7月16日ネム(NEM;XEM)犯罪収益収受罪の裁判のニュースを機に、「Not your keys, not your coins」(鍵の所有者こそが、コインの所有者である)についての議論が話題に挙がっています。
このニュースをきっかけに、多くの方が暗号資産を保有することの意味について関心を持っていただけるとありがたいと思いました。
ここでは、資金決済法(資金決済に関する法律、平成二十一年法律第五十九号)において、暗号資産交換業者や電子決済手段等取引業者が、それぞれ暗号資産やステーブルコインを保有することをどのように定義しているかを紹介します。
Not your keys, not your coinsの議論
まず始めに、当該裁判の文書を紹介します。
ポイントは、正規の保有者とそれ以外の者が区別されていることです。
しかし、「正規の」や「不正に」の定義が明確でないといった意見が見られました。
暗号資産交換業者の秘密鍵保有の定義
資金決済法では、他人(利用者)のために暗号資産を管理する場合は、暗号資産交換業のラインセスが必要であると定義されています。そして、「暗号資産を管理すること」の該当性については、事務ガイドラインに例示が列挙されています。
また、「関係事業者と共同」の定義については、「コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方」に例示があります。
ポイントは、下記の観点を整理することで、判断することが可能です。
電子決済手段等取引業者の秘密鍵保有の定義
電子決済手段等については、ブロックチェーン等で発行される電子決済手段(ステーブルコイン)についても、事務ガイドラインの記載内容から、暗号資産と同じ扱いになると考えられます。