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暗号資産規制関連 Weekly News 2023/10/20

私は、暗号資産交換業者に対する内部管理等のコンサルティングを行っています。今週の関連ニュースを紹介します。



XRP証券性

概要

  • 米SECは、証券法違反(証券法第5条違反への幇助)の提訴の棄却を申し出た。

  • 一方、リップル社がXRPを機関投資家へ直接販売した点に関しては協議を続ける。

  • このニュースを受け、仮想通貨XRPの価格は前日比約6%上昇した。

深堀ポイント

  • 今回の結論は、暗号資産の証券性に関連するコンプライアンスおよびリスク管理において参考にされることが期待される。

  • Howey Test(ハウィーテスト)は、販売スキームに応じて判断されるという点にも留意する必要がある。

    • 暗号資産交換業者が個人へ販売した件(今回の結論)

    • リップル社が機関投資家へ直接販売した件(継続協議中)


暗号資産現物ETFの動向

動向まとめ

  • 暗号資産現物ETFのSEC審査が注目されるのは、承認されれば投資家の間口が広がり、市場規模に影響を与えると言われており、金市場も2004年に現物ETFが承認されて以来拡大してきた。

  • 暗号資産現物ETFのSEC審査の最終判断期限は、Ark Investが2024年1月10日、ブラックロックが同年3月15日前後と続いている。(審査の最終判断は官報から最大240日間以内)

  • グレースケールの暗号資産現物を保有するETFのクローズド・エンド型からオープン・エンド型の転換申請について、SECは一度非承認としたが、訴訟により再審査が求められている。

  • 10月13日にARK Invest、10月19日にブラックロック、10月18日にフィデリティが申請内容を修正した。

深堀ポイント

  • 審査結果に注目が集まるが、以下のような審査の観点についても把握しておくことは有益であると考える。

    • 価格操作等のモニタリングのための取引所との監視協定(ビットコイン先物ETFの承認の過程において、CMEビットコイン先物市場と監視協定を締結した)

    • 顧客資産保護のためのカストディによる管理とウォレットの分離

    • 暗号資産関連の法規制の不確定性に対する顧客説明


暗号資産エコシステムの開発者動向

概要

  • 暗号資産に特化したベンチャーキャピタル、Electric Capitalは、Web3の開発者動向に関するレポートを公表した。

  • 23年10月1日時点のWeb3のオープンソース開発者の月間アクティブ数は、前年同期と比べて27%減。2年前同期(弱気市場)と比べて66%増となる。

  • いくつかの暗号資産エコシステム Aztec Protocol、XRPなどが前年比でプラス成長を遂げている。

深堀ポイント

  • Developer Report というダッシュボードにより、各プロジェクトのディベロッパーの人数が定期観測できる。

  • 暗号資産価値の先行指標となり、交換業者の暗号資産継続審査において活用できる可能性がある。


DEXのAML対策

概要

  • 分散型取引所(DEX)のTHORSwapは、不正資金を検出したため一時的にメンテナンスモードに入った後、運用を再開した。

  • THORSwapは新しい利用規約を適用し、ユーザーはマネーロンダリング防止などの法律を遵守し、制裁プログラムに違反する活動や不法な金融活動に関与または協力しないことに同意するを求めた。

  • また、違反があった場合にはTHORSwapがユーザーのプラットフォーム利用を制限することがあると明記されている。

深堀ポイント

  • 分散型金融(DeFi)は、非中央集権とAML・不正利用対策のトレードオフについて議論されるが、ブロックチェーンの非中央集権型は確保したまま、そのインターフェースは中央集権型とする組合せは、解決の1つの形になる可能性がある。


【インシデント事例】ブロックチェーン停止

概要

  • 10月18日にアプトス・ネットワークは、5時間にわたる停止の後、正常に戻すことができた。

  • 8月22日のコード変更で、コンセンサスアルゴリズムや手数料計算の部分に不具合が含まれてしまったもの。

  • 10月19日にTheta Networkは、ノードのアップグレードに「エッジケースのバグ」を生じさせ、メインチェーン上のブロックの生成が数時間止まった。

  • 9月にBase(Coinbaseのレイヤー2)は、8月のローンチ以来、初めての大規模な停止を経験した。

深堀ポイント

  • 交換業者における暗号資産審査において、コーディングの検証を実施することが求められるが、継続的にUpdateされる特性があるため、限界があると言える。

  • そのため、当該リスクに応じて、ネットワーク停止時の緊急対応プロセスを整備することが求められる。

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