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四六時中 椅子取りゲーム状態 日本の小学校にはない「場所と物は先に取った者勝ち」という学び【コラム#3】

この記事は、子連れカナダのお役立ち情報というよりは個人的な意見です。

さりげなくエレガントに好みの場所と良い物を確保する技術が徹底的に身に着くカナダ


欧米の小学校って、低学年のうちは

自分の机と椅子がない

出典:ウィキペディア

ですし、高学年になったら、机と椅子はあるものの、

場所が決まっていない

ことが多いと思います。カナダ、バーナビー市の小学校は、まさにそうでした。

自分の机と椅子がない小学校って日本で考えられます?

4th gradeの教室

何が起こるかというと、低学年のうちは何度も壮絶な場所取り合戦が繰り広げられます。

どんな感じかというと、

例1:カナダの小学校の低学年は、先生の話を聞く時は、丸いカーペットに座ります。

読み聞かせの場合などは、先生の前に座っていた方が当然、絵本が近くに見えるので良い場所になります。

絵本に興味がある子は、先生の正面の場所をささっと陣取るわけです。逆に先生が嫌いな子供は、後ろの方を陣取ります。

何も考えていない子供は、カーペットからはみ出します。

例2:低学年は工作をさせる時だけ、少し大きめの長方形のテーブルを先生と補助の先生が出します。

長方形のテーブルの真ん中に、色々な材料が置かれます。

賢い子供は、材料が一番届きやすい位置に陣取ります。

うちの息子のように、ポケーっとした子供は一番遠くに追いやられ、余った材料でなんとかするしかありません。

余った物で何とかする技術も大切だ、という意見が出てきそうですが、それはやっぱり日本人の発想だなあと思います。

色々な材料があった方が作品の幅が広がるのは事実です。

出典:Pexels

こんな感じで、先生が生徒に何かさせようとする度ごとに、さりげなくエレガントに壮絶な場所や物取り合戦が行われます。

低学年なので、もちろんケンカになることもあるのですが、そこは仲良くやった方が得策だということは幼心にも分かるらしく、なるべく穏やかにささっと自然に陣取る子供が多いことに感嘆します。

ありとあらゆるものは先に取った物勝ち

という感覚が自然に身に着くのです。

どうして私(これ書いているフツーの主婦)が、そんな詳しく知っているのかというと、たまにボランティアに駆り出されたからです。

学校公開日にて(先生は何もしない、子供が普段何をやっているか説明する)

カナダの奥さんも仕事持っている人が多いです。なので、私のような中途半端に時間がある人に、科学実験手伝ってとか、アートの授業手伝ってとか声がかかります。

さすがに読み聞かせのボランティアは断りました。私の発音聞いたら、びっくりするでしょうから。

例3:名前が書いてあっても落ちていたら、自分のものになる(悪気はない、気づいていない。)

キンダーの子供達の行動を見てて気がついたことです。

消しゴムとか鉛筆とか、筆記用具は自分で家から持ってくるんですよ。たいてい名前が書いてあります。

でも、小さい子供なので、よく机から落とします。もしくは、床に散らかします。しかも、自分の筆記用具を落としても、筆記用具が遠くへ行っても気づかない。気づいても無関心。

今やっていることに熱中して、それどころじゃない感じです。

学校公開日に、自分の子供の作品を見て、
ものすごくほっとしたのを思い出します。

そして、誰のか分からない近くにある筆記用具でまた文字を書いたり、絵を描いたりするんです。

さらには、お片付けの時間になると、自分の近くにある筆記用具を自分の筆箱にしまうんです。

名前は全く見ません。不思議なのが、色々な種類のカラフルな鉛筆やら変な形の消しゴムを個々が持ってきているにも関わらず、自分の筆箱にしまうんです。

これ、キンダーだからという風に思ってたら、大人になっても似たようなことになっているんじゃないかと、なんとなく推測するんです。

とりあえず、

”主張し続けない限りは主権を放棄しているとみなす”

という感覚です。竹島とかも似たような感じなのかもしれませんね。いくら古い書物とかに載っていても管理していないと、自分のものじゃなくなるのが世界の常識なんですね。

誤解のないように言うと、名前を確認して持ち主に渡す子供もいます。ただ、少数派だと思われます。

また、

「それ、私のだよ。名前書いてあるでしょ。」と言っても、

「落ちてたから、拾ったんだよ。だから、あなたのものじゃない。」と言われる可能性も多々あると思います。

まとめ

日本の小学校って子供達や親に細々したものをキッチリと管理することを求めますが、もしかしたら、

細かい物の管理

って意外とハイレベルな芸当なのかもしれないと思いました。

細かい物の管理にエネルギーを注がない分、エレガントに勝ち取って行く術を身に着けていくカナダ、どちらが良いとか悪いとか言えませんが、

日本の常識は通用しない

ってことを学ばせられたのは大きいです。

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