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ニキビ治療の最後の砦「イソトレチノイン」の服用が終了した話 | ちょっと共有したい話

ニキビ治療の最後の砦といわれる治療法で劇的に生活が変わったので、治療について書き残しておこうと思います。
体験したことをありのまま伝えられればと思いますので、少しでも参考になれば幸いです。


1. これまでのニキビとの付き合い

中学生の頃から、顔のニキビに悩まされていました。
気がついたら10年以上の付き合いで、その間は常に皮膚科に通っているような状態でした。
保険適用の治療は一般的なものはすべて網羅するくらい経験し(保険適用で検索してでてくる薬はすべて使用したことがあるくらいです)、
化粧品も何種類も変えてみたり、少しお金をかけて美容皮膚科で外側から治療してみたり。
日々の生活では、乳製品や小麦粉を絶ってみたり、高額なクレンジングオイルや洗顔フォームを使用してみたり、睡眠時間を増やしたり。
とにかく調べて肌によいとされることは色々試しましたが、一時的にはよくなるものの、すぐに元通りになってしまう状態を繰り返していました。
結果的に、"ニキビが一つもない"という期間はごく僅かで、状態がいいときでも最低1-2個はニキビがある状態で生活していました。

2. イソトレチノイン服用に踏み切ったきっかけ

ある日、仕事が忙しく何も口にしていなかったとき、夜にその日一食目の食事を摂りました。
そして次の日に目が覚めると、顎に20個程のニキビができていました(ほとんど白ニキビで、潰れて膿が出ているものもありました)。

ニキビは常にある状態でしたが、ここまでのことは初めてで、すぐに皮膚科に行きました。
処方されたのは見慣れたよくあるニキビ治療薬と抗生物質のみで、
診察では「よく寝てください」「3食しっかり栄養のあるものを食べてください」と言われました(これほどの数が急出現したことは初めてだったので、食べ物のアレルギーのような反応なのか?とも思い確認しましたが、それはないと思うと先生に言われました)。

診察で先生とお話しした結果保険治療では限界があり、普段の生活習慣を変えてみては?と。
治療でよくなることは難しいと感じました。
生活習慣を変える必要があるのは理解していましたが、仕事がある以上中々難しく、
また社会人になる前からもニキビは途切れずできていたので、生活習慣だけの話ではないとも感じていました。

コロナも落ち着きつつある中で、マスクを外せるようになるのに、私はこのままでは外すことができないと途方に暮れていましたが、
ここで諦めたくないと、存在は知っていたものの高額で躊躇していた『イソトレチノイン』での治療に踏み切ることにしました。

3. イソトレチノインについて

イソトレチノインは、日本でこそ認可されていない薬ですが、
海外では、難治性ニキビで推奨されているものです。

イソトレチノインとは
イソトレチノインはビタミンA誘導体の一種で、難治性ニキビに対して効果が期待できます。

レチノイドに属する薬で、皮脂分泌や細胞の角化を抑えて毛穴のつまりを改善に導きます。
またニキビの原因のひとつとされるアクネ菌に対する抗炎症作用もあり、重症のニキビを減少させ、新たなニキビが生じにくい肌環境を作ります。

欧米ではロアキュタン、アキュテイン、アクネトレントなどの商品名で販売されています。
日本では認可されていませんが、海外では重症ニキビに対して有効とされ、国際的なガイドラインでは第一選択薬として知られています。

渋谷駅前おおしま皮膚科HP https://shibuya-hifuka.jp/wppage/column/isotretinoin-2/ より引用

日本で認可されない理由として、重大な副作用で流産や胎児奇形があることがあげられます。
副作用はほかにもあり、皮膚の乾燥や頭痛、発疹、鼻出血、うつ病、自殺企図などがあります(処方前に、これらの副作用が起こる可能性があることに同意する同意書に記入が必要でした)。

また、治療費が高いことも特徴です(日本で認可されていない薬のため、完全自費治療となります)。

副作用や費用の点でいままで服用を躊躇していましたが、いまのひどい肌の状態をみて、藁にもすがる思いで服用を決めました。

4. 服用レポート

服用にあたっては、皮膚科で月一回の診察と血液検査を行っていました(半年間通っていました)。
ここからは、服用期間の様子を具体的に記載します。
※服用時期や服用量もかなり影響するので、情報を記載しておきます

1ヶ月目(7月 服用量:40mg/日)

少し唇の乾燥が気になる程度。梅雨の時期ということもあり肌の乾燥はあまり感じられず。
ニキビは大幅には増えないが、今までの変わらず現状維持の状態。
鼻と顎の毛穴が開き角栓が押し出されていて凹凸が目立つ。ファンデーションでも隠せないほど。

2ヶ月目(8月 服用量:40mg/日)

唇の乾燥がひどい。毎日口角炎。高保湿のリップでも対応できず、ワセリンで対応。唇の皮が絶えず剥けるので、10分に1回の高保湿リップと、最低1時間に1回はワセリンも上から塗る。
鼻と顎の毛穴開きと角栓は相変わらずで凹凸がかなり目立つ状態。
ドライアイがかなりひどく、目薬をかなりの頻度で使用しないとコンタクトが霞む。
ニキビが悪化し、頬にはかなりの数のニキビが。いままであまりニキビができなかった生え際や額にもニキビができるように。
※一時的にニキビが悪化する可能性があることは皮膚科で説明を受けていたので、あまり動揺はしなかったです

3ヶ月目(9月 服用量:60mg/日)

唇の乾燥は相変わらず。皮がむけて見栄えが悪いので口紅やグロスの使用はこのじきから辞めた。
鼻と顎の毛穴から角栓がなくなった。毛穴は開いたままだがファンデーションで隠れるレベルに。
ドライアイも相変わらず。目薬の減りが早い。
悪化したニキビが徐々に落ち着いてきた。新規ニキビもあまりできず。
いつも以上にのどが渇く(体全体が乾燥しているような感覚)。
夏なのに皮脂が出ず、夜まで髪がサラサラ。前髪崩れ知らず。
顔がすぐ赤くなる(赤ら顔の症状)。

4ヶ月目(10月 服用量:60mg/日)

唇の乾燥とドライアイは相変わらず。皮脂フリーも継続。赤ら顔も引き続き。
手の乾燥がひどくなり、ハンドクリームを塗っても目に見えて皮が剥けている。
いままであったニキビは治り、新規ニキビもほぼなし。できても毛穴くらいの小さなもので、1日で消滅する。
頭痛の頻度が増える(もとから偏頭痛持ちではあります)。

5ヶ月目(11月 服用量:60mg/日)

唇の乾燥とドライアイと手の乾燥は悪化(秋になり湿気がなくなったからかも)。皮脂フリーは継続。
ニキビフリー。新規ニキビもできない。感動。ファンデーションノリが良い。
頭痛は継続。
血液検査でコレステロール値が少し高くなる。

6ヶ月目(12月 服用量:60mg/日)

季節柄の乾燥も相まって、唇と手の乾燥とドライアイがかなり悪化。
皮脂フリーはもちろん継続。快適。
夢のようなニキビフリー生活。UV下地とパウダーファンデーションだけでかなり綺麗にみえる肌に。
そして、、、、、服用終了!長かった。

5. 服用を終えて

結論として『服用して本当によかった!!!!!』です。
服用を終えたあとの現在も、ニキビフリー生活を継続しています。
そしてなぜか顔がトーンアップしました。これは嬉しい誤算。

ニキビフリー生活は小学生ぶりくらいなので、日々驚きながら生活しています(ニキビがある生活のほうが長かったので)。

服用量は、女性にしては多いほうのようでした。そのため、副作用もしっかりでました。正直、服用期間はかなりつらかったです。
唇の乾燥で口角炎を発症している期間は食事がつらく、箸で食べ物を細かくしないと口に入れられないほどでした。
唇や手は他人から見ても明らかなほど乾燥していたので、人に見られるのが恥ずかしく、
近い距離でマスクをせずに人といることになる外食は、かなり回数を減らしてました。

そんなイソトレチノイン生活でしたが、服用を終えた今は副作用はなくなり、
服用前と同じ状態に戻りましたのでご安心ください(毛穴の角栓は戻らずゼロのままです、嬉しい!)。

最後に、治療にかかった費用ですが…

40mg/日の期間:約32,000円×2か月
60mg/日の期間:約46,000円×4か月

total = 248,000円(税抜)
※この他にも保湿にかかわるリップクリームや目薬、化粧品は今までよりグレードを上げたものを使用していたので、その費用を含めると+数万円は発生していたと思います

かなり費用はかかりましたが、劇的な効果をみて納得の金額です(今まで十数年間の試行錯誤でかかった費用は無駄だったなと思いました)。

個人差があるので一概には言えませんが、私は服用してよかったです。
長くなりましたが、体験レポートとしてイソトレチノイン治療を検討されている方の参考になれば幸いです。



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