「 公式サポート制度 」の試験的運用開始について
株式会社VALUの代表を勤めています小川です。先週、「公式サポート制度」に関するプレスリリースを出しました。
「公式サポート制度」リリースはこちら
本日スタートしたこの制度では、「VAの譲渡承認制」を試験的に一部導入します。まずは、こちらの背景を説明しようと思います。この施策で検証したいことは大きく分けて3つあります。
1.VAを簡単に売れないようにして、継続的に支援・応援してくれる人を
最初から探せるようにすること
2.売り圧力・買い圧力などを考えずに資金調達を可能にすること
3.一部のユーザーに絞り、機能を開放することでまずはテストすること
「スタートアップの資金調達」と「VALUの資金調達」の比較
この施策の背景には、スタートアップとして上場を目指す前提で資金調達を行なっている中で気がついたことがあります。普通のスタートアップの資金調達とVALUの資金調達を比較することで、今回のアップデートを説明できればと思います。
まず、スタートアップの資金調達の多くが「第三者割当増資」と言われる、新たに株式を発行して、その株を投資家に買ってもらう方式で資金調達を行います。また、その株式には譲渡制限がついており、他の株主や取締役会の承認が得られない限り、譲渡・売却することができません。
つまり、スタートアップ業界において、スタートアップの投資家というのは、会社の保有者でありつつ、長期間に渡って会社をサポートし起業家の成し遂げたいことをサポートしてくれる、いわば仲間のような人です。
一方で、そんな譲渡制限株を持っている投資家が「投資を回収する主な手段(=exit)」として「M&A」と「上場」があります。投資家の人たちは、Exitできそうな企業に対して、お金を多角的に投資していきます。もちろん、全ての投資が成功するとも限りませんが、全体的な投資を通じてお金を増やそうとしています。
「M&A」は、その会社・事業を買収することで、さらに会社の成長を期待する手法です。M&Aのタイミングでサポートしてもらった投資家が投資の回収を行うことができます。
「上場=Initial Public Offering(以下、IPO)」は、東京証券取引所などで株を売り出すことが可能になることです。IPO後は、「板取引」という手法が多く使われています。会社が小さい頃から投資していた投資家は、このタイミングでリターンを得ることができます。また、IPOの瞬間は売り出せる量が制限されていますが、一定期間を経過すると、譲渡制限がなくなり、自由に市場で売買することが可能になります。 注) 一部の創業者・投資家の株は証券会社を通じてでしか取引できないなどの制限は存在するので、必ずしも自由に市場で売買できる訳ではありません。
また、上場市場では、株はブランド(人気や認知度など)により左右されるということが言われています。GoogleやAmazonの時価総額の6割程度がブランドによって作られていると言われます。そして、認知度が高ければ高いほど、多くの機関投資家・個人投資家の目に付くことになるので、流動性が作られるようになります。流動性が作られれば、多くの株を保有している人(創業者や投資家)が市場で売ったり、第三者割当による資金調達が可能になります。
一方で、流動性の低い銘柄というのは、大量に売ってしまうと値崩れが起こってしまうので、多く株を保有している人は、市場で売ったり、第三者割当による資金調達が難しくなってしまいます。つまり、IPO後に継続的に資金調達を行うためには、十分な流動性があることが必須であり、人気や知名度が高いことが必要条件になります。
注) 上場株に関しては、ブロックトレードなど違う証券会社が仲介として入ったり、直接交渉することで創業者や大株主の株を取引する方法もあります。一番、記憶に新しいのはZOZOの前澤さんの株をYahoo! JAPANに売却したことだと思います。
ざっくりとした説明になりましたが、一番言いたいことは、1) スタートアップの投資家 = 一緒に物事を成し遂げてくれる仲間のような人ということで、基本的に長期間株を売ることはできず、上場に相応しい企業にするべく汗水垂らしてくれる人たちであること、2) 人気・認知度などのブランド力が低い株は、資金調達が困難になること、です。
「公式サポート制度」の試験的な運用について
VALUに戻ってみます。現在、約12万人のユーザーの人たちにVALUを使ってもらっていて、2万人以上がVA発行者として使ってくれています。その中で、人気や認知度が高い人というのは、100人いるかいないかだと思います。また、流動性がしっかりと生み出すことができ、アルトコインのようにしっかりと板が厚く、流動性を出せる人というのは、その100人の中でも一部の人に限られると思います。
現状のVALUは先行抽選後に板取引が行われています。そして、発行者の多くは、初回の売り出し以降、ほとんど資金調達出来ていません。
つまり、VALUの板取引は多くのユーザーさんにとっての大きな障害要因になっているのではないか? それを撤廃した方が、全ユーザーにとって幸せになるんじゃないか? そんな議論をずっと続けていました。
一方で、板取引を撤廃した場合、十分な流動性が産み出せるほどの知名度・人気がないユーザーは損失を被る可能性もあります。また、簡単に二次流通を出来なくすることは、先行抽選を終えて売り出しが可能になったタイミングで、ほとんど資金調達が出来なくなってしまう可能性も存在します。そのため、一部のユーザーに絞って(ファンディングユーザーと名付けました)、板取引に替わる新しいユーザーインターフェイスを試し、良さそうであれば、多数のユーザーに適応させよう。という、判断に至りました。
また、今回の「公式サポート制度」では、優待の履行や信頼性の担保を行うため、利用規約の他で、VALU社とユーザー間で別途契約を結んでいます。簡単に説明すると、契約を結んだ特定のユーザーは、優待の履行義務を負います。それにより、そのユーザーのVAを購入する際に、ある程度の信頼性を担保したいと考えています。そして、TwitterやInstagramなどのように認証マークを設置します。この機能に関しても、社内で基準を作り、その基準を上回る人に対してのみ順次公開していく予定です。なお、TwitterマークやInstagramのオフィシャルマークを得ようとするのと、同じくらいの厳しい基準にすると思います。
「公式サポート制度」とそれに伴う「VAの譲渡承認制」、新しいユーザーインターフェイスに関しての説明は以上です。結構ざっくりとした説明で、もしかしたらわかりにくかったかもしれません。そんな方は、株式に関するWebの記事を参考にしてみると良いかもしれません。(VAは株とは異なりますので、議決権や配当は行われません)
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