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【Interview】CEO野々村が語る「働く」ことへの向き合い方

今回はバリーズのCEOである野々村菜美(ののむら・なみ)氏に、自身が経験してきた社会人としてのキャリアをなぞり、「働く」ことへどう向き合ってきたのかをお聞きしました。

最初はお金を稼ぐ手段でしかないと思っていた仕事が、「楽しい」に変わった

ーーこれまでのキャリアについて教えてください

はい。私は高校を卒業してすぐに地元福岡で就職をしたんです。というのも、社会人として働く姉の姿を見て「憧れ」を抱いていて。自分の力でお金を稼ぎ、買いたいものを買い、好きな時間を過ごす。そんな社会人に早く成りたいと思い、進学せずに働こうと決めました。

キャリアをスタートしたのは、外資系化粧品ブランドの美容部員。百貨店で働く華やかな美容部員の方を見て惹かれたのはもちろん、もともと化粧品やコスメに強い興味があったんですよ。

その後、4年間ほど美容部員として接客業を続けていました。しかし、ある時からジレンマを抱えるようになって。お客様のニーズを現場で直接聞いている私たちが、商品開発に意見できない環境に違和感を感じていたんですよね。いつまでたっても「こういう商品があったらいいのに…」というお客様の悩みを解決できない。

それがきっかけで、プロダクトを作る段階から関わることができるような、企画職に興味を持ち始めました。早速転職活動を始めてみると、福岡に企画の仕事自体があまりなくて。上京して東京で働くことに決めました。

その後、東京のランジェリーブランドのコスメ企画職に就職。オリジナルコスメの企画・開発、キャッチコピーなどのライティングやエディトリアルなど、幅広い業務を担当。

また、その時の職場環境がきっかけで、現在のバリーズの事業イメージが膨らみ、最終的には起業に至りました。

ーーなるほど。職場環境が移り変わる中で、「働く」ことへの意識はどのように変化していきましたか?

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そうですね…、高校を卒業したての頃は、自分の好きなライフスタイルを叶えるための「手段」として、仕事が乗っかってくるというようなイメージでした。もちろん、人並みにやりがいは感じていましたよ。ただ、その頃は決して仕事が大好きとは言えないですし、自分なりのスタイルがあるような、こだわりを見出せたりはしていませんでしたね。

ですが、愛のある先輩に囲まれていたおかげで、社会人としての基本的なマナーやスキルを学ぶことができました。そういう意味では、ファーストキャリアとして選んだ土台に間違いはなかったのだと思いますね。

仕事に対する意識が変わったのは、前職であるランジェリーブランドのコスメ企画職に就いてからでしょうか。仕事のやりがいというものを初めて肌で感じることができたんですよね。自分の頭の中で描いたものが、形になって世の中に出る。ここにすごくやりがいを感じて。「仕事が楽しい」と思えるようになったのはこの時期からだと思います。

ーー「仕事が楽しい」と感じる一方、きついなと感じる瞬間はありませんでしたか?

嘘偽りなく、全てのプロセスが楽しかったんですよね。なので、きついと感じる瞬間はありませんでした。もちろん、全然いいアイデアが浮かばないとか、売ったものが売れないとか、そういった当たり前のことはありましたよ。しかし何よりも、「やりたい仕事」ができている状態に楽しさを感じていました。

ただ、ファーストキャリアである美容部員の時から感じていたのですが、作ったものが売れるために、企画だけではなく、マーケティング、プロモーションまで一貫して自分でやりきりたい、という想いがやっぱり強くて。けど、それを叶えられる環境って中々ないじゃないですか。会社が大きければ大きいほどなおさら。

それが自分で会社を立ち上げた今は、すべてが見れるわけなんですよね。そこのストレスは一切感じなくなりましたし、やりたいことを100%やれている今がとても楽しいです。

根付いているのは「良いプロダクト」を作りたいという想い

ーー「社長」になるという大きな決断において、不安はなかったのでしょうか?
そうですね、結論から言うとそこに不安は感じていませんでした。

あくまで「社長」になることは、やりたいことを実現するための「手段」でしかないと思っていて。私の根源にあるのは常に「良いプロダクトを作りたい」なんです。

自分が作り出した「良いプロダクト」を世の中に出すためには、会社にしなきゃいけない。会社にするには登記をしなきゃいけない。じゃあ必然的に社長は自分だな、という感じです。

むしろ、自分が作るプロダクトに絶対的な自信があったので、とてもワクワクしていたのを覚えています。『TabiMUSE』は、世の中の女性たちが絶対に求めている。このサービスがあったら旅が楽しくなるし、女性たちがもっと海外に行くきっかけを作れるんじゃないか、そう思ったんです。

ーーどういった要因が自信に繋がったのでしょうか?

1番大きかったのは、『TabiMUSE』の中心的存在である『MUSE』達の反応ですかね。

まだサービスがローンチする前、コンセプト設計段階で『MUSE』としてメディアに記事を書いていただきたい人たち1人1人にオファーDMを送ったんですよ。すると、「私もそういうサービス待ってたんです!」といった反応をとても多くもらえて。そういった反応を見てニーズはあるなと確信したんですよね。

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また、『MUSE』に選ばれた10数名の有名なブロガーさん達が、自身のブログで『TabiMUSE』のコンセプトや想いについて、ローンチ前から積極的に発信をしてくれました。そのおかげもあり、事前に読者さんを作ることができていたのは大きいですね。

今いる環境で最大限努力することが大切

ーーキャリアを築いていく上で大切なことは何だと思いますか?

やはり、成功体験と失敗体験をどれだけ積み重ねられるかだと思います。

転職するにしても、フリーランスになるとしても、自分は何者なのかを説明する必要があるじゃないですか。そうなった時に、今までやってきたこと全てが中途半端な状態。これだけは避ける必要があると思います。

今いる環境で最大限努力する。例え大失敗したっていいんですよ。失敗した後に、どのように乗り越えたのか?、どう成功まで導いたのか?というようにストーリーが生まれるので。まずは100%努力する、頑張ってみる、これが大切なのではないのでしょうか。

実は私自身も、周りの起業家さんたちと比べると全然経験が足りないなって思うんです。なので偉そうなことは言えませんけど、とにかく成功体験と失敗体験をたくさん作る。今いる環境に不満があっても、その環境の中で最大限努力をすることが重要だと思います。

ーー最後に、バリーズとして社会にどういう影響を与えていきたいですか?

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『TabiMUSE』がやってることって、「メディアで旅の情報を発信する」だけに止まっていなんですよね。旅を通じて出会いや学びのきっかけが生まれて、繋がって、出会った人たちと旅をして、それを発信して、誰かに影響を与える。例えば、『MUSE』同士でも、世界観が合う人が共鳴し合い、一緒に旅をするようになり、ワークショップで人を集められるようになったりだとか。

そういった今までの自分の中に眠ってたものが、何かのきっかけで新しい化学反応が生まれる場所を作っていきたいんですよね。バリーズに当てはめると、そのきっかけが「旅」というテーマになります。その中でどういった化学反応を起こせるような仕組みを作れるか、ここが今後力を入れていきたいことです。


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