
出張族の自由時間
今日のゴハンは何にしよう。毎日そればかり考えて生きている。午前中は昼飯のことを、午後になれば晩飯のことを、そして眠りに就く前には朝飯のことを考えている。呑気な人生だ。
食べ物の好き嫌いは無いので人に聞かれることがあれば『好きな食べ物は美味しいもの、嫌いな食べ物は不味いもの』と答えるようにしている。
平日は出張族、週末は東京人。 月曜日から土曜日、8時から17時までの肉体労働、1日3食を決まった時間にきちんと頂いて就寝時間と起床時間もほぼ変わらない。酒を呑み過ぎない限り朝のアラームは必要なく、空が明るくなれば自然に目が覚める。
枕は選ばない。どんな寝床でもぐっすりと眠る、それができなければ出張生活を続けることは難しい。友人知人から『一年中あっちこっちで大変だね』と労いの言葉を掛けられるのだが、各地を旅をしながら働いて週末は東京に居るのだから旅好きの自分にとっては理想的な暮らしであり、これは楽しいことでしかない。
2015年の春に転職して現在の仕事に就いたのだがこんなに長く続けるつもりは無かった。ちょうど前の仕事に飽きてきた頃、人生に刺激が欲しかったのだろう。半年ほど日光で働かないかと誘われて二つ返事で承諾して、あれからあっという間に5年間が過ぎた。
今やスマートフォンでGoogleマップを開くと数え切れないほどの星で埋め尽くされている。仕事の現場と宿泊先、それぞれの町で見つけた美味しい店などが保存してある。
北関東を中心に東北は福島県、宮城県、山形県、最北は秋田県、地図上で見る本州の右半分に星のマークがかなり偏っている。その他には新潟県、長野県、静岡県、三重県、山口県、長崎県で仕事をしてきた。
その間、行く先々での日々の暮らしをフェイスブックとインスタグラムで綴ってきたのだが、最近ある友人から『酒場放浪記を出版してくれ』とメッセージがあり、さすがに出版物にするほどのエネルギーは無いが当の本人としても何らかの形でまとめてみたいと思っていたのでこれまでにSNSで投稿したものから思い出深いエピソードを選び、いくらか筆を加えながらnoteに再投稿していく。