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やまちゅん杯準優勝 無魔

 お久しぶりです。どうも、bakasaことカヴァリエーレ・バッカサです。今回はぼくが先日参加したやまちゅん杯で無魔を使用して準優勝、あしもかCSではリスト共有したストラさん(https://twitter.com/kawakouscafe)がベスト8という戦績で、二日間連続で入賞することができた為「これは書くしかない!」ということで、執筆させて頂きます。

 早速解説に入っていく。

環境読み

 新環境初期であるため、蒼波は最大母数として、それに次いで
・血契約
・超星
・紫エヴァ
・キャスゴ
を筆頭に母数が多くなると考えた。そこに、加わって
・テラファイリペア
・夜族リペア
・鋼契約
・純碧雷
・GS
が食い込んでくる可能性があると予想した。
 中でも、キャスゴは蒼波が弱くなって血契約等が台頭するようになるのであれば、かなり通りが良くなるのではないかと考えていた。

無魔を選択した経緯

 制限後の環境ということで、環境デッキの速度が落ち
・エルサルを警戒しなくてよくなった
・色魔神早期リーサルがなくなった
・金雲が消えた
ことにより、強い創界神を主軸としたデッキが這い上がれるのではないかと考えた。その中から
・バーストを創界神の効果で発動できる覇王
・維持コアが必要なく、1ターンあたりのプレイ枚数が多い無魔
・一生ライフ回復ができ、ダメージレースに強い天霊
が候補として挙がった。
その中でも、
・最大母数予想の蒼波の青の世界やガブルに対して盤面保持が可能
・盤面で勝負できる
・パワーの高いフィニッシャーがいること
・1ターンのプレイ枚数が多く、速い山にも速度負けしない
・血契約等のコアシュート山に対して有利を取れる
・創界神を守れる
等の理由から、無魔が強いと考えた。

デッキレシピ

 結果として、入賞したリストは以下の2つだ。

やまちゅん杯準優勝 bakasa
あしもかCSベスト8 ストラさん

 どちらも、バッカスによるフィニッシュ性能の高さと、メドゥークによる受け性能の高さが両立されており、盤面で勝つことを意識したレシピとなっている。
 メドゥークを2面立てると、どのデッキも返すのがかなり難しく、盤面を立てて返すとバッカスの餌になる為、相手の盤面の要求値が高くなる。

採用カード解説

 それでは採用カードの解説に入っていく。どちらも足場は同じで、何を重視するかによって構築を変えている。
 まずは、3投確定枠を解説していく。

確定枠
 
誰が何と言おうと3枚入れる。異論は認めない。

・創界神デュオニュソス

 これがいるだけで無魔の維持コアがいらなくなり、消滅しなくなるだけでなく、デッキの回転率が段違いになる。
 また、レベル2のフラッシュ効果も地味に強力で、実質アンブロ化できるのはかなりありがたい。

・破壊の創界神シヴァ

 言ってしまえば創界神のかさ増し枠ではあるものの、紫/神シンボル持ち、天渡で神託でき、打点にも面処理も可能である為、かなり優秀なカード。

・紫の世界

 配置時1ドローや、アタックに対するコアトラッシュも強く、相手の速度を落とすことができる。

・ゴッドシーカー 冥府作家ラス・カーズ

 効果を読んで分かる通り、デュオニュソスのシーカー。残ったカードはデッキ下に戻すので、落としてはいけないカードを落とすようなことがないように気を付ける必要がある。

・ゴッドシーカー 舞踏龍ナタラージャ

 こちらはシヴァのシーカー。残ったカードはデッキの上にも戻すことが可能で、デュオニュソスが捲れてもトップに戻して次のドローで引けるように操作できる。

・冥府大魔導 エシュゾ

 好きなカードを回収でき、状況によって回収を変えることで柔軟に戦うことができる。
 また、相手の手札のコストアップもあり、しかも重複する為、並べれば並べるほど戦いやすくなる。

・冥府骸導師 オー・ブリオン

 最近流行りのダークタワーを躱しながらバッカスやメドゥークを立てつつ、立てた体数分ドローできる。煌臨でも同じことが可能であり、受けでいきなりメドゥークを立てる動きはかなり強力。

2枚枠
 
3枚にすると多いが、初動のかさ増しやドロソ、ゲームに絡むと強い場面があるメタカード等は2枚採用としている。欲しい時にエシュゾで回収することができる。

・紫電のゼロ

 創界神のかさ増し兼蘇生札。たまにラスカーズ等を受けに使う。神託がターン1である為、神の中でも優先度は低め。故に2枚採用となっている。

・デュオニュソスの酒蔵神殿

 足場兼ドローソース。天渡もちであることからサーチが可能な上、配置時のドロー後にいらない無魔を捨ててドローが可能で、紫の世界よりも効率よくドローができる。
 また、相手の創界神のコアをボイドに送れる為、光導等の相手の受けプラン等を阻害しながら動くこともできたりする。
 その反面、相手のアタックへの妨害はない為、序盤の優先度が高いとは言い難い。故に2枚採用に落ち着いた。

・ダークタワー

 今環境の最有力メタ。契約対面に対してや今環境最強の蒼波に対しての解答となってくる。
 紫電のゼロや受けのオーブリオン等、本来使えるはずのカードの範囲を狭めてしまう為、対面によっては配置しない方が強いこともある。
 環境が固まりきっていない中で、事故札を3枚も積む理由がなく、エシュゾでの回収が効くため、必要な時に回収できる2枚採用が最適。


・冥府の守護騎士

 デュオニュソスに耐性を与えながら、自身も完全耐性を持つ。ドロソにはならないが、酒蔵神殿の破棄対象にはなる。
 クインメドゥークと合わせて完全耐性の呪滅撃持ちBP1000という頭がおかしいシナジーを発揮する。

調整枠
 
2枚か3枚か、はたまた入れるかどうか。何を見るかで採用が変わる為、環境を見て枚数を変えていくのが良い。

・冥府神王カヴァリエーレ・バッカス

 完全耐性持ちのフィニッシャー。相手の立てた面を処理しながらライフを取り、冥解放で相手の使えるコアをなくしてアタックできる。
 フィールドからコアを取るため、ネクサスやアルティメットも対象。メガデッキ以降の環境でも期待できる。
 2枚でも3枚でも入賞している為、どちらでも勝つことができると言える。お好みで枚数を変動させて良いだろう。

・冥府三巨頭 クイン・メドゥーク

プレマ用イラスト描いてます

 これが立つだけで盤面で勝てる。相手の動きを縛りながら、自分はゆっくり動いて詰み盤面を形成できる。
 バウンスにだけ弱い為、2面以上並べられると、相手の要求値が爆上がりする。
 個人的には3枚あると盤面形成がしやすく、勝ちやすい印象だったが、2枚でも問題はないだろう。

・ムトゥードラゴン

 あしもかCS入賞の際は入っておらず、その代わりカシウスの槍とバジャーダレスが採用されていた。個人的には回転率が上がる為、感覚が良い。
 また、これを入れることでキャスゴにメタを張ることができ、確定勝ち盤面を作ることができたゲームもあった。

・EVANGERION Mark.06-カシウスの槍-

 あしもかCSでは採用されていたメタ。超星のガニメデや蒼波のポラリスといったカードによるダークタワー破壊やメドゥークの処理に対して強気に出られる。
 エシュゾでの回収が可能で、相手の動きを縛りながら戦うことができる。
 主に超星のガニメデや蒼波のポラリスに当てて、盤面を崩させないようにする。

・幻惑の隠者騎士 バジャーダレス


 これがあるだけで相手のデッキの回転率が落ちる。バッカスケアでコアをたくさん乗せたスピリットを破壊したりもする。
 これ1枚で幅広く見れる為、採用した。とても強い。

防御札

・デスアタラクシア

 防御札としては、このカードが最適だった。デュオニュソスの関係で、落ちたカードは回収できない。しかし、トラッシュに落ちた際にも系統:起幻を持つ為、役割がある。
 コアを使い切って盤面を展開したターンの返しでも誘発で使うことができる。さらに、そこからバジャーダレスを開く等して動くことができる。
 無色化も簡単で、バレルドラゴンやエリアスターに打ってバッカスの餌にすることがある。

基本的な立ち回り

 このデッキは盤面で勝つデッキの為、勿論基本的に目指すのは詰み盤面だ。
「メドゥーク+守護騎士」
の状態を作ると、BP1000の完全耐性、呪滅撃持ちという頭の悪い布陣が作り上げられる。

 それ以上に無魔を立てたり、メドゥークを余分に立てると、呪滅撃の返しに氷刃を打たれて消されることも少なくなるので相手の要求値がさらに上がる。
 その為、まずは「デュオニュソス+守護騎士+メドゥーク」をゴールに目指していく。その際に、ダークタワーや紫の世界で遅延しながら、パーツを引き込みに行けると良い。
 その形を作れたら、バッカスやメドゥークを追加で立てて、要求値を上げながら、確実に詰めていく。
 以上のようにしていけば、大抵負けることはないだろう。

序盤の考え方

 初手からデュオニュソスを引けるゲームと引けないゲームどちらもあるが、引けない方が多いのは当たり前で、最優先で探しに行くことになるのだが、そういう時自分が意識していた初手の優先度と、先攻2ターン目以降のドロソの回し方で意識したことを説明していく。

初手の優先度
 初手の優先度としては、基本的に
1.安定した足場になる(必ずシンボルを残してターンが返ってくる)こと
2.リソースになること
3.相手の妨害ができること

ということを意識した。
対面によって優先度が変わるのは勿論のことなのだが、ネクサスは後攻1ターン目で割られることは稀で、基本的に足場となってターンが返ってくることが多い。故に、1番上の条件を満たしており、最優先であることが分かる。
 その中でも、紫の世界、酒蔵神殿、ダークタワーと3種類あるのだが、2番目の条件を満たすものは紫の世界と酒蔵神殿となる。
 さらに、3番目の条件を満たすのは、紫の世界のみとなる。
 以上のことを踏まえて、必然的に
1.紫の世界
2.酒蔵神殿
3.ダークタワー
の順で優先度が確定する。
 以上のように考えていけば、どんな対面でも初手の優先度を決められるだろう。

序盤のデッキの掘り方
 デュオニュソスを発掘するまでにも、シーカーのプレイ順や、ネクサスのプレイ順で、デュオニュソスを配置できるターンが変わってくる。
 勿論早めに配置できるに越したことはないが、対面によっては「早く配置しすぎて青の世界で破壊されましたorz」なんてことになってしまっては元も子もない。
 例えば、「ドロソを回してデュオニュソスを引けました。配置して使えるコアとブロッカー0でターンを返します。」なんてことをすると、誘発も2枚しか入っていない為、雑に打点を出されて負けるなんてことも全然あり得る話だ。
 故に「このターン配置して、さらにメドゥークが立つ」「このターン配置できると使えるコアが増えてプレイ枚数が多くなる」等の状況にならない限り、そのターンに配置するメリットはない訳だ。
 基本的にそういう場合はブロッカーを残してターンを返し、ライフを極力減らさせないようにした方が得策の場面もある。
 それを踏まえて、このターン配置した方が強いか、次のターンの方が良いかを場面ごとに考える必要がある。

シーカーの優先度
 基本的にナタラージャを優先的にプレイする。これは、ナタラージャのオープンでデュオニュソスが捲れても、デッキトップに戻して次のラス・カーズやドローネクサスで引き込みに行けるからだ。
 また、早めにカシウスを踏むカードを使っておくことで、以降デュオニュソスが引けた後にコア0個で召喚できるスピリットにカシウスを当てられることがなくなるので、カシウスの価値を下げるという意味もある。

 以上のようなことを意識して回すことで、変な負け方を少なくできる。

受けの考え方

 守護騎士メドゥークの構えができたからといって、簡単に勝ちになるわけではない。ガブルシャック+氷刃血解1枚でそのターンは簡単に突破されてしまって簡単に負けるなんてことも十分考えられる。
 可能な限り相手への要求値を高くする盤面を意識してターンを返すようにする。

攻めの考え方

 このデッキはどんなに頑張っても絶甲氷盾で止まる為、ターンを分けてリーサルを出しに行く。
 それ故、氷刃が入っている可能性があるデッキに対しては最低でもメドゥーク2面を並べて殴りに行くのが鉄則となる。受けを基盤に攻めを考えるとやりやすくなる。

小技・雑学

ネクサス+守護騎士でライフを守る
 序盤の相手の1点というのは、相手のゲームプランに関わる為、できれば通したくない。そこで、ネクサスにくっつけて出せる守護騎士は優秀なブロッカーとなる。なるべく相手の早いプランを通さないことも意識すると、蒼波等の対面には有効な印象だった。

メドゥークでは基本的にブロックしない
 メドゥークは呪滅撃をばら撒けるカードである為、ばら撒いた他のスピリットでブロックするのが好ましい。次の雑学にも記載してあるが、白晶防壁で呪滅撃は突破されるので、本体が消えないように意識する。

呪滅撃は白晶防壁で突破される
 呪滅撃は相手のライフをトラッシュに置く「ことで」フィールドに残る効果だ。故に、ブロックしたスピリットが呪滅撃を発揮する際、白晶防壁で不発にされることがある。そのリスクを考えて、上記の通りメドゥークでブロックするのは悪手になる場合がある。

バッカスは1面で十分
 バッカスは完全耐性持ちの優秀なフィニッシャーであるが、バッカス2面よりもメドゥーク2面を立てた方が有効になりやすい。1体で最大5点もぎ取れるカードであり、出したら生きてターンが返ってくる為、無理に2体出す必要はない。

ダークタワーは対面によっては配置しない
 どう考えても強いダークタワーだが、対面によって無意味だったり、突破できる可能性があったりすると、逆に紫電のゼロやオーブリオンの受け煌臨を邪魔することがある。
 それなら最初から配置しないで他のカードの価値を上げる方が強く使えることがある。

氷刃ケアでオーブリオンをキープ
 相手の攻めを呪滅撃で受けたとき、氷刃でメドゥークを戻されることがあっても、バッカスにオーブリオンを乗って再びメドゥークを立てる動きが可能。実は手札によっては氷刃だけでは突破できないこともある。

対面知識

 ここからは対面知識となるが、自分が練習した対面に限って書いていく。相手がこのデッキを理解しているかどうかで振れ幅がある為、体感とずれがある場合があることはご容赦頂きたい。
(デッキはムトゥードラゴン入りの方で想定する)

蒼契約(4~7割 総合的に見て微有利)
 最大母数と見ていた為、ダークタワーや紫の世界を刺しやすく、遅延した上に守護騎士メドゥークで詰み盤面を作れる。
 相手のハンド保護が無ければエシュゾでコストアップを強いてリーサルが出やすく、ロングゲームに持ち込めれば、全てケアして勝つことができる。

キャスゴ(8割 有利)
 
ナタラージャの常時効果で、デッキが1ターンに3枚しか破棄されず、ムトゥーと合わせて相手への要求値が爆上がりする。
 ムトゥーを自壊してそれをエシュゾで回収すると、もう一回手元を増やせる。

血契約(8割 有利)
 守護騎士メドゥークで詰み盤面が作れる。相手の自壊を考慮し、面を立ててターンを返し、バッカスを引くまで粘る。バッカスを出して手首を捻ると必然的に勝つ。

紫エヴァ(6割 微有利)
 バジャーダレスを使って相手の動きを牽制しつつ、メドゥークを3面並べて突っ込むと氷刃2枚で越えられなくなる。
 メドゥーク2面でも攻めなければ氷刃1枚では越えられない。
 それまでに揃えられて突っ込まれるとかなり厳しい。下手に殴ると氷刃で返されて突破される(1敗)

超星(5分)
 ダークタワーをお互いが配置すると、確実にこちらが有利。ダークタワーがなくても、圧倒的なドロー力で差をつけて、相手より早く打点を出すことができる。
最終的に、相手のライフを4点削り、メドゥーク+ダークタワー(2面あると最高)の構えで超星側には回答が難しくなる。カシウスで召喚時のネクサス破壊を出来なくすると、攻略は不可能となる。
しかし、超星側は足場が安定しており、ダノヴァを立てるとかなり有利に立ち回れる。

夜族(6割 微有利)
フィニッシャーを失った夜族だが、まだまだ基盤は強い印象だ。しかし、バッカスの攻めが強く、こちらの攻めはほぼ確実に通る。
また、ダークタワーが相手視点ではかなり重く蘇生が難しい。
ゼーゲの転醒時も、オーブリオンを煌臨して召喚する際にコアを乗せれば問題なくブロッカーが立つ。
面さえ作れれば、相手に回答はない。

光導(4割 微不利)
 エリアスターを引かれてコア5個置かれたり、テンパランスを投げられたりすると勝機が見えないが、序盤からバジャーダレス等でリソース差をつけて行けるとワンチャンが掴める。上手い人の光導にはほぼ勝てなかった。

鋼契約(3割 不利)
 このデッキの天敵。バウンスで全てを解決される為、当たったら敗けを覚悟してダークタワーに祈る。
 早期にバッカスが決まれば可能性がある。

さいごに

 いかがだったでしょうか。今回は無魔ということでしたが、かなり良いデッキに仕上がっていると思います。一度触ってみて、この楽しさを味わっていただけると嬉しいです。
 「この記事が良かった」「準優勝おめでとう」という方は投げ銭して頂けると泣いて喜びます。いつもと比べて今回は少し高いですが、どうかご容赦ください。
 投げ銭して頂いた方にはお気持ち程度ですが、今回のデッキになるまでの変遷を公開しようと思います。

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