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#24 2カ国目:タイ🇹🇭 バンコクでの愛に満ちた奇祭

(※出発して以降、丁寧語ではなくなっていますがご容赦ください)

4/14 タイ・ソンクラン(水かけ祭り)🇹🇭

車道の喧騒で目が覚めた。スマホをみると、8時を過ぎたところだ。
今日はスネークファームにワクチンを接種しに行く。宿から歩いていける距離だ。途中、迷ったので道路に面した警備室のおばちゃんに道を尋ねる。英語は通じなかったが、注射のボディランゲージで通じた。いつでも大切なのは言葉ではなく、伝える気持ちなのだ。
ソンクランの真っ最中、果たしてスネークファームが空いているか疑問だったが、普通にやっていた。日本人と同じくらい、勤勉な人たちだと思った。
紙に必要事項を記入して、血圧を摂り、初診料20バーツを支払う。自分と同じく、これから世界一周をするという日本の若者二人が先に来ていたので、彼らと少し話した。
名前が呼ばれ、診察室に入る。フィルター越しで英語が聞き取りづらく、勘違いもありながら、なんとか3つのワクチンを打てた。(AB肝炎混合、4種混合、狂犬病)
黄熱病のワクチンも打ちたかったが、在庫がなく、5月の入荷だという。しょうがない、5/1にもう一回来て、まだ仕入れて無かったら他の国で打とう。
注射のお姉さんが左腕に2つ、右腕に1つ打ってくれた。刺した針は全く痛くなかった。美人で、しかも腕も良いとくれば何も言うことはない。また一週間後に来るのが楽しみになった。値段も3本全部で2200バーツ(約8500円)と、日本では考えられない破格さだった。

黄熱病ワクチンが無かったのが残念

トカゲが多く棲息するルンピニー公園を散策した後、道端の屋台でガパオライスを頼んだ。25バーツ(97円)。将来、日本でお金を貯めたら、タイに越してくるのも悪くないなと、食べながら思った。

ルンピニー公園内の大トカゲ
ローカルなガパオライス


昼の1時も近づき、メトロで王宮がある方面に向かう。まずはワット・ポーへ。巨大な涅槃像があることで有名だ。白を基調とした煌びやかな広い寺院の一画にその建物はあった。横たわった仏陀は写真には収まりきらない。信者たちが熱心に祈りを捧げている。
背中側にはコインを入れていく鉄製の壺が並んでいる。コインを入れながら煩悩を断ち切っていくのだ。昔、イッテQで森山中の三人が「イライラしない」「早寝早起き」「腹減ったって言わない」などと言いながらコインを入れていたのを思い出して笑ってしまった。
昼の王宮はとにかく暑かった。たくさんの観光客が、半袖の前後に大きな汗じみを作っていた。足が疲れてきて、日陰に座って水分を補給すると同時に、なんだか急に孤独を感じてきた。
孤独とは、人がいないところではなく、雑多な中でこそ感じるものなのかもしれない。

ワット・ポーの涅槃像

バイクタクシーも使わずに、最寄りのメトロまで歩き、ホステル近くの駅まで戻ってきた。街中はソンクランが盛り上がりつつある。駅前の無料で配られるエナジードリンクを一気に飲み干し、水をかけられながら宿まで戻った。
セブンイレブンで初めてのSIMカードを買う。旅中はあまりスマホを使いたくはないが、緊急事態に陥った時のために購入した。最初、入れても繋がらずに焦ったが、色々操作していたら何とか繋がった。チェンマイ行きバスの最後の1席を予約し、明日の準備をした後、濡れてもいいように洗濯用のスクラバウォッシュに貴重品を詰め替え、臨戦態勢を整えた。上は旧友から貰った日本代表のサブユニ。ソンクランに文字通り無鉄砲で参戦した。街中で同じユニフォームを着ていた日本人と目が合った。向こうは苦笑いを浮かべていたが。

ソンクラン。
この時期だけはおじさんも少年に戻る。宿を出て早々、おっちゃんにバケツごと水を浴びせられた。これが可愛い子どもや美女だったら、もっと嬉しかったのだけれども。
タニヤの通りは凄かった。道の両端に水鉄砲を構えた軍団がおり、車が通ったのを合図にバトルが始まる。咆哮と水柱が飛び交うなか、日本代表として、バンザイ突撃を試みた。敬意と祈りと、愛をまとった無数の弾丸に被弾しまくった。世界中の銃器が全部水鉄砲に変わればいいのに。
水では冷めない高揚と熱気の中で、昼間に感じた孤独な感情は微塵も無くなっていた。

街中の道路で濡れていない所など無い
囮に騙されての集中砲火

予約したチェンマイ行きのバスPDFを紙媒体にする必要がある。タイではまだまだ日本以上に紙文化が残る。タニヤの大通りから少し入ったところの店の店主に「どこかに印刷できる場所はないですか」と聞いた。そしたらその店主がLINE経由で印刷してくれた。タイは本当に優しい人ばかりだ。
びしょ濡れの服のまま、明日のバスで食べるためのパンを買った。
早朝に備えるために、名残惜しいが、「またいつか参加できますように」と祈念してから、タイの奇祭を後にした。

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