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#152 ペリトモレノ氷河✨死ぬまでに絶対見るべし!🇦🇷
12/7 ペリトモレノ氷河ツアー/ボート乗船/崩落の瞬間❄️
8時、大音量のアラームで飛び起きた。設定を間違えていたらしい。さて、今日は遂にペリトモレノ氷河のツアーに参加する。
宿の朝食はアメリカンビュッフェスタイルで豪華だ。
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9:15-30の間に送迎バスが迎えに来てくれることになっている。すぐバスに飛び乗れるよう、庭のベンチに座って待機していたが、9:45になってもバスは来ない。「この時間のルーズさ、南米だな(笑)もしくはツアー客の誰かが寝坊して時間をとっているのか」
そんなことを楽観的に考えていた。そこに同じホステルに泊まっていた女性が話しかけてきたので、「ツアーバスを待っているんだけど、全然来ないのよ(笑) もうピックアップの時間は過ぎてるんだけどさ。それか...忘れられてるか」
少し心配になってきた。「電話した方がいいんじゃない?」
彼女がアドバイスをくれたので、ホステルのカウンターの女性に確認をお願いした。すると「あと10分待ってごらん」と彼女が言った矢先、バスが到着した。安堵した。エルカラファテの町のメインストリートで大型バスに乗り換えた。ツアー客は自分を含め25人ほどいるだろうか。ここからみんなでペリトモレノ氷河へ行く。
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ガイドの名前はスロルさん。20代のアルゼンチン女性。スペイン語でガイドしたあと、英語に翻訳してくれるので自分にも理解できる。現在バスはステップ気候を走っているそうだ。アルゼンチンといえば草原地帯である「パンパ」が有名である。確かに車窓の外にはステップ特有の背丈が低い草しか生えていない。ところが氷河近くまで行くと、その環境下から気候区分が変わるのか、木々が生い茂るらしい。おそらくはツンドラ気候になるのではないだろうか。それなら針葉樹林だろうか。高校で習った地理の知識を総動員する。ケッペンの気候区分だ。
ロスグラシアレス国立公園の入り口に到着した。ツアーチケット購入時に「入場料は現金払いだから気をつけてね」と言われていたのだが、どうやら最近カード払いも出来るようになったらしく、「カード払いの人は私についてきてください!」とスロルさんが言うのでついて行った。現金払いの人はバスの中で待機していれば係員が徴収に来る。入場料金はどちらも12000ペソ(2070円)だ。緑色のチケットを貰った。そしてスロルさんがフェリーに乗る人の人数を数えて予約していた。もちろん、南米最果ての地パタゴニアまで来て乗らないという選択肢は自分には無い。
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ロス・グラシアレス国立公園に入場する。赤い花がよく咲いている。バスの左側は湖になっていて、さっそく第一号の流氷を発見した。流氷は知床の博物館で見たことはあるが、実際自然の中で見るのはこれが初めてだったと思う。「氷山の一角」という言葉通り、見えている部分は全体の約10%しかない。
幾つ目かのカーブを曲がるとペリトモレノ氷河が姿を現した。白く、そして若干青みがかっている。展望台で3分間だけ写真を撮る時間が設けられた。フェリーの時間が迫っているので急いでいるようだ。
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バス内で注意事項と集合時間、集合場所が示された。自由時間は4時間弱もある。ペリトモレノ氷河のバス停に着いてすぐフェリーチケット売り場で切符を買う。出航の時刻が迫っており、スロルさんの力で他の観光客に優先して購入できた。料金は30000ペソ(5200円)でカード払いも可能だった。
11:45発の購入して、すぐフェリー乗り場に向かい乗り込んだ。一度船内に全員が集まり注意事項を聞く。スペイン語を話した後、英語でも案内していたようだが、語り手の英語の訛りが大変きつく、ほとんど何言っているのか分からなかった。終わると同時、我先にとアッパーデッキに向かう。今日は晴天で風もない最高の日だ。そんなに寒くない。
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ペリトモレノ氷河に近づいてきた。通常部分で50m、一番高い場所で70mの氷河である。その迫力たるや桁違いだ。乗客全員がシャッターを押しまくっている。人混みでよく見えなくてもフェリーはゆっくりと回転してくれるので焦る必要はない。氷河が時々「バキッ!ボゴッ!(実際オノマトペで表現するのが難しい)」という地割れのような音を立てるのにはとても興奮した。氷河が生きている息吹を五感で感じることができる。そして一番の瞬間は崩落の時だ。崩れた氷河が水面への着水時「ドォォォーン!」というものすごい音をロス・グラシアレス公園全体に響かせる。ここまで巨大な自然の造形物が少しずつ形を変えていく様を目撃出来ていることに感動せずにはいられない。崩落の時期を狙ってきてほんと正解だった。
フェリーが奥まで行くと、美しい流氷ゾーンが見えてきた。陽に光り輝く青い流氷と遠くの雪山とのコントラストの美しいことといったら!自分の持つ語彙力では到底言い表し切れなかった。
フェリーは1時間で終了した。ペリトモレノ氷河を下から見上げるという経験ができて良かった。
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船を降りて今度は遊歩道を歩いてペリトモレノ氷河を見下ろしに行く。遊歩道は鉄筋の編み掛けになっている為、ヒールでは歩けないのでご注意を。撮影スポットが点々としていてそれぞれの場所から違った角度で氷河を楽しめる。時々人間慣れした小さな鳥がやってくるのが可愛いかった。
写真撮影のベストスポットは、個人的にアッパー駐車場から少し下った辺りからの撮影がおすすめだ。観光客と氷河とを一緒に撮ることで、氷河の大きさが際立つからだ。ちなみにこのペリトモレノ氷河全体の面積は首都のブエノスアイレス市より大きいらしい。どうにか崩落の瞬間が撮れないかと思い、ビデオを回しながら待っていると、左側の方で発生した崩落を撮影できたので満足した。集合10分前になったので、ペリトモレノ氷河を目に焼き付けてからバスに戻った。最高の日に最高の氷河を観れて本当に良かった。
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エルカラファテ市内で解散しホステルに戻った。この日、自分と同じく4月から世界一周をしているという神奈川県出身32歳のSさんが同じホステルにやってきた。高校の英語教師を辞めて、世界一周を決断したという。あと数日で日本に戻る予定らしい。今まで世界に出たことは少なかったということだが、今回世界一周をして、世界の広さ、そして日本の素晴らしさを再認識出来たという。彼が凄かったのは、PCで日本とzoomを繋いで、旅中に英語を個人レッスンしていたことだ。自分の得意なことでお金を稼ぎながら旅をする良い一例を見せてもらった。彼は明日エルチャルテンに向かい、レンタルテントを借りてフィッツロイのキャンプ場で一夜を明かすらしい。自分は少し疲れていたので、もう一泊ここに泊まってから移動することにしよう。
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