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(25)発達障害の息子たちと歯医者さん
今回はタイトルのまま、まず漫画から…
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小学生の間は、とにかく3ヶ月おきに通院し、虫歯がひどくなる前に治療をするというサイクルで通院していました。しかしその後、リュウが中学校不登校になり自宅でも暴れるようになった頃からは歯医者どころではなくなりました。髪も切らず身だしなみも気にしなくなったリュウは、歯磨きも疎かになっていきました。不衛生な毎日でリュウの歯が虫歯だらけになっていることは想像に難くない。
歯が痛くて痛み止めを何度か買いに行かされたが、このまま放置していたら全部歯が抜けてなくなってしまうという恐怖に襲われたのは私の方だった。
リュウは嫌がったが、歯医者に行くことを私から懇願した。すでに自分の息子の前歯が虫歯で黒いのだ。そんな辛いことがあるだろうか。しかし、リュウは通院にあたって「歯の神経を抜かない」という条件を出してきた。
ネットで歯科治療について調べたのだろう。神経をすぐ抜くのは悪徳歯医者ぐらいに思っていたかもしれない。しかしリュウの口内がどういう状態なのか全くわからなかったので、返事のしようがなかった。とにかく検診をしてもらって治療計画をたててもらうことにした。人と話すことを極端に嫌がるリュウだったので、治療以外の対応は全て私がやった。治療の説明もリュウは聞くことをいやがり私が聞いた。主治医にも「コミュニケーションがとれないので会話が一方的になる」ことと「神経を絶対に抜かない」が本人の希望だと伝えた。おそらく担当医はリュウの歯を見ただけで、どんな生活を送っているかは察したと思う。そしてコミュ障に関しても理解があった。
「治療中の確認はできるだけ丁寧にゆっくりします。彼の嫌がることは絶対にしません。ただ、リュウくんみたいな子は我慢するんですよ、どんなに痛くても言えなくて逆に我慢しすぎることがあります。そこも察知できるように気をつけます。」
と言われた。私は治療が始まる前からこの若い担当医に絶大な信頼をおいた。しかし、リュウの虫歯は思いのほか深刻で根管治療が必要と説明を聞いた。そこで担当医は「神経を抜く」はNGワードにし「根っこの掃除」という説明でリュウの根管治療を進めることの了解を私に求めた。もちろん了解した。その後、リュウは休み休み、またある時はドタキャンしながら治療に通った。
担当医は「大丈夫?がんばれる?」と治療中はこまめにリュウに確認をとりながら、1年かけてリュウの歯を綺麗にしてくれた。担当医の彼は、リュウの治療が終わった時、3月に今の歯科医院から独立し自宅で開業すると話してくれた。しかしそこは名古屋市内で、先生を追いかけて通うには我が家からあまりにも遠かった。先生の苗字からインターネットで名古屋の歯医者を検索したら5月オープンで素敵なホームページも完成していた。
リュウに担当医が歯医者を辞めることを話して様子を伺ったが、通院して1年経ったリュウは歯磨きも丁寧にできるようになっていて、治療への抵抗感もなくなっていた。担当医が変わっても大丈夫だと言った。リュウの面倒をみてくれた先生には本当に本当に今でも感謝している。
リュウのように引きこもりの病院嫌いは、風邪や腹痛はほとんど市販薬と自然治癒力で治してしまうが、虫歯の自然治癒はないので歯医者に行くしかない。しかし、発達障害や精神疾患で治療に踏み出せない人はとても多い。その後知ったのですが、単科の精神病院でも歯科が併設されているところが結構あって、さもありなんと膝をたたきました。リュウを通して発達障害や精神疾患における歯科診療の難しさは本当に痛感しました。
そこまでは、十分わかっていたつもりですがここにきてケン(25歳)が歯医者でつまずいた。
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