[Valorant Champions Tour 2022] Sengoku Gamingのアイスボックス戦術 [Sengoku Gaming vs Hexad]
この記事は先週末に放映されたVCT 2022 Sengoku Gaming vs Hexadの公式放送(公式Twitter: https://twitter.com/valesports_jp)を元に執筆しました。
エージェントピック
SGとHXの両チームともにSage、Viper、Sova、Jettといったアイスボックスでの標準的な4エージェントの他に、SGはKilljoyを、HXはChamberをピックしています。
参考までに、並行して進んでいるEMEAのMain EventだとSage、Viper、Sovaはピック率100%でJettが75%、次いでKilljoy 50%、Chamber 25%、となっています。NAだとSageが50%とSage無し構成も存在し、Chamberが逆に66%と高いピック率となっています。いずれにせよ、両チームとも標準的な構成だと思います。
最終的に13-2とスコアだけを見ると大差がつきましたが、内容的には競ったラウンドも多く、決してスコアから想像できるような一方的なゲームではなかったように見えます。
守備サイド
ラウンド開始直後の各キャラクターの配置がこちらになります。試合を見ていても感じたのですがSG側がかなり多彩に配置を変えており、しかもそれがHX側の戦略と噛み合っていたように思いました。
Sovaは基本的にミッド警戒
JettはSageと組んでBやAを前目で見るか、あるいはオペでBを覗いている。SageはA側でMid抜け警戒することも
ViperはJett-Sage組と合わせてA, Bの配置をわりと頻繁に変えている
Killjoyはチューブ・キッチン周りを警戒
1Rや7RはHX側の面白いMidからのA攻めがあったのですが、Sageがミッド抜けをカバーできるポジションにいたことやKilljoyが早めに裏を取れるポジションにいたことなどがありHX側の攻めが止められる形になりました。
単なる運というよりも、SG側が相手に配置を読ませないようにうまく戦略を組み立てた結果としてうまく噛み合わせたとも言えるかもしれません。
上の図はSG側の全メンバーが、Defense側の各時点でどこに位置していたかを示す図です。オーソドックスなポジショニングではありますが、しっかりと各自が各ポジションで仕事をして、そのポジションも読まれにくいように動いていたように思いました。
攻撃サイド
ラウンド開始直後のSGの配置と移動の軌跡です。3ラウンドしかなく、1ラウンド目のAラッシュでSGが勝利しHX側は資金的に辛い残りラウンドを戦ったため、そこまで書くことはない感じがあります。
ただ結果的にSGが3ラウンド連取して勝利したものの、内容的にはどれも接戦だったと思います。2ラウンド目はHX側のBスタックとSG側のB攻めが噛み合ったりと結構危ない場面もありましたが、最後はSG側の個人技で持っていったといった印象でした。
以上ですが、試合後のインタビューでも選手が話していた通り、SG側の多彩な守備から練度がうかがえるマップだったと思います。ただHX側も決して圧倒されたわけではなく、かみ合いの部分もありこのスコア差がついたと言えるのではないでしょうか。
SGは個人個人のキャラクターが立っており(特にArt選手)、また、ランクで活躍している個人技の高い選手が揃っているように思います。自分も好きなチームですので、いよいよ明日から始まるMain Eventでの活躍が楽しみです。Main Eventの試合についても引き続き書いていきたいと思うので、よろしくお願いします。