クラサポの切っ掛けとその誕生


 クラセルとの出会い
かれこれ3年ほど前、当社がまだ最初の顧客と出会う前に、いつも当社に協力してくれる管理会社の社長に「面白い団体が定期的にセミナーを行っており、毎回、管理組合に関わる企業が登壇する。何かの話題として使えると思うので一緒に行かないか」とお誘い頂き、あるNPO団体のセミナーにお邪魔したのがKURASELを知る切っ掛けでした。
 
創業間もない当社としては、まだまだ人脈と言えるだけのものがなく、コロナ渦の外出制限が厳しい時期でもりました。そのため、誰も行っていない管理費等支払保証事業について、事業説明を聞いて貰える機会があれば、何事も勉強、誘われたらまずは断らない事を心掛け、お供させて頂きました。
 
セミナー参加者は、思っていた以上に多く、オンラインでの参加者も数名居られました。受付で参加費をお支払いした後、開始まで少し時間があったため、主催者の方々と名刺交換をさせて頂き、当社の管理費等支払保証について「非常に面白い制度だ」、「これから必要な制度だ」と言って頂き、改めて説明に来て欲しいと依頼されました。エレベーターピッチのごとく数分での説明だったにも拘らず、依頼を頂いたときは、その場で小躍りしたくなるくらい、喜んだことを覚えています。(主催者の方々とは、不定期ですが連絡や面談をする関係が現在も続いています。)
 
その後、セミナーが始まり、その時に登壇されていたのが、今回表題に取り上げましたクラセル(KURASEL)の販売元である、株式会社イノベリオス営業部の部長でした。セミナー自体は一時間程度でしたが、管理会社の委託管理ではなく、手作業に頼る自主管理でもない、金銭管理に特化した会計システムだとの説明を聞いた途端、これは面白いシステムだと直感的に感じました。セミナー終了後に登壇されたイノベリオス社の部長と名刺交換をさせて頂き、改めて会計システムの内容と、どのように販促されているのかを教えて欲しいとお願いしたところ、すぐに快諾を頂き後日お邪魔することとなりました。
 
クラセル(KURASEL)を知る
約束通りに日を改め、イノベリオス社へお邪魔しました。
部長から、会計システムであるクラセル(KURASEL)の利用方法や、利用することでできる事柄等の詳細をご説明頂き、実際の操作画面まで見せて頂きました。
 
部長曰く、クラセル(KURASEL)開発の切っ掛けは、新規事業として社内提案を行ったことが始まりだと聞かされ、当社設立の切っ掛けに近いものを感じました。
何れ管理会社から管理受託を断られる管理組合が発生するだろうと予想し、断られた管理組合はどうなるのか?どのように運営して行くのか?を考え抜いた先に、最低でも会計ソフトが無いと管理組合の運営は立ち行かないとの結論になり、クラセル(KURASEL)の開発が始まったとのことです。
確かに、当社に持ち込まれる管理費等の滞納問題でも、会計システムが整っていない管理組合から依頼される事案があります。その場合、アナログで出入金の管理となり、滞納がいつから始まり、滞納金額が幾らになるのか?等を把握することから始めなければならなくなります。もし、クラセル(KURASEL)が導入されていたら、滞納状況の把握が容易になり、解消に向けても迅速に動け、当社に執っても非常に助かるシステムだと感じました。
 
しかし、お話を聞かせ頂いた中で、どうしても気になる点が二点ほどあり、それを部長に尋ねてみました。
システムをサブスクリプション形式で契約することは理解できたが、どのようにクラセル(KURASEL)を認識して貰い、契約するのか?単にシステムを導入しても、高齢化が進んだような管理組合や、システムに明るい組合員ばかりではない管理組合はうまく使いこなせないのではないのか?その場合、入力等の使い方を支援する仕組みはあるのか?と聞いてみましたところ、宣伝活動に多額の資金を投入中で、その効果が徐々に表れてきている。しかし、入力等の支援が必要な管理組合に対し、どのような対策が取れるのかが課題になっていると言われました。

確かに、管理組合の会計に明るい人材は限られており、マンション管理士という国家資格を取得した人材でも、管理業の実務を経験していない方々だと、出入金の入力も儘ならないことが多々あるとのことでした。また、販売エリアを全国としているため、支援する人材確保にも日々苦労しているとも言われました。
 
当社としては、管理費等の滞納問題を生業としているため、管理組合の会計や運営にある程度知識を有しています。この当社の強みを生かし、お手伝いできるのではないかと、その場で提案させて頂きましたところ、非常に興味を持って頂き、どのように行うべきかを検討して行くことになり、現在の「クラサボ」の原型が生まれる切っ掛けとなりました。
 
クラサポ拡張の切っ掛け
クラセル(KURASEL)は管理組合向け会計アプリなので、パソコンやスマートフォンで作業することが可能で、使い勝手の良いアプリなのですが、どうしても金銭の出入金を把握することに軸足を置いたアプリであるため、管理会社に委託していた管理組合からしてみると、ライフライン等の利用料の支払いや管理費等の滞納が発生した場合の督促業務を、理事会で対応しなければならないことになり、管理組合運営を軌道に乗せるためにも、ある程度伴走してくれる企業や人材が必要だと言う要望が強いことが判りました。
 
そのような不満点を解消するため、当社はまず会計データの入力を請け負う支援と、初期の滞納督促支援(管理費CAREサポート)の提供を始めました。
ここからは、当社の実例を交えて説明して行きたいと思います。
会計データの入力を請け負う支援は、非常に多くの引き合いを頂く事になりましたが、初期の滞納督促支援は想定していたより今一つの状況でした。
イノベリオス社にも、会計入力支援を行う企業を紹介できると提案して頂いているため、引き合いが多くなったとも思いますが、初期の滞納督促支援が増えないのを当社としては不思議に思っていました。
 
会計入力支援で契約を頂いた管理組合の理事長へ、初期の滞納督促支援を採用頂けなかった理由をお聞きしてみましたところ、入力方法を覚えることが先決で、滞納問題は後で良いと判断し提案を断ったとおっしゃいました。
この管理組合は、管理会社から突然、契約の継続を断られたため、急遽クラセル(KURASEL)を導入することを決議した組合でした。そのため、入力できるようにすることが理事長の責務となり、初期の滞納督促までは採用しなかったようです。
このことにより、クラセル(KURASEL)を導入した管理組合には、いろいろな要因や要望があり、初期の滞納督促支援を同時に導入しようとする管理組合様は少ないことがぼんやり判ってきました。
 
話しをクラセル(KURASEL)の入力支援に戻し、当社として初期の滞納督促支援はオプション扱とし、まずは入力支援で管理組合との関係を構築する事にしました。
 
クラセルの申請と承認
クラセル(KURASEL)の出入金には、ある一定のサイクルが存在しており、締め支払いの期日が決まっています。そのため、締め日に間に合うよう入力を進め、理事長等に承認を得る作業があります。
しかし、領収書を送るのを忘れていたや、急に購入した物品代を入力して欲しい等のイレギュラーな対応も出てきます。そのような場合でも柔軟に対応できるよう、日々理事会メンバーとの良好なコミュニケーションを執る必要があると痛感しています。
 
事実、承認ボタンを押されてしまった場合には、翌月の処理となってしまうので、当月の処理はされません。そのような中でも、何とかしてくれとの要望が出てくる場合があります。承認後や、期日を過ぎてしまうとシステム上変更ができないためどうしようもなく、スケジュール通りに入力を行っている以上入力側に落ち度もないが、今まで管理会社に任せていたような管理組合においては、何とかして欲しい、どうにかならないのか?と言ってしまうのかも知れません。それを回避するためにも承認ボタンを押す前に、期日が過ぎる前に漏れが無いかを一声掛けて挙げる心使いが必要だと当社では考えています。
 
ルールはルールだと杓子定規に対応するのも必要だと思いますが、どんなにシステムが優秀でも、動かすのが人である以上心使いはあって然りだとも思います。
このような事柄を踏まえて、当社は日々クラセル(KURASEL)の入力支援を行っています。

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