NYやカリフォルニアから、大手金融が出ていく。
上のリンクは、巨大ヘッジファンドであるシタデルが、シカゴからマイアミに拠点を移したニュースを取り上げています。この記事自体も面白いのですが、気になったのは、最近北部から南部へ本社を移転する金融機関が多いと思ったことです。調べてみると、証券会社のチャールズシュワブが2021年カリフォルニアから、テキサス州ダラスへ、伝統的運用会社のアライアンス・バーンスタインは、2024年にNYからテキサスへ移転の予定です。ヘッジファンドでもありアクティビストでもあるエリオット・マネジメントやゴールドマンサックスは、NYからフロリダへと、テキサスとフロリダに移転が集中しています。
金融に限らず、テスラ、キャタピラー、AMDなども、ここ数年で本社をテキサスに移転しました。テキサスは州税も含めた生活費が安く、フロリダは生活環境の良さが大企業を集めています。
ある調査によると2020年以降、大小合わせて370以上の投資会社や金融機関が本社移転し、その多くが南部への移転です。
NYやカリフォルニアは、これまで多くの優秀な人材を引き付けてきましたが、一方で生活コストの上昇やひどい渋滞など、街としての限界が迫っているという見方も出てきました。それに加えて、こうした本社移転ラッシュにより、高給取りの住む場が移転しますので、街の栄枯盛衰が起こりそうです。金融やテックなど、リモートワークがしやすい業種は、本社移転を行いやすいという面もあるのかもしれません。
一方で、本社の価値を見直す動きもあり、ZOOM社ですら、オフィス近隣に住んでいる従業員に対して、週二日の出社を要請しています。対面で業務を行う価値が見直されるほど、テキサスとマイアミに企業が収集する
構図が強まる可能性もあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?