第2章「自分を成長させたいくつかの話」そして今、そんなことを考えながらトンガ人の結婚式で写真を撮っている
信頼ってどこから築き上げられていくのだろう。
本気で向き合えば、不器用でも相手に伝わっていることって、絶対ある。
2019年12月
ニュージーランド・オークランド
飲食店の仕事は決まるが、何か別のことをしたいと悶々としていた頃。
求人サイトでウェディングフォトグラファーの求人を見つけた。
しかしながら、一眼レフもなければ実績もない。
ポートフォリオもない。携帯で撮ったインスタグラムがポートフォリオな私の経歴。
ダメ元だが、送ってみた。
なんでもやるので、とりあえず参加させてほしい、と。
すると、フィリピン人のボスから奇跡的に返信がきた。
「今度ワークショップするからおいで」
そして、ワークショップの後、面接を受けた。
「カメラは持ってる??」
「持ってません。。。でも全力で学びます!」
「英語はとりあえず大丈夫だね、、、じゃあーカメラは貸すからとりあえず次回呼ぶね!」
こうして、合計3回の結婚式に参加させていただいた。
日本人
トンガ人
フィリピンとニュージーランド人
の結婚式。
日本にはない形式の結婚式。
踊り明かし、民族衣装を身に纏って新郎新婦を祝いあう。
緊張している私に、ボスは優しくカメラの使い方を教えてくれた。
周りにいる仕事仲間も、気さくに声をかけてくれた。
とても素晴らしい経験だった。
異文化の結婚式に参加できる上、カメラの勉強もさせてもらえる。
さらに、式場で出るご飯を出席者と一緒に食べるというラフなスタイル。
しかも、同僚は全員フィリピン人なので、全て英語。
この上なく新鮮な経験だった。
2020年3月、コロナがニュージーランドにも上陸し、
結婚式が軒並みキャンセルになり、仕事にも呼ばれなくなった。
3回目の結婚式の際、
「このインターンシップ終わったら、カメラそのまま持って帰っていいから、練習しといてね!」
そう言ってカメラを持ったまま、
突然帰国せざるおを得なくなった。
ボスに
「カメラどこで返したらいい?」
と聞くと、
「違うよ、それは君のものだよ。僕らの仕事に参加してくれてありがとう。」
と言われた。
え!?本当に、ありがとうございます、、、、。
たった3回。
短い間の中で、私のことを信頼してくださらなければ、きっとこんなことはしてくれないだろう。更に、私の職場を教えると、食べに来てくれた。
プロ用の一眼レフなんて、普段の自分じゃ買えない代物。
結婚式も激減し、仕事がゼロになったと言っていたにも関わらず、
”気をつけて帰ってね、本当にありがとう”
と気遣ってくれた。
ニュージーランド生活。初めは荒波に揉まれるような思いばかりで、どうなることやら、と少し思っていた。
でも、
人生山あり谷ありだと思って、荒波の後は落ち着いた景色が見えると信じた。
そして、帰国するときには、すべての職場が恋しく、感謝に溢れていた。
本当に、ご縁に恵まれています。
コロナの後の皆様の生活が豊かなものになりますように。
ありがとうございました。