G1 GAME CENTER GRAND PRIX 振り返り
はじめに
2023年9月17日に小倉で行われたG1 GAME CENTER GRAND PRIX(GGG)の振り返りnoteです.覚えている限りで大会へのエントリーから大会当日までにやったことをまとめていきます.
谷口杯とGGG
谷口杯って?
→福岡県北九州市小倉のあるあるCity(G-stage小倉があるポップカルチャー系複合施設)で行われている大会
→ゲーセンの一角ではなく,あるあるCityの地下のライブハウスで行う大会なので空気感がすごい
→最初は交流会に近い大会だったらしい(谷口杯歴史資料館,求む)
G1 GAME CENTER GRAND PRIX(GGG)って?
→前回の谷口杯終了後に発表されたBPL形式の大会
→BPLには出られないけど音ゲーが好きなゲームセンターの協力で開催
→G1の名を冠したガチ大会(これまでの谷口杯のレベルも相当高いですが…)
→詳しくは主催のnoteで
自己紹介
普段,VAN3という名前でbeatmania IIDXをプレーしています.今年2023年から大会に出場するようになり,個人戦のオンライン谷口杯,R1頂上決戦2023や谷口杯(第2回 G3 谷口2歳ステークス)に出場しました.
今作でレベル12の全譜面AAAを達成し,PEAK,CHARGE,SCRATCHを主な得意領域としています.
ドラフトまで
エントリーまで
G3 谷口2歳ステークスで谷口杯の楽しさを知ってしまったので,GGGの開催を見た瞬間エントリーしようと思いました.一方で,R1頂上決戦,谷口杯と短いスパンで大会に出続けていたこと,SCRATCHのRESIDENTを目標とする単曲粘着していたことなどからモチベーションを保てるか不安でした.
しかし,この大会を逃してしまうと,次の大会開催がいつになるか不明瞭なのでエントリーしました(IIDXのバージョン更新でARENAやBPL BATTLE MODEが使えなくなる可能性が高いため).
ドラフト
ドラフトは数日にかけてX(Twitter)上で行われました.前回は配信で1-2時間で済んでいた印象があったため,待ち時間が長い今回は前回よりもドキドキしながら待っていました.
自分の出番はTEMIKOさんの単独指名およびK-JETさんの4チーム競合指名からの抽選が終了した後の2回目の1巡目指名でした.
嬉しさと驚きが同時に押し寄せてました.このような大きな期待を持っていただいていることをたいへん光栄に思います.
HALさん,O.N.Oさん,YAMADAさんありがとうございます!
抽選の結果……
自分はADXマミーの所属となりました!
改めて,獲得してくださったHALさんありがとうございます!
そして,この後のドラフトの結果,チームADXマミーは以下のようなチームになりました.
監督であるHALさんはBPLの経験があり,トリルや皿譜面を得意とする言わずと知れた実力者です.実は自分と得意領域が近い.
2巡目に指名されたDVDBOX選手は奇しくも直近の谷口杯でチーム最初で最後の晩餐会として共に戦った仲間で,私が苦手とする中速系の精度がヤバいプレーヤーです.VANBOXコンビ,サザンガルド並の相性補完です.
3巡目に指名されたMR2N選手は直近の谷口杯DP部門で優勝,以前の谷口杯でもトッププレイヤーに次戦を通す強さを持つ実力者です.プレー回数や譜面対する知識が豊富で,たいへんお世話になりました.
練習期間
テーマが決まってから
気になるテーマは……
大将戦にSCRATCHもCHARGEも無い! PEAKすら無い!
SOF-LAN多い! TREND多い!
いま見てもとんでもないジャンル運ですね….
チーム会議の結果,自分はvs. ファンタジスタの大将戦TREND,vs. サイドセブン中堅戦TREND,vs. G-stageの大将戦TRENDに出場,つまり,TREND専任となりました.
SOF-LANを全て受け持ってくれたHAL監督には感謝で頭が上がりません.
チームのオーダーも決まり,相手のオーダーを予想しつつ課題曲の練習を始めました.自身の予想としては,vs. ファンタジスタの大将戦TRENDではTさんが出てくると考えていたので,
・デモーニッシュ†
・Super Freak
・Bad Encryption
といった高速曲を中心に練習していました.特にデモーニッシュ†は曲も譜面も好きなので自選の本命でした.
vs. サイドセブンの中堅選TRENDでは”YAMADA監督以外”程度の予想しかついていませんでした.ですが,直近の谷口杯で対戦して自選のSeraphを通されたKIRISYさんがいらっしゃったので,最初にSeraphを対策しました.
次選の候補としてはSCRATCH譜面でもあり,谷口杯に縁のあるアーティストであるBlacklolitaさんのEXODUS SIGNを投げたいと考えていました.
vs. G-stageの大将戦TRENDでは予想はついていませんでしたが,誰が来ても勝つ自信のあるPeaktime Boosterを考えていました.ただ,予選を勝ち抜いた場合,決勝にも大将戦がTRENDだったので,対戦相手次第では別の曲を選ぶことも考えていました.
ちなみにLevel 4も候補ではありましたが,癖が付いて3400点すら安定しないことがあったので,自選から除外していました.自分のホームゲーセンのLMが初期ロット(たぶん)で,本番で使う筐体は最近出荷されたLMであることから,本番で皿の感覚を掴めない場合のリスクを考慮した上でもあります.
オーダー発表
後日,対戦相手は以下のように決まりました.
・vs. ファンタジスタ 大将戦TREND→CXFさん
・vs. サイドセブン 中堅戦TREND→TIHAYAさん
・vs. G-stage 大将戦TREND→TEMIKOさん
1〜3巡目指名と一人ずつ対戦する形となりました.
ファンタジスタの大将戦がCXFさんであることには驚きました.CXFさんが物量系に強いということもあり,自選を考え直すことになりました.
また,対戦相手が決まる直前にTIHAYAさんが話しているXのスペースを聞いていたところ,対戦をほのめかすようなことを言われたのですが,ブラフだと思ってました.オーダー発表後は↓のように,ほぼ毎日スコアをストーキングされていました(このときDJ NAMEをVANBOXにしていました).
G-stageのTEMIKOさんには鍵盤力では絶対に勝てないので,オーダーが発表されると同時にPeaktime Booster以外はない,と思っていました.ストラテジーカードを投げられたらどうしようもありません.考えることが少ないので,一番楽に自選を決めることができました.
キツーい練習
前回の谷口杯では先鋒戦CHORDという課題曲の多いジャンルも受け持っていたため,たくさんの曲を少しの回数プレーするという練習がメインでした.一方で,今回はレベル11と12のTRENDという曲数の少ないジャンルのみに出場することになったので,全譜面の対策ができてしまう状態にありました.
すると,単曲粘着に近い練習になってしまい,スコアが伸びない,固定オプションでもスコアを安定させられない,癖がつくというシーンが増えてネガティブな気持ちでゲーセンを後にすることも少なくありませんでした.
以下,対策に非常に苦労した曲達(太字は特に).
・KING:曲が長い
・いつかオトナになれるといいね。:曲が長い
・THE SHINING POLARIS(kors k mix):ノーツ多くて疲れる
・マツケンサンバⅡ:癖がつきやすい
・Beyond Evolution:難しい
・Burning Flame†:難しい
・Elektrick U-Phoria†:難しい
・LOUDER ROLLING THUNDER:難しい
・The Limbo†:難しい
・龍王の霊廟†:曲は良いのに……
大会直前
あるあるCityは本当にある?
自分は広島に住んでいるため,小倉までは新幹線で50分程度で行くことができます.新幹線は自由席で切符を買ったので,時間は気にせずしっかり睡眠をとってから出発しました.
ホテルは駅から少し離れていたので,小倉駅からあるあるCityのG-stage小倉に向かいました.あるあるCityあるあるを言うのを忘れてしまい,非常に後悔しています.あるあるCityはありますか?
G-stage小倉で他の参加者に挨拶しつつ本番で使う筐体でプレーしました.大会に向けてメンテしているだけあって鍵盤は重いですが,最近のLMの皿は回しやすいですね.
他の人のプレーを眺めてるとファンタジスタのメンバー(53SAMAさん,CXFさん,O.N.Oさん)がMENDESの粘着を始めてて驚きました.その後自分も触発されて8分のPFREEで粘着しました.本番直前にやること?
ホテルのチェックインを終えた後にADXマミーのチームメンバーと合流しました.このときにADXマミーのグッズを頂けてテンション上がりました.
提供いただいたADXマミー様,デザインされた鍋村しずく様(@mochishizu),ぼこすけ様(@bokosuke0824),みたに@様(m_iidx),櫻井環様(@tamakiStudio)に感謝申し上げます.
夜はADXマミーのメンバーを含めた数名でポテトサラダを食べました.前回の谷口杯の唯一の心残りだったので,無事消化できて安堵しました.このポテトサラダ,あのK-JETさんに”負けた”と言わせるほどの逸品です.
ドジっ子
3連休で宿代が高くなっていたため,今回はビジネスホテルではなくネットカフェとホテルが一緒になったような宿泊施設に泊まりました.泊まった部屋は↓の写真とほぼ同じで,ベッドが少し高い位置にあります.
筐体が地下スタジオに運ばれ最終調整を終えてさあ明日に備えて寝よう,というとき.ベッドで”推しの子”を読んでいた私は”漫画を返却しておこう”と思い段差を伝ってベッドから降ります.段差を伝うのが面倒だったので,一段飛ばしで地面に着地しようとします.そのとき,私は左足の薬指が曲がった状態で着地してしまいました(なんで?).
その結果,私は左足の薬指を負傷しました.歩くと痛みましたが,立っているだけなら問題なかったため,大会に影響が無かったことだけは不幸中の幸いでした.自分が運動神経の無いドジっ子であることを自覚し,慎重な生活を心がけます.
大会当日
ホテルから小倉駅まで車で送ってくれる神サービスを利用して小倉駅に移動,会場入りしました.体調は可もなく不可もなくといった感じだったと思います.会場には既に選手が集まってウォーミングアップを始めており,自分もそれに混ざってアップを始めました.調子は普通くらいで,緊張を加味すると上々といった感じでした.
待機時間中には選手に配られる名札を盛ってました.大会に出るとこういった名札が集まってきて嬉しい気持ちになります.今回はより豪華な名札になりました!
入場
今大会の入場は力が入っていました.一人ひとりに前口上,入場曲などめちゃくちゃ凝ってて驚きました.ちなみに自分の入場曲はRitual of Anubisでした.アリーナでよく投げる曲も譜面も好きな曲です(最初はbeatmaniaの曲,という制約を見逃していてギタドラのmemento mori -intro-のつもりでした).
第4試合 vs. ファンタジスタ
ADXマミーにとっての初戦.
予選突破を目指す上で必ず勝っておきたい試合でした.戦略としては非常にシンプルで,中堅戦終了時に先行していなければストラテジーカードを切って大将戦で2タテして勝利するというものでした.
実際のところ,先鋒戦でMR2Nさんが2タテし,中堅戦でDVDBOXさんが自選を取ったことで大将戦で自分が自選を取れば勝てるという理想的な状況でした.
第4試合 vs. ファンタジスタ CXF 大将戦TREND
CXF:龍王の霊廟(Mausoleum Of The Primal Dragon)†
VAN3:kors k's How to make OTOGE CORE「LONG」
結果→お互い自選を取り合う
まず他選の龍王の霊廟†について.当然の結果です.一番練習しましたが,一番苦手なこの曲はどうにもなりませんでした.ガチ押し,中速の練習します.
次に自選の音ゲコアLONGについて.Level 4やPeaktime Boosterという皿曲の選択肢があるので,意外に思われた方もいると思います.選曲理由としては
・正規でスコアが安定している
・様々なフレーズで構成されているので,曲への理解力が求められる
といった点が挙げられます.
他選は取れませんでしたが,チームの勝利に貢献できて一安心できました.
第6試合 vs. サイドセブン
1勝1敗で迎えるチームにとっての3試合目.
戦略としてはファンタジスタ戦と同様に中堅戦までで先行して大将戦で自選を確保して勝利というものでした.しかし,この試合では大将戦がSOF-LANで今大会でも屈指の実力を誇るYAMADAさんが対戦相手であったため,引き分けできれば御の字,という見解でした.
先鋒戦ではDVDBOXさんが自選を取り合って,イーブンな状態で中堅戦に回ってきました.自分としては,ここで2タテして大将戦に繋ぎたい場面です.
第6試合 vs. サイドセブン TIHAYA 中堅戦TREND
TIHAYA:Shadow World
VAN3:Hydrogen Blueback†
結果→お互い自選を取り合う
まず,他選のShadow Worldについて.TIHAYAさんが得意としていることは把握していましたが,自己ベストが同点だったので,マツケンサンバⅡやKINGといったTIHAYAさんが自己ベストで勝っている曲を選ぶと思っていました.自分の出来としては”悪くはない”程度だったので,一発勝負で高いスコアを出すTIHAYAさんに脱帽です.
次に,自選のHydrogen Blueback†について.元々EXODUS SIGNを投げるつもりでしたが,Hydrogen Blueback†やVOLCANIC BIGBEATの方が自己ベストで大きく勝っていたので,どんなに調子が悪くてもTIHAYAさんの自己ベストを下回らなかったHydrogen Blueback†を選曲しました.本番でも1回ミスはありましたが,自己ベストに近いスコアを出せたので,上出来だと思います.
ただ,自選こそ取れたものの他選を取れなかったため,大将戦で自選を確保して勝利という形で大将戦に繋げなかったことは非常に悔しいです.この試合は大将戦でストラテジーカードを切られ,2タテをされてしまったため負けてしまいました.
第10試合 vs. G-stage
1勝2敗で迎えるマミーの,また予選全体の最終試合です.
実はこの時点で決勝進出はサイドセブンとテクノワールドに(おそらく)決定していたのですが,勝ち方によってはワンチャンあるかも?くらいの気持ちでいました.
この試合では,先鋒戦でMR2Nさん,中堅戦でHALさんが連続で2タテを決めて大将戦に繋げてもらいました,神.
第10試合 vs. G-stage TEMIKO 大将戦TREND
VAN3:Peaktime Booster
TEMIKO:The Limbo†→Super Freak
結果→お互い自選を取り合う
まず,自選のPeaktime Boosterについて.今大会の出場者の中で一番上手い自信がある曲です.本番の出来としては3200点という目標は達成できなかったけど勝ったのでOK,といった感じです.
次に他選について.The Limbo†に苦手意識はありませんが,TEMIKOさんが上手すぎて勝ち目がありません.自分が対戦相手じゃなかったら是非そのプレーを見たかったです.
ストラテジーで再抽選された曲はSuper Freak.正規で安定させられ,初戦で自選候補にもあった曲なので,自分としてはかなり当たりの部類です.結果として負けましたが,自己ベスト-2(大会前のTEMIKOさんの自己ベストより1点高い)だったので良いプレーは出来たと思います.本番で自己ベストを28点更新するTEMIKOさんが化け物です.
結果として,ADXマミーはこの試合に勝利し,予選を2勝2敗の3位で終えました.
余談ですが,この試合で負けたショックと,打ち上げでTEMIKOさんが思ったより若いことの驚きから,同じ年齢のO.N.Oさんに”俺らもう若手じゃない”みたいなことを言ったら後日O.N.Oさんが寝込みました.リプ欄を見ると錚々たるメンツもダメージを受けてました.ごめんなさい.
まとめ
反省点
今大会のVAN3の戦績は3試合中3分け,6曲中3勝3敗となりました.自選を必ず守るという最低限の仕事はこなせていますが,1巡目指名の選手としては働きが圧倒的に不足していると感じています.
以前から,自分が強い武器を持っている一方で,明らかな弱点が存在するプレーヤーであることを自覚していましたが,今大会では,それを改めて感じさせられました.真にオールラウンダーとなるべく,これからも精進します.
良かった点
プレーにおける良かった点は自選のスコアを安定させられた点です.音ゲコアLONGは自己ベスト-17,Hydrogen†は自己ベスト-10などと納得のプレーを見せることができました(ピクタイは自己ベスト-75でちょっと低かったけど).今回の自選はどれも”自分はこれが得意だ”と自己紹介するような楽曲で,そういった曲で良いプレーを残せて非常に満足しています.
また,今大会に向けた練習をする中で,思うようにスコアが伸びず,”もう大会に出たく無い”,”もうビートマニアやりたくない”と思うことが何回もありました(1日休むと結局復活しますが).しかし,対戦相手の方と感想戦をしたり,練習のキツさを共有したり交流する中で,”また大会に出たい”,”大会に出て良かった”と思うことができました.自分と対戦していただいたCXFさん,TIHAYAさん,TEMIKOさん本当にありがとうございました.また,大会というこのような場を設けていただいた運営の方々,協力いただいたゲームセンターの方々にも改めて感謝申し上げます.
最後に
G1の名を冠するに相応しい大会のクオリティと選手のレベルの高さだったと思います.谷口杯そしてG1 GAME CENTER GRAND PRIXには素晴らしくて格好良いプレイヤーがたくさんいます.私は昨年の谷口杯を現地で観戦して以来,小倉で行われる大会が本当に好きで,自分が出られる大会にはエントリーし続けています.このnoteを通じてそんな素敵な谷口杯の魅力が少しでも伝われば幸いです.
また,大会を通してゲームセンターの利益に少しでも貢献ができたのであれば,それ以上に嬉しいことはありません.
私はまだ成長します.これからもVAN3をよろしくお願いします.
謝辞
今回看板を背負わせていただいたADXマミー様へ
素晴らしいグッズを頂いたにも関わらず,大会に集中しすぎてグッズやキャンペーンの宣伝をほとんど出来ませんでした.中四国のプレイヤーにマミーをしっかり布教しておきます.
いつか必ず店舗の方に遊びに行かせていただきます!
チームメンバーへ
勝つための戦略,楽曲への対策,プレーへのアドバイスなどあらゆる面で自分は支えてもらうばかりでした.次に会うときは対戦相手かもしれませんが,全力で戦い合いましょう!
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