「AI面接官で就活生に平等な機会を」—VARIETAS創業時から会社を支えるメンバーのビジョン
VARIETAS(バリエタス)は、累計約5億円の資金調達を発表しているHRTechスタートアップです。現在、新卒採用における書類選考から一次面接までのプロセス全てを生成AIで代替するAI面接官の開発をしています。
今回、AI面接官のプロダクト開発を担うメンバー倪(に)さんに入社インタビューを行いました。
VARIETAS入社のきっかけは創業時代のインターンへの参加から
——VARIETASにはどのようなきっかけで入社したのですか?
VARIETAS創業時からずっとVARIETASでインターンとして関わってきていて、テクノロジーを通してひとりひとりに機会を作っていく、そして社会や個人のFricion(軋轢や摩擦)をなくしていく、という思いにとても共感していました。
私自身、ずっと心の中で、影響力のある人になりたいという思いがあったのですが、自分の力だけでは社会に影響を与えるには限界があるので、テクノロジーの力で人の社会や生活を変えることをずっとやりたいと思っていたんです。
実際に1社目として、全方位的に人々の生活を支えられると思って日立にSEとして入社したのですが、やっていることが壮大な分、わたしがイメージしていた「社会を変える」スピードと少し乖離しているかも、という認識が生まれました。
日立での仕事も楽しかったのですが、もっと抜本的に社会を良くしていける会社でチャレンジしたい思いが強くなって、いろいろ考えた結果「VARIETASに戻るしかないな」と思いました。
人生における「機会」の重要性
——抜本的に社会を良くしていくために、どうして機会が大切だと思うのでしょうか?
今までの人生を振り返ってみて、私自身とても「機会」に恵まれていたんです。それって本当にありがたいことだなと思って。
Talent vs Luckという理論に「人生の成功は才能ではなく運であり、運はその幸運に遭遇するための”機会”をどれだけ得ることが出来たかによる」という示唆があるのですが、人の成功は、「その人にどれだけ機会が与えられているか」と「その機会をどれだけ掴みにいけるか」の両方が重要だとしたときに、自分はありがたいことにこれまでどっちも与えられていたなと思っています。
例えば、
中学でたまたま「社会創造科」という科目が入学した年から試験的に行われて、たまたまそれを推進していたのが自分の担任だった・・・その科目にどハマりしてそれがきっかけでマーケティングを専攻する
高校がたまたま「海外大学進学コース」というコースを入学した年に創設して、たまたま自分の担任がそのコースの推進をしていた・・・そこで初めて海外に行って視野が広がった
大学で交換留学したいなと思って留学センター行ったら、たまたま自分たちの大学が「Semester at Sea」というプログラムと提携していた・・・世界一周もできた
たまたま母がエンジニアやっていて、小さい頃から技術に触れてきていた・・・大学時代にコンピュータサイエンスを取ってみたら思いの外ハマって、文系SEという道もあるんだと気づけた
振り返った時に、確かに自分で選んできた道ではあるけど、偶然そういう環境があったから、自分は自分の好きな人生を選択できたし、その時々でちゃんと機会を活かせたからこそ、今の自分がいるって思っているんです。
そんな自分だからこそ、いかに「機会」があること、そしてその「機会」に出会えることが大事なのかを痛感しています。
——確かに、いろんな機会に出会っていますね。
そうですね、それこそ幼少期はずっと私が病気がちだったので、私が理由となって母親のキャリアを諦めさせたり、一時期不登校になったり、周りに田んぼしかない新潟の学校から膨大なお金がかかる海外大学進学を選択したりと、たくさん親には迷惑をかけましたが、、、
——なんでそんな機会にこだわっているんですか?
わたしはひとりひとりが「言い訳しなくていい人生」を歩めるような環境を作りたいんです。
私の母は中国人なのですが、私を産む前に日本に来ました。それゆえ、わたしが幼い頃から「外国人」として生きることの大変さを常に語っていました。外国人だから、という理由で、成績優秀だったのに単位を分けてくれない。卒業させてくれない。入社しても日本語が聞き取れないって言われて話すら聞いてくれない。おまけに娘はすぐ体調崩して、好きだった仕事も辞めなきゃいけない。
「外国人だから仕方ないよね」 「子供が病気だから仕方ないよね」 「社会って理不尽だよね」
こういう言葉をたくさん聞いてきました。そんな母を見て、言い訳しなきゃ生きてこれない社会って嫌だな、って思ったんです。わたし自身も外国人であることで差別を受けたり、病気がちで学校行けなかったり、新潟にいることでインターン参加できなかったりしてきました。
でも、今振り返ってみて、人生すごく楽しいんです。それってやっぱり辛いことを上回るほどの、かけがえのない出会いがあったり、「機会」に出会えたりしたからだと思っていて。
だからこそ、「〇〇だった”けど”、今楽しいんだよね〜」「〇〇があった”からこそ”、今の自分がいるんだよね〜」って、ひとりひとりが自分の人生に自信を持っている、言い訳する必要のない世界を作っていきたいんです。そのためには、「機会」が必要だと思っています。
——機会を重要視した今、今はVARIETASでAI面接官の開発に携わっているそうですね。
機会が得られる大きな場が就活だと自分は思っています。
環境要因(親や病気、生まれた場所とか)は変えづらいけど、これから何十年と続く社会人生活の第1歩目の選択は自分次第だし、むしろ自分で選択できる。だからこそ、その1歩目の選択は、環境のせいにしてほしくない、って思っています。
だからこそ、わたしはAI面接官に可能性があると思っています。
AI面接官で目指す新しい採用の形
——AI面接官の可能性ってどんなことを感じていますか?
AI面接官って平等なんです。
いい大学いったからとかいい会社行ったからとか関係ないし、見た目やイントネーションで判断されることもない。どんな場所にいても、誰であってもアクセスできる。そして、バイアスなく本当の”自分”をみてくれる。言語の壁だって越えてくれる。AI面接官が適切に自分のことを見てくれたら、配属ミスも会社のミスマッチングもなくなるだろうし、自分らしい人生を歩めたら、言い訳しない世界になっていくと思うんです。
——これからAI面接官でどういう世界を作っていきたいですか?
世界には機会が転がっているからこそ、どれくらいその機会に巡り会えるかは人間の力ではもう実現できない。だからこそ、AI面接官の可能性があると思っていて。
日本だけで約170万企業もある中で、どの企業に入るのか、もしかすると企業に入らないで海外行ったり、もう少し勉強したり、起業したり、いろんな選択があるかもしれない。その中で「機会」をつくることって大変だと思うんです。なぜなら、ひとりひとりにあった機会でないと、結局どこかで言い訳してしまうから。それをつくるのは地道で面倒くさいし、大変だからみんながやっていないことだと思います。でもそれをテクノロジーで解決できたら、すごくないですか。それがAI面接官でできたら“ファーストムーバー“になれると思っていて、すごくおもしろいと感じています。
今は国内の新卒採用をメインにやっていますが、AI面接官があれば、世界はもっと機会とのマッチングができるようになってくると思っています。例えば、AI面接官で、もしかしたら海外の人材を採用できるようになったり、海外に挑戦できるようになったり。お互いの国のAI面接官同士が人材を紹介し合える(例えば海外のAI面接官と日本のAI面接官がお互いの情報を共有しあってお互いにあう機会を提供してくれる)とかもできたらおもしろそうですね笑
AI面接官が当たり前の世界で国と国の垣根を超えて、ひとりひとりが出会える機会の数が増えるといいなと思います。
VARIETASらしさとは
——VARIETASの「推し」ポイントはどこですか?
圧倒的な変化感と、全員が世界を変えるって本気で思っているところですね。議論しながらもっとより良い方向へ!ってどんどん変わっていくし、すぐに組織の仕組みを変えられるアジャスト力は本当にすごいなと思っています。
それと、個人的には、経営陣がとても好きです。いつも真剣に全員の話を聞いて受け止めた上で、しっかりと説明責任を果たそうとしてくれる。それが「透明性」ということだと思うのですが、全員が真摯にメンバーと向き合ってくれる姿勢はとても良いなと思います。
——「変化」と「透明性」、大手企業とかにいるとなかなか味わえないことですね。
そうですね。だからこそ、VARIETASで働くって楽しいんですよね。
VARIETASはパーパスとして”Friction 0”を掲げていて、プロダクトビジョンとして”End 3M(ムリ・ムダ・ムラ) in Recruiting”を掲げている中で、創業当初から、変わらないことがあるんです。それは、世界をそうしたいのであれば、まず自分たち、社内もそういう状態であるべきだよね、ということ。だから、社内のひとつひとつのリソースが全てそのパーパスとプロダクトビジョンに紐づいて行われています。例えば、全部の会議録画がオープンになってたり、経営会議の資料もオープンになってたり、カレンダーも全てオープンになってたり。本当にムリ・ムダ・ムラがないなーって毎回思っています。
そういう意味で言うと、「機会」もたくさんありますね。全部のリソースがオープンになっているからこそ、いろんな経営レイヤーの情報も踏まえた意思決定ができます。ひとりひとりが会社を創り上げている一員としている、と感じられるのがすごいいいなと思います。
それに、やりたいことがあるならいつでも提案し放題だし、手上げ放題。それでいうと、創業初期の頃、作ったこともないのにサイト作ってみたい!って言ったことがあって、未経験者なのに会社サイトをつくらせてもらったこともありました。
ひとりひとりが挑戦するための環境があって、一緒に頑張ってくれるメンバーがいる。そこがステキだなと思うし、そういうVARIETASだからこそ、本当に社会を変えると信じています。
——今後、VARIETASで成し遂げたいことはなんですか。
VARIETASがパーパスに向かい続ける限り、自分が一番バリューを発揮できる場所でなんでもやっていきたいと思っています。「最強の何でも屋」になりたいって思っていて笑。スタートアップのダイナミクスを感じつつ、社会の課題にアプローチできる環境は他にはないと思うので、そういう場所で働けている今が本当に幸せなんです。
わたしはVARIETASの「変化」と「透明性」を徹底するカルチャーが大好きで、自分自身が一番それを体現する存在でいたいと思っているので、これから会社や事業が変化しても、それだけは変わらずに守っていきたいですね。