見出し画像

急成長&競争の激しいベトナムのEC市場について

前回、前々回でSNS(及びSNS広告)が急激に伸びていると書きました。今回は同様に急成長しているベトナムのEC市場のお話しをしたいと思います。

前回と前々回の記事はこちら

ベトナムでのEC市場は2023年に約500兆VNDという驚異的な収益を記録しました。ちなみに前年(2022年)は399兆VNDでした。過去4年間で年平均16~30%の成長率で、今後5年間でも年平均成長率は10%を超えると予想されています。

ECプラットフォームでは、Shopee、Tiki、Lazada、TikTok Shop、Sendoの大手5つの売上が特に目立っており、この5つの売り上げだけで約233兆(約1兆4,000億円)、前年比+53.4%増となり、直近3年間で最高の伸びとなりました。

▲2024年1~3月の流通取引総額

これまでLazada が2位だったところ2023年2QのマーケットシェアでTikTok Shopが2位に躍り出ており、流通取引総額でみると2024年の1~3月にはTikTok ShopがLazadaの約3倍となりました!

また近年、EC市場での美容・コスメのカテゴリーの人気が高まっており、売上高の16%を占めています。2024年の第一四半期は、前年比63%増の11兆2500億VND(約680億円)に急増しました。その他の人気カテゴリーにはレディースファッション、家庭・生活用品、電気製品、メンズファッションとなっています。
一方で電気製品や技術製品などは減少傾向にあるようです。

ここで、人気の上位3社のサービス特徴を簡単にご紹介します。

ベトナムで人気のECプラットフォームをご紹介!

■Shopee

2015年にシンガポールで設立され、現在では11地域のエリアでサービスが展開されており、東南アジアで最大規模のEコマースプラットフォームです。
20代女性のユーザーが多く、店頭で見る価格よりも低価で購入できる商品も多いです。ビューティーカテゴリーの商品が人気です。

▲EZBUYサイトより引用

Shopeeの中でもShopee Mallという信用度の高い売り場が人気です。Shopee Mallでは100%本物と保証されたものしか出品できません。Shopeeで実績ができ、条件にあてはまるとShopee Mallに登録ができるような仕組みになっています。ECは特性上やはり偽物も頻出しており問題となっているため、Shopeeの中でも信用度の高いShopee Mallは流通総額の59.2%を占めています。
Shopeeを活用する場合にはShopeeのルールをしっかり守って実績を作り、Shopee Mallに出店することが成功のポイントとなります。

ちなみにShopee Mallに出店する条件は4つあります。

  1. Shopeeで販売登録しているショップがある

  2. 前週から遡って4週間分のデータを取得した結果
    ・納品完了率は90%以上
    ・納品完了延長率は90%以上
    ・Shopeeのルール厳守率100%(15日間の返品/返金規則に従うこと など)
    ・偽物やコピープロテクトなし

  3. ドキュメントを揃える (1. 事業者登録証 2. メーカーからの認定代理店/販売店契約書 )

  4. 最低5商品を販売する

なお、2018年から日本からの越境も開始しています。

■TikTok Shop

TikTok Shopは2022年4月にローンチしたばかりなのですが、すでにTiki・Lazadaを抜く勢いで成長しています。KOL(Key Opinion Leader)として広く認知されているインフルエンサーを活用することで、新しいファッションブランドや美容製を効果的に宣伝することが可能です。「フォローしている人が使っている」という信頼感もあり、特にZ世代やミレニアル世代に人気が高いです。

▲EZBUYサイトより引用

■Lazada

Shopeeと同様シンガポールで設立された会社で、東南アジアで人気となっています。特にホーム&ライフスタイル・ヘルス&ビューティー・家電が人気のカテゴリです。25~35歳のユーザーが多く、家族向けの商品が強いです。

▲EZBUYサイトより引用

ベトナムでECが伸びている要因とは?

ベトナムでECが伸びている要因として、若年層が比較的多いことがあげられます。ベトナムの人口の70%以上が35歳以下となっており、平均年齢は31歳です。若年層には新しいテクノロジーが受け入れられやすい、ということもあり、ECが伸びている要因のひとつとなっています。
(なお、日本の平均年齢は48.4歳だそうです・・・)

引用:PopulationPyramid.net

また、EC市場の成長に伴い、物流市場も拡大を続けています。
ベトナムは、一人一台バイクを持っていると言っても過言ではないくらいバイク文化です。商品の配達においても、複雑で狭い路地が多いベトナム都市部ではバイクのほうが利便性が高いということもあり、バイクでの配達がメインとなっています。昨今ではECサイト運営会社とオートバイクメーカーで提携を結ぶ事例などもあります。

ちなみに・・・

わたし自身、家具を揃える際に、ECは少し不安だったため、最初は安心の某大手日系家具店で購入していたのですが、入荷が1週間後と言われてしまうことがありました。1週間後ではなく、すぐに欲しかったので困ってしまうこともありました。
同様に、どのECショップも手軽で便利なのですが、輸入商品も多いため配送に時間がかかることも多々あります。

例えば家具で言えば、ベトナムでは家具屋さんが集まる通りがあって、そこで買えば基本的に翌日お届けで、設置も含めて無料配送をしてくれます。ECが普及しているのであたりまえにECを使いがちなのですが、やはり日本同様、ものによっては直接購入の選択肢も頭に入れる必要があるなと感じました。

まとめ

ベトナムのEC事情、いかがでしたでしょうか?
人口比率における若年層の多さ × 若年層にささるインフルエンサーの台頭 × バイク文化 で近年急成長しており、今後もまだまだ伸びしろが大きいと言えます!

ただ、EC市場が伸びている!というのは事実なのですが、それだけ商品数が増えているので商品をただプラットフォームに載せるだけでは埋もれてしまいます。
「販売チャネル選定と見せ方」「ターゲット選定」「認知方法」などをしっかりと総合的に戦略立てして販売することが、やはり売上UPにつながります。

VACANCE VIETNAMでは、ECを活用した伴走型コンサルティングを行っています。
ベトナムで商品を販売したい、ECを活用したい!という方は、ぜひVACANCE VIETNAMへご相談ください。

ではまた次回!Hẹn gặp lại。


いいなと思ったら応援しよう!