と思ったときに手に取ったのが金原ひとみさんの『蛇にピアス』『アンソーシャルディスタンス』だった。心と身体が壊れそうだけど、ギリギリ壊れないように生きる人たちの物語を読んで、失礼ながら、まだまだ自分、大丈夫と思った。
結婚してから、「女」や「性」を強く感じるようになり、なんだかずっと気が重たかった。気が軽くなるような、でも芯がある何かを探していたときに山内マリコさんの『結婚とわたし』を読んだ。自分の感情にまっすぐ向き合う山内マリコさんは超かっこいいと思ったし、真似したい。
結婚したら(元々他人だった)親族のお葬式にも行くことになると言う。ってかそもそも葬式ってなんなんだ、死ぬってなんだ?って思っていたときに、村田沙耶香さんの『生命式』『殺人出産』を読んだ。
人が産まれ、死ぬまでのプロセスがこんなにも一辺倒なのが不思議なくらいに感じられた。生や死にもっともっとバリエーションがあってもいいのにと思った(でも物語でも現代と同様に、複数の価値観が共存することはとても困難であるようだった)
エッセイや物語は、決して私の頭の中の問いの解答を教えてくれるものではない。でも自分の人生ばかり見つめていては、疲れてしまう。だから他人の人生を見つめることで相対的に自分の人生を見つめている…らしい。
そして不思議なことに、必要としている本が私の元に来てくれるのである。
お腹が空いたときにたくさん食べてしまうものは、その栄養が足りていないってことなんだよ
と誰かが昔教えてくれたのを思い出す。
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