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猫の話 回帰

今日はとても寒い。猫が好きだった場所に座ってみる。あいつが何を見てたんだろうと考える。日があたってる。

寿命をまっとうした猫。飼い主としての役目を終えた俺。あの時こうしてればと変わってたのかとまた考える。
写真をみて悲しくなる。暖かい家を用意できていたのか、落ち度はなんだったのか探す。何をしても味気なくつまらない。

何かしないとと音楽制作の環境を整え始めた。アンプに毛が残っているがそのままにしておいた。
色んなものに毛が付着している。
伝えるか迷ったが、夜中に元彼女に息を引き取ったことを連絡した。まだ若いのにごめん、大事にできなかったと謝った。読んでるかは知らない。ヘルプと言えたなら、という曲良かったな。

整理していく度に付随した当時の思い出が蘇る。
円を拾った高円寺に近いうちに行こうと思う。骨を持って。高円寺という寺の近くで拾ったので、そこの寺で納骨したい気持ちはあるがやってるかは知らない。

獣医から猫エイズ陽性だと告げられた時ショックだった。ストレスをかけなければ発症せずにまっとうすることも多いと聞いていた。それからはそれが目標だった。

コートの中に円をいれて獣医に通ったりしたな。時々外の様子を覗いたり、あいつおしっこ漏らしたりして。
大事にしてたつもりだった。ごめんね。

高港基資という漫画家の作品で、猫ヶ原というタイトルの飼い主が死んだ後、飼っていた猫を探し、また会えるという話がちらつく。

莫大な治療費を賄うためにNFTを始めた。お前を原動力にどんどん表現の幅、密度、理解が深まった。苦手だったことも克服して、新しいことに挑戦する姿勢、負けても折れずすぐ立ち直るメンタルを身につけられた。だけどもうどうでもよくなっちゃった。わかってはいるけど。それだけ大事に思ってたんだよ。もっと一緒にいたかった。

わかってはいるからそろそろ俺も社会に復帰しなきゃならない。円のことだけを考えてられる時間も少なくなる。また悲しくなるね。

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