弟はただ眠っているだけ
12半ば、転院の日。
東京で生活していた弟は、実家のある静岡に転院してきた。
まず、介護タクシーで東京駅まで行き、東京駅から新幹線に乗る。
車椅子でタクシーに乗せられた弟、もし体が曲がったらまっすぐに直してと言う。わかったよ。なんて言いながら東京駅に着く。ところが、問題発生。のどが渇いたと弟。ゼリーの入ったドリンクが必要だけど、買っとけばよかったのに買ってない。もう、新幹線の改札入っちゃったのに。取り敢えず、日本語のわからない私の旦那におつかいたのむ。が、ダメ、ない。もう時間ないし、がまんさせるしかなかった。弟よ、ごめん。
旦那がおつかい、母はトイレに行った間、弟が私に、姉ちゃん病気になってごめん。私、なんにも言えなかった。私のほうこそなんにもしてあげられなくてごめんね。って言っとけばよかった。
さて、新幹線だが、ベッドがついた小さい部屋があるんだね。介護タクシーもはじめてだが、新幹線のそんな部屋もはじめてだ。車椅子からベッドに移すときは、旦那の出番。介護タクシーのときは、タクシーの運転手が移動させてくれた。JRの人はしてくれません。旦那に来てもらってよかった。でも旦那もはじめてで、少し時間かかったかな?
静岡駅から病院までまた介護タクシー。運転手に弟の水買って来たいからと少し待たせて、母に水を持たせる。このタクシーは弟とあと2人しか乗れないから、旦那と私は別のタクシーでおっかけることにした。
やっと病院着いたよ。大変な道のりだった。あとから聞いたけど、タクシーの中で水美味しそうに飲んでたって。ごめんね、気がきかなくて。
また、病院の説明とか書類とかいろいろあってすっごく時間がかかったことを覚えてる。この病院で5ヵ月かー。そのあとせめて自分でトイレとごはん食べれるようになればいいんだけどね。
次回に続く