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(48)リュウのこだわり
リュウは物を大事にする。
発達障害あるあるかもしれないが、リュウは自分が買った物を大事にし過ぎる。
その結果、送られてきた荷物は段ボールのまま部屋に収納されている。
大切なものほど未開封。
もうその時点でKing GnuのライブTを寝巻きで着ている母とはわかりあえない。
リュウの部屋がいよいよ段ボールに埋め尽くされてきた。ダンボール(大切な物)の上にダンボール(大切な物)を積み上げることはしないので床一面に段ボール。歩行不能。
テトリスみたいに揃ったら1列消えるとかはない。
そしてついにダンボールはベッドの上をも侵略し、リュウは荷物に部屋を追い出された。
追い出されたリュウは、仏間のとなりにある四畳半の和室にパソコンを持って移動した。
その昔は茶室として使われていたが、その後お義母さんの寝室になり、お義母さん亡き後は夫婦の寝室になり、夫婦が離れに移動してからは空き部屋になっていた。
床の間には金メッキの茶釜が飾ってあり、くすんだ掛け軸が吊るされている。西の部屋のなので日中は暗く夕方は西陽が強い。破れかけた障子は直されることもなく放置されている。
四畳半の和室に段ボールを侵食させないことを約束して、そこがリュウの寝室になった。
それから3年。ついにリュウは立ち上がった。
「俺、自分の部屋を片付ける」
当たり前のことにやっと気がついた。
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