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散策記|岩手県釜石市:大渡町・大只越町・石応禅寺・薬師公園周辺

2021/6/26に岩手県釜石市を散策してきました。

例によって、写真だけ見たい人はPinterestの方を見てください。

散策記は、いつも通り、ただ歩いてみた感想を書いただけのものです。

今回の散策は、上記地図の右中央の辺りにある桑畑書店をスタートしています。

こちらの記事で特集された書店です。

震災前は二階まである比較的広い書店でした。現在は、災害公営住宅の一階の一部を店舗にした小さな書店となりました。

店内には店舗の再開を祝福した寄せ書きなどが飾られており、多くの方々の応援を受けての再開だったことが分かります。

小規模な店舗であるため、販売している本の数は多くありません。

一方で、昨今の書店に見られがちな中身のない話題性だけのビジネス本の陳列などが見られず、また地域を題材とした本はしっかりと置かれていることから、選書はある程度丁寧に行っているのでないかと思わせます。

桑畑書店を出て、大通りを渡ります。

この辺りの景色は、割と震災前からの変化が感じられません。

といっても、商店街自体はホテルや新しい建物が増え、震災前の面影はあまりないです。

街中にある大きなお寺の方へ歩きます。

真っ赤な魚屋や紫のビルなど、所々カラフルな建物が見られます。

そうかと思えば、公営のキレイな建物がお目見えするなど、統一感はあまりありません。


石応禅寺

少し進むと石応禅寺の広い敷地が見えました。

震災後は、この辺りにプレハブの仮設店舗がありました。今は解体され、震災前の姿に戻っています。

釜石市の商店街は、全体的に騒がしさがなく、落ち着きと言いますか閑静な雰囲気が常態化しています。

こちらの石応禅寺は、そんな商店街周辺の中にあって、商店街とはまた違った静けさを湛えており、心を鎮めたいときには良い場所でないかと感じさせてくれます。

ただ目線を少し脇に逸らせば、墓石で埋め尽くされた斜面が眼前に広がります。それゆえ、見た目には心落ち着く場所と言えません。言っても寺ですからね(笑)

門を越えた先に仏殿があります。

鬱蒼と茂った木々に囲まれた石造りの門。その上に聳える櫓のような木造の建物。非常に雰囲気があります。

中もとても広いです。

一応休憩所のような場所も見られました。

こちらは門の脇の方にあります。墓地が目に留まり難い位置にあるため、休むにも丁度良いかもしれません。

軽く境内を見て周り、先ほど紹介した市営の建物の裏を通って、駅側、最初に掲載した地図で薬師公園と書かれた場所に向かいます。

薬師公園へと抜ける道の一つは立入禁止となっていました。

民有地が含まれるためとのことです。

ただ、この道は災害時(恐らく津波)の避難経路となっております。避難経路が立入禁止というのは、中々考えさせられます。

薬師公園

薬師公園への入り口。失業対策事業の一環で何かが行われたようですね。

石段が少し続きます。

途中、鳥居が続く空間がありました。

比較的高台ですので、ある程度街を一望できます。

頂上に着くと、開けた空間が広がります。

広いには広いですが、石応禅寺ほどではありません。

奥には平和像が置かれています。

こちらです。

釜石市は艦砲射撃を受けた地域であり、その事を伝え続けています。

この画像は砲弾のレプリカですが、それでも脅威を感じられるほどの存在感がありました。

先ほど紹介した立入禁止の場所に通じると思われる通路です。

やはり封鎖されていました。

日頃封鎖されている避難経路を果たして避難経路と呼べるのか、謎が謎を呼びます。

薬師公園の入り口に戻るとイオンモールへと続く道が見えます。

震災以前の釜石市と震災以後の釜石市で、最も大きな変化が感じられるのはこの道、そしてイオンモールの存在かもしれません。

今回の散策のスタート地点に戻る道すがら、ミッフィーカフェが目に留まります。

二階はコワーキングスペースとなっており、2021/7/1からは一人用の簡易的な個室スペースも稼働するとのこと。

市営ということで、非常に低額利用が可能です。

ちなみに釜石市では、民営のコワーキングスペースもあります。

震災以降、釜石市は外部人材の活用や協働・連携に積極的であり、また移住者による様々な活動も見られるようになりました。

こちらのコワーキングスペースもそういった釜石市に移住した人々が中心となって創られたものです。

余談ですが、軽く震災以降の釜石市についてざっくり書きます。

釜石市は、東日本大震災を受けて、変化の道を選んだ自治体です。先に伝えた外部人材の活用・連携が代表的な変化の一つです。

外部人材だけでなく、株式会社LIFULLや楽天株式会社といった外部の大手企業と連携して新たな取り組みを行うなど、地域外の企業との協働も増えている点も特徴的です。

イオンモールの進出もその一つと言えるでしょう。極端な話、イオンモールの進出だけで、岩手県沿岸部の中で頭一つ抜け出た印象を受けます。

そもそも釜石市の場合、岩手県央の工業地帯である北上市と釜石市を結ぶ自動車専用道が完成し、釜石市の港湾整備が進んだことから、貿易面でも成長が見られています。

元々は、ラグビーを推す一方で、日本製鉄の存在ばかりが印象的な街でした。しかし震災以降は、外部人材の活用・外部企業との連携・ラグビーW杯などにより、良い意味で大きな変化が起きた印象を受けます。

その一方で、街中には休日でもシャッターを下ろしたままの店舗や何より空き物件の増加が見られるなど、衰退の色も濃くなってきています。

今後、成長・発展へと前進できるのか、周辺の自治体同様に震災特需の剥落で衰退の色を濃くしていくのか、どちらに向かうのか気になる自治体といえます。

回転ずし ずいほう

最後に、散策にあたり食事したお店を紹介します。

今回伺ったのは、「ずいほう(旧:すし がんこ)」。

チェーン店ではない回転寿司です。

価格は、1皿100円-500円程度。

外食寿司チェーン店と比べてメニュー数はありませんが、同程度の価格で比較的新鮮なネタが食べられます。

1貫のシャリ・ネタのサイズが思いの外大きく、「これで採算取れるのかな?」などと余計な心配をしてしまうほどでした。

例えば外食寿司チェーン店の場合、ウニが何故か苦くて食べられた物でないケースも目立ちますが(そもそも保存が利くような物でないため仕方ない)、こちらのウニは多少新鮮な物を使っているのか、普通に食べられる物になっています。

ウニが苦手だと言う人は、何故か苦いウニしか知らないケースが多く(本来ウニは苦くない)、非常に勿体ないと思うことが多く、そういった人にこそ、こちらのウニのようなある程度ちゃんとしたウニを食べて欲しいと感じた次第です。

ちなみに1皿200円(税抜)でした。とてもリーズナブルだと思います。

ゲソは1皿100円とは思えないサイズ感でした。食べ慣れた地元の人でも、このゲソならば不満は感じないでしょう。

個人的に良かったのは、エビ汁です。

エビの頭で出汁を取っただけの汁物ですが、100円で飲めるのが非常にありがたい量・味でした。

全体的に安い回転寿司店とは思えないほどに質がしっかりしているので、釜石市を訪れた際には、ぜひ立ち寄って欲しいです。

【営業時間】11:00-13:30、17:00-20:30(水曜定休)

【電話番号】0193-27-8284

【住所】岩手県釜石市只越町1-1-21(JR釜石駅から徒歩10-15分程度)



















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