魅惑の赤い酒―カンパリ―
以前、ある友人がこんな話をしていた。
「おいしい酒のない店でも、最悪カンパリなら何とかなる」
カンパリは日本酒やワインなどといったお酒と異なり、カンパリ社が提供するものしかない。レシピも企業秘密なので、同じものを作れない。よって、安く不味いものを大量に仕入れるなんてことができないということが理由のようだ。
初めて飲んだ時は、苦くて飲めたものではない。そんな印象であった。先日のブログで書いた取手のバーでふとカンパリが目に入ったときに友人の話を思い出し、久々に飲んでみようと思って飲んだ。カンパリソーダだ。この時は、苦いものと思いながら飲んだのだが、思っている以上においしいと感じた。初回に飲んだ時の場所が悪かったのか、それともバーテンダーの方の腕なのか、はたまた味覚が変わったのか。原因はよくわからないものの、おいしく感じたのだ。
特定の酒に興味を持つには「おいしい」これだけでも十分だろう。取手のお店ではネグローニの持つ不思議な魅力にもハマった。その後、数回バーで飲む機会があったが、全てでネグローニを1杯飲んでいる。どれも苦みや薬草感だけでなく、その中にほのかな甘みや爽やかさが混じったようなそんな不思議な味。カクテルの名にもなったネグローニ伯爵が好んで飲んだのも頷ける。ただし、アルコール度数が30%前後もあるカクテルを食前酒に飲むのだけは全くもって理解できないが。
今まで飲んだのはカンパリソーダにカンパリトニック、ネグローニ。カンパリ社のHPを見ると、飲んだことないカクテルがまだまだ紹介されている。1つずつ味を楽しみながら、カンパリを使ったカクテルをもっと幅広く知ってみたい。そう思わせる酒である。